まねき 湖山店 (駅前まねき)

100年を超える伝統を受け継ぐうどん店

大正九年に創業し、今も鳥取で愛されるうどんと丼ものの店「まねき」
創業の1号店を直接継ぐのは、まねき 湖山店。通称、駅前まねき

鳥取市千代水。
JRの湖山駅から徒歩10分、湖山街道沿いの大きなパチンコ店に挟まれた形で立地する、まねき 湖山店

入口にはパチンコ店と共同の看板がある。一番人気はかつ丼とのことだ。

創業 大正九年とある。こちらの看板には天丼のイラスト。

店舗のファサードにはヒストリーが書かれたボードが掲示されている。

創業 大正九年
伝統を受け継いで、三代目の俺もうどん一筋二十五年。
萬年喜ぶ、いつも喜ぶ、いく久しく喜ぶ…。
お客さんの笑顔が見たくって、うどん命の俺は今日もせっせとうどんづくりに精を出す。
俺がつくった本物のうどん 腹いっぱい食べてってください!
元祖 きつねうどん
創業 天どん
名物 かつ丼

伝統を受け継いで、今は三代目とのこと。
大正九年は1920年なので、創業から100年以上の歴史のあるお店だ。

伝統の味とドカ盛りの融合

まねきは、1920年(大正九年)、鳥取駅前にて創業したうどん店「萬年喜」がそのルーツだ。

物資の乏しかった時代。うどんの材料が不足した時に、苦肉の策として氷に砂糖水をかけたかき氷を売ったらよく売れた。
では油揚げも甘くしてみようということで、まねき伝統の甘いあぶら揚げを出すことになったのだという。

戦後もずっと鳥取駅前で「駅前まねき」として営業を続けていたが、時代の移り変わりと共に、駅前まねきは閉店。
そのスピリットを直接継ぐ店舗として、2007年にオープンしたのがまねき 湖山店だ。

現在は鳥取のアミューズメント系企業であるサンヨーグループ内の株式会社テイスティーワンが運営し、2021年3月現在、鳥取県と島根県に5店舗で営業されている。
株式会社テイスティーワン様への問い合わせによると、店名に「駅前」と付くのは湖山店だけで、実質的に本店扱いとのことだ。

店内はコンパクトだが、カウンター席、テーブル席と、

座敷席まである。丸テーブルなのが面白い。

店内に掲示された、うどんのへのこだわり

うどん愛
うどんは、小麦粉と水と塩だけで作るとてもシンプルな食べ物です。
おいしいうどんづくりには、優しさが必要。
力を入れたら、休ませる。力を入れたら、また休ませる…。
そして、しっかり寝かせます。その間に水と粉がなじみます。
この「なじみ」が充分とれたうどんを茹でると、水分をしっかり含んだ半透明のうどんが出来上がります。
このうどんを、しっかり冷たい水でしめたら、こしのある、しかもモチッとしたうどの完成です。
まねきのうどんは甘みがあります。
小麦粉の持っている、本物の味です。

ここには、出汁へのこだわり

おだしのこだわり
創り節や昆布は最上級のものを使っています。
削り節の配合は鰹節屋さんと研究を重ね、混合したものを特注で作ってもらい、おアゲの甘さに負けない深みのあるだしを追い求め、現在の出汁の配合を生みだしました。
化学調味科、添加物は一切使用せず、昔ながらの伝統の味を守り抜いています。
その調整は、生まれてからずっとまねきの出汁で育った私にしか、今はできません。
小さい頃からうどんが好きで、毎日毎日食べてきたことが、今日のまねきの味を支えています。

まねきの特徴は、化学調味料と添加物は一切不使用ということ。
そして、出汁についてこだわり通す伝統を守り抜いているとのことだ。

そして、「まねき」の由来についての説明もあった。

「まねき」の云われ
「まねき」は「萬年喜」。
萬年喜ぶ、いつも喜ぶ、いく久しく喜ぶ。
お客様の喜びと働く人達の喜びを切に願って屋号としました。
まねきは創業大正9年11月生まれのうどん屋です。
「きつねのまねき」と親しまれ、きつねうどんの元祖です。
丁寧につくったおアゲを甘く炊きあげ、だしのきいたうどんにのせたきつねうどんこそ私たちまねきが守り抜いてきたもの。
甘いおアゲが特徴的な逸品です。
戦後、物資が少なかった頃、庶民のご馳走は「甘さ」でした。
先代が戦後、鳥取の焼け野原に「駅前まねき」ののれんをかかげ、最初の売りものはかき氷でした。
駅前にのれんをかけた途端、列車から降りた人達が、ものすごいかたまりになってやって来て下さったそうです。
甘いかき氷やアイスキャンディーが飛ぶように売れた時代。
その名残がこの甘いおアゲにあるのです。

「きつねのまねき」と言われるほど、きつねうどんが愛されたまねきのおあげの甘さは、かき氷がルーツなのだ。

…と、真面目な歴史が掲示してあると思ったら、その隣りにド派手なポスターが…
なんだこれは!?

