それは、和歌山のお茶屋さん
和歌山県内で営業する製茶会社の「玉林園」が、飲食部門として和歌山県内で展開するチェーン店「グリーンコーナー」。
その本店は、和歌山市出島にある「出島本店」だ。
この本店は、2012年に現在の地にて本社・工場と共に移転したもので、建物はまだ新しい。
建物の裏半分は、第一工場となっている。
元々の1号店は、1960年に近鉄ビルにオープンしたもので、現在は既に閉店している。
母体は製茶会社の「玉林園」で、グリーンコーナーの看板と共に、玉林園の看板も設置されている。
道路を挟んだ向かい側にあるのが、第二工場である。
創業はなんと江戸時代!
玉林園の創業は古く、1854年に「玉林園」という屋号で創業したお茶屋さんだ。
その後、昭和に至るまで茶の販売を専業して続けてきたが、1958年、ソフトクリームに抹茶を練り込んだ「グリーンソフト」を開発。
これが大きな話題となる。もちろん、世界初の抹茶ソフトクリームだ。
加熱すると緑色にならない抹茶で、当時、緑色を出すことに非常に苦労したのだという。
この抹茶ソフトクリームが食べられる飲食店として、1960年、近鉄ビルに「グリーンコーナー」としてオープンしたのが現在に繋がっている。
2018年現在、和歌山県内に6店舗運営されている。
入口を入ると、左手のフロアはお茶屋さんとなっている。
専門店だけに、数々の種類のお茶が販売されている。
グリーンソフトをキャンディにした商品もラインナップされている。
ラーメンや軽食の充実したラインナップ
そして右側エリアが飲食スペースの「グリーンコーナー」だ。
入口にはメニューがある。ラーメンが多いが中華専門というわけではなく、ノンジャンルといった感じである。
グリーンコーナー 出島本店の店内は広々としている。
グリーンコーナー 出島本店のカウンターの様子。
カウンターの上に全てのメニューが張り出されている。
てんかけラーメン… グリテンセット… 気になるものばかりだ。
レジ横にはおいなりと、紀州っ子 はや寿司が販売されている。
これぞ和歌山! 和歌山ラーメンを食べる時は必ずこの寿司がセットになっているのだ。
この寿司は「鯖寿司」「ささ寿司」とも言われ、酢飯の上に生姜と甘酢に漬けた鯖を乗せて、笹の葉で巻いた物である。
和歌山といえばまずこの寿司を想像してしまう…
高校生が学校や塾の帰りに寄り道できるようなお店
テーブルの上にあるグランドメニュー。全体的に安い!
「てんかけラーメン」は何と370円。これをオーダーしてみた。
後で知り合いが言うには、「自分が学生の頃は180円だった」とのことで、この安さは往年の伝統のようだ。
カウンターの上には明石焼きソース、ニンニク、ヤンニョンジャンが置かれている。
その奥にはコショウやソースもある。
また、持って帰れるパッケージ形式のオリジナルアイスクリームも販売されている。
グリーンソフトはこちらは硬いタイプである。
和歌山ラーメンのアナザーサイド「てんかけラーメン」!
そしてこれが「てんかけラーメン」!
その名の通り、ラーメンに天かすがかけられている。また、生姜とわかめもトッピングされている。
和歌山にはご当地ラーメンとして、井出商店という店が有名な和歌山ラーメンというジャンルが存在する。どちらかというとコッテリ気味の和歌山ラーメンに対して、こちらのてんかけラーメンはあっさりとしており、対照的である。
麺はやや細麺のストレートで、クセの無い味だ。
天かすやわかめと絡めて食べると、これが美味しい…
あっさりとしたスープの出汁がとても心地よく、最後までストレス無く食べてしまえる。
この優しい味、誰からも絶対に嫌われない味、天かすでちょっとジャンク、それでいて300円台という価格。まさに和歌山を代表するソウルフードである。
伝統のグリーンソフトは、流石のお茶屋さんの味!
そしてグリーンコーナーの代表メニューといえばこれ。
「グリーンソフト」!
世界で初めて抹茶ソフトクリームを開発した玉林園による由緒ある商品だ。
これも180円と大変お値打ちなのである。
味は確かに抹茶の香りを感じることができ、抹茶らしい味もバニラクリームと共に楽しめる。バニラ自体はあまり濃厚じゃなくあっさり気味なので、重い感じにはならないだろう。
名物の抹茶ソフトクリームからラーメンやチャーハンなど、和歌山県内だけで展開されるグリーンコーナー。
そのルーツは歴史のあるお茶屋さんであり、抹茶ソフトクリームを発明し、そして今でも和歌山で愛され続けているのだ。