小木曽製粉所 1号店 安曇野店

そば処信州の真ん中で

信州といえばそば、そばといえば信州。
さまざまなそば店がひしめく信州で生まれた、そばのチェーン店「小木曽製粉所」
1号店は、長野県の安曇野市にある「安曇野店」だ。

安曇野の広い空と澄んだ空気、迫力の山々に囲まれたところに、小木曽製粉所 安曇野店はある。

長野道 安曇野ICからすぐ。
以前は安曇野IC店という店舗名だった。

大きな店舗が、ゆったりとした寛ぎの時間を予感させてくれる。

農林水産省の「地産地消推進部門 食料産業局長賞」を受賞しているという。

セルフサービス型で、そばの並・大ともに550円税込というお手頃価格だ。

それでは入店してみよう。

お手軽なのにガチ!それはA級の作り方をするB級グルメ

小木曽製粉所は、長野県で飲食業を手掛ける株式会社王滝によって運営されている。
株式会社王滝は1973年、松本の裏町に7坪の寿司屋を開いたことがその始まりだ。

以降、和食や回転寿司、居酒屋などの飲食店を展開して王滝グループを拡大する中で、2014年3月に新業態として始まったのがこの小木曽製粉所だ。

小木曽製粉所は本格的な信州のそばをセルフ形態、そしてお手頃価格で楽しめるお店として、2022年11月現在は長野県を中心に、東海や関西も含めて33店舗で運営されている。

広い店内は木の素材をふんだんに使った空間だ。

入口に置かれたメニューパネル。
チェーン店然とした気軽さに、期待が膨らむ。

ざるそばのサイズが並・中・大にかかわらず600円という価格が嬉しい。
そして、サイドメニューの山賊丼駒ヶ根ソースかつ丼かつ丼のどれもが長野県の食材や文化を活かしており、とても魅力的だ。

メニュー一覧。冷たいそばはざるそばが中心、温かいそばはかけそば、山菜そばなどがラインナップ。
今回は「山芋ぶっかけそば」をオーダー!

サイドメニューは信州名物「ミニ山賊丼」をオーダー!

駒ヶ根ソースかつ丼も魅力的すぎるが、次の機会に!

ここからはセルフのオーダーになる。
まずは、オーダーしたいメニューの札をここから選ぶ。

今回は「ミニ山賊丼」「山芋ぶっかけそば」をオーダー!

目の前ですぐに調理が開始される。
まるで丸亀製麺のような、見せる厨房スタイルだ。

そばが出来上がるまでここで待っておく。

できたばかりのそばに、そばつゆは自分で注ぐ。

次は天ぷらコーナーだ。

さまざまな天ぷらが揃っているが、「山賊焼き」「野沢菜漬け天」あたりはさすが長野といった感じだ。

これが山賊焼き。
いわば長野風味の唐揚げである。

そしてお会計を済ませる。

一人の男の情熱が形になった

ここで、店内に掲示されてあった創業の話を見てみたい。

 

小木曽製粉所誕生秘話
木曽製粉所誕生の裏には、ある一人の熱い想いが詰まっていることを忘れてはならない。
現・専務取締役、そば事業部長の高砂圭司である。
高砂は、松本で生まれ育つも、高校卒業後上京し、20年にわたりミュージシャンとして活動していた。
しかし、ある時帰省した松本で食べた手打ちそばの美味しさに衝撃を受け、「そば屋になる」と一念発起。
音楽活動をキッパリ辞め、第二の人生を故郷のソウルフードに賭けた。

「そばきり みよ田」に入社し、すぐに店長に抜擢されるも、はやる気持ちや会社の期待とは裏腹に、店は赤字続き。一人悶々と悩む日々が続いた。

そんなある日、高砂の前に一台の車が止まり、運転席から永瀬社長が降りてきた。
高砂は「クビを言い渡されるのか」と思わず察するも、社長は、「ちょっと出かけるぞ」とひとこと。 動き出した車は山の中の一本道へ進むにつれて雲行きは怪しくなり、大変な土砂降りの雨となった。
到着した老舗のそば店でテーブルに着くと、名物のとうじそばや、漬物、煮物などの田舎料理が運ばれてきた。味の記憶はないという。
「これで払っておいて」と社長。手渡されたのは愛用の長財布で、その分厚さと重量は衝撃だった。

