ちゃんぽんではなく「ちゃんめん」
長崎ちゃんぽんではなく、「長崎ちゃんめん」。それはメニューの名前であり、店名でもある。
山口県を発祥とする「長崎ちゃんめん」の1号店は、山口県厚狭にある「山口厚狭店」だ。
JR厚狭駅から徒歩12分の所にある「長崎ちゃんめん 山口厚狭店」が、長崎ちゃんめんの1号店なのである。
長崎ちゃんめんは山口県を中心に岡山県・広島県にも店舗が多く、中国地方を中心にチェーンしている。
なお、長崎を含む九州には1店舗も存在していない。
この教会のようなとんがり屋根を見ると、どこか長崎ちゃんぽん リンガーハットを思わせる所があるが、実のところ全くの無関係で、両方とも長崎にある教会をイメージしているのだ。
山口県で生まれた長崎ちゃんめん、その歴史
長崎ちゃんめんの歴史は長い。
創業は1971年6月。「長崎ちゃんめん 厚狭店」として、厚狭の地に創業した。
「ちゃんぽん」ではなく「ちゃんめん」であることには、理由がある。
公正競争規約施行規則別表では、長崎ちゃんぽんとは長崎県内で製造された「唐あく」と呼ばれる長崎独特のかん水で製麺したものと規定されているが、長崎ちゃんめんでは自社工場で製造しているオリジナルの生麺を使用している。
また、長崎ちゃんぽんでは野菜とスープは同時に茹でるのだが、「長崎ちゃんめん」では炒めた野菜を後から麺の上に盛り付けることを特徴としている。
よって、厳密には長崎ちゃんぽんと異なるため、「長崎ちゃんめん」と銘打ったということだ。
長崎ちゃんめんは1971年創業であるが、「長崎ちゃんぽん リンガーハット」は1974年に長崎県内で創業している。
リンガーハットも上述の理由の通り当初は「ちゃんぽん」とは異なるという理由から「長崎ちゃんめん」と銘打っており、店名まで「長崎ちゃんめん」であったため、山口の「長崎ちゃんめん」と完全に被っていた時期がある。
その後「リンガーハット」となったのは1977年のことで、その頃は「ちゃんぽん」「ちゃんめん」の厳密な区分も時代とともに無くなり、ちゃんぽんと名乗るようになったのだとか。
話を戻そう。
こちら長崎ちゃんめん 山口厚狭店は、道路拡張のために1987年に閉店する。
その後1990年に現在の地にて移転・新築オープンしたのが、この店舗である。
長崎ちゃんめんは2018年8月現在、株式会社ジー・テイストにより、山口県・岡山県・広島県を中心に、兵庫県や島根県にも1店舗ずつ、合計37店舗で運営されている。
長崎ちゃんめん 山口厚狭店はカウンター席とテーブル席のシンプルな構造をしている。
厨房の様子。長年、ここで長崎ちゃんめんが作られ続けてきた。
メニュー。ちゃんめんを中心に、餃子、皿うどん、チャーハンがラインナップしている。
お得なセットメニューもある。
野菜のボリューム感が最高
ここではノーマルの「長崎ちゃんめん」をオーダー。500円だ。
テーブルの上にはソース、ごま、餃子と皿うどん用の酢、ラー油、餃子のたれ、からしが置かれている。
そして運ばれてきた「長崎ちゃんめん」!!
まず目を惹くのが、山のように盛られた野菜のボリューム!
これは迫力がある!
スープはとんこつ風味だ。
リンガーハットの長崎ちゃんぽんと比較すると、ややコッテリとした味付けであるように感じる。豚骨のこくを強く感じる味だ。
そして麺は中麺のストレートで、生麺らしくモチモチとした歯ごたえが特徴である。
野菜の新鮮さとボリューム、麺のモチモチ感、そしてやや濃厚なとんこつスープ。これらが気持ち良く調和した「長崎ちゃんめん」。
それはまさに、ラーメンとちゃんぽんの間をとったオリジナルの食べ物であった。
中国地方に出かけた際には、是非寄りたい店舗である。