バカツ丼!!!

通常の5杯分という大きさのカツ丼。
その名もずばり「バカツ丼」

バカのような大きさのカツ丼がバカツ丼、ストレートすぎるネーミングが刺激的である。

これを30分で完食したら3千円、15分で完食したら5千円、10分で完食したらなんと1万円もらえるというのだから、凄い。

辛いバカツ丼辣は、30分完食が5千円、15分で1万円と、判定がやや甘くなってる。
どれだけ辛いか分からないが、辣の30分なら行ける気が…しないでもない。

しかし5杯分。
かなり殺人的な量であることに間違いない。

そして、バカツ丼を見事平らげた勇者の方々の写真が掲示されている。

タイムを見るとほとんどの人が20分台で、3千円進呈コースだが、中には9分という猛者もいる!

かつてCoCo壱番屋が、1,300グラムを20分以内で完食したら無料!完食した人は店内にポラロイド写真を掲示!ということをやっていたが、それを少し思い出した。

これが、まねき 湖山店のグランドメニュー。

1ページ目はかつ丼からスタート。
うどん屋だが推しはかつ丼なのが面白い。
天丼やカツカレーもあり、バリエーションも豊かだ。

3ページ目からはうどん。
まねき名物のきつねうどんはもちろん、様々なうどんがラインナップ。
ざる系のうどんも充実している。

今回は、かつ丼ミニうどんのセットをオーダー!
ミニうどんにはきつねを入れていただいた。

まねきはまだまだかつ丼をプッシュしてくる。

新作かつ丼「かつ丼デラックス」はダブルのかつでボリュウム満点だし、「玉子でとじたソースかつ丼」は、煮込みかつ丼とソースかつ丼のハイブリッドかつ丼だ。

そこにプラス250円でみそ汁をミニうどんに差し替え可能なのだから、死角無しである。

さらに!

激辛「辣かつ丼」

シビカラブームと言われて久しい昨今。まねきのかつ丼にまでシビカラ、激辛の波が。
「たぶん全国初!」と書かれているが、そんな気がする。見たことがない。

気になる辛さレベルは、通常で?となっており、これは「某大手カレー店の、レベル3~4です」とのこと。
某大手カレー店ってここしかない、CoCoしかないと思われるが、3辛らならまだイケる気がする。

これが??だと「一般人では口の中が痛い、舌がヒリヒリして耐えられない」
???だと「一口食べて口から火をふくかも。危険です!!」
とのことだ。

で、同時にラインナップしているのが「辣かつ丼 マイルド甘」。なんだこれは!
横の「辣かつ丼マイルド」は?の1/3程度の辛さ(大手カレー店だと1辛程度?)で、そこにきつねの揚げをトッピングしたという、世界初もなにも、まねきにしか存在しない創作かつ丼に間違いない。

テーブルの上には七味、ゴマ、塩がスタンバイ。

漬物もあるので、かつ丼のアクセントに役立ってくれる。

出汁が効いて旨味天国!かつ丼とおあげ

しばらくして運ばれてきたのは、ノーマルのかつ丼

オーセンティックなかつ丼といったルックスだ。

トロトロの玉子の下にあるカツは分厚い。
箸で持ち上げ、口に入れると…
出汁の味がジュワ~っと口の中に広がる。

これが、化学調味料を一切使わないというまねき伝統の味付け!

そして柔らかく、サクサクと噛める。

これほど美味しかったら、バカツ丼でも余裕で食べることができる気がしてくる。
(気がしてくるだけである)

そして…

ミニきつねうどん

ミニという名の通り小ぶりだが、センターにあるおあげの存在感がすごい。

この厚み!

かつて、きつねのまねきと言われた老舗はやっぱり違う。

おあげを口に入れると、甘い味付けが染みわたる。
これだけの厚みがあるからこそ、この味付けが可能なのだろう。

ただのきつねうどんとは全く違う。
100年を超える鳥取の老舗が醸し出す味わいだ。

鳥取駅前で創業してから100年以上の伝統の味と、バカツ丼や辛さへの挑戦といった刺激。

伝統と、刺激。
まねきはその二つが融合し、他にない魅力を放っていた。

そしてまたまねきに再訪し、今度こそバカツ丼辣にチャレンジするぞと心に誓ったのだった。

まねき 湖山店の地図

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