車の中も、食事中も、一切、お説教も小言もなし。ただ、そばを食べただけのドライブだった。

しかし、この日を境に、提案した新メニュー「とうじそばプラン」が大ヒット。 現在でもそばきり みよ田」の不動の定番人気を誇る。

その後の「そばきり みよ田」は、赤字からV字回復を遂げ、高砂は社長から全幅の信頼を得た。
そして、そばの三たてである「ひきたて、打ちたて、茹でたて」を提供するため、自社に製粉機を導入。
さらに「美味しいそばをおなかいっぱい食べて欲しい」と、製粉・製麺所を併設した「そば処 小木曽製粉所 安曇野店」をオープン。
セルフサービスで税込み500円という手頃な価格が人気を呼び、初日から大行列ができた。

多店舗化を展開し、3年後には10店舗 翌年にはフランチャイズ事業を開始。
事業は年を追うごとに拡大し続け、海外も視野に入れている。

「社長が言いたかったのは、店に足りないものは何か、経営とは何か、だったと思います」
「地元の食材を使い、素朴なもてなしてお客様に喜んでいただく。それを実際に食して体験すること。
そして、成功すれば今厚い財布が持てるという無言のメッセージまで含め、身をもって教えてくれたんだと思います」
「課題は安定供給だが、そばの品質は譲りたくない。そば処の信州から発信するそばだからこそ、『おいしい』と言われたいですからね」と高砂。

高砂の夢は人気TV番組の密着取材を受けること。
いつか、海外の広大なそば畑の中に立つ高砂の笑顔が、大きく映し出される日が来るかもしれない。

王滝グループのそば店「そばきり みよ田」に入社した高砂さんだったが、赤字続きだったという。
そんな中で、王滝の社長に連れられて食べたそばに衝撃を受け、考えた新メニューがヒット。

そこから、小木曽製粉所のオープンへと繋がったという。

王滝グループ代表の永瀬氏のこだわりも、掲示されている。

 

小木曽製粉所は宣言します。

その壱 そば粉にこだわります

厳選して仕入れた上質なそば粉を、自社で製粉・製麺。
「そば処 小木曽製粉所」の店舗で使用しているそば粉は、自社で製粉。
手作業でそば粉の状態を見ながら丁寧にブレンドしています。
そばはデリケートな生物ですので、その時の天気・湿度により、挽き方・打ち方を変え、常にベストな状態のそばを提供できるようにしております。

その弐 鮮度にこだわります

三立て=「挽き立て」「打ち立て」「茹で立て」。
お客様の目の前でそばを茹で、冷水で洗い、氷水で締めてご提供します。
茹でおきは一切しておりません。
サイドメニューも充実しており、天ぷらをはじめとするトッピングメニューを豊富にご用意しております。
メニューの中には季節限定のメニューがあり、四季を味わうこともできます。
店内のライブ感と合わせて、お好みのスタイルで出来立ての美味しいそばをお楽しみください。

その参 価格にこだわります

そばだけで満腹を実現!
本格二八そばが550円でお召し上がりいただけます。
しかも大盛でも並盛と同じ550円!
一人でお腹一杯ざるそばを食べるもよし、大盛をご家族で分けるもよしです。

自社でそば粉を製粉し、ブレンド。
そして、オーダーしてから作る、茹でたて。
それでいて、低価格。

これが小木曽製粉所の特徴だ。

信州ならではの、薫り豊かなそば

そして完成した、「山芋ぶっかけそば」「ミニ山賊丼」

食べる前から、爽やかなそばの薫りを感じる。

そしてこれが、「ミニ山賊丼」!

この見た目に、食欲をそそられない奴はいない。

どちらから箸をつけようか。

メインのそばからつけようか。
味が濃そうな山賊丼か。

こんな時間が、人生には必要だ。

やはり、そばから。
店内で製粉し、作りたてのそばは、そんじょそこらのそばとは全然違う。

口に入れた時のそばの薫り。
噛んだときのみずみずしさ。
適度なコシ。

このようなそばを都内で食べるには、高級店に行く必要があるだろう。
しかしそれを、500円かそこらで食べることができる。

長野のマジックだ。

そして、山賊丼。
ニンニクを効かせた鶏モモ肉の唐揚げ、これが山賊焼きで、それをご飯に載せたものが山賊丼だ。

まさに山賊が八ヶ岳の山中でガツガツと食ってそうな? いや、八ヶ岳の山中で山賊が揚げ物を作るのか知らないが、そんなワイルドなソウルフード。

ニンニクがスタミナ感を感じさせてくれる。

さきほどの山芋ぶっかけが静だとすれば、こちらは動。
そんな対比がたまらない組み合わせだ。

生そば、干しそば、ざるつゆ、そばまんじゅうなどのお土産も販売されている。

全国にじわじわと店舗数を増やしている、小木曽製粉所。
長野県内のお店はもちろん、どこでも新鮮なそばを食べられる。
ありそうでなかったチェーン店ではなかろうか。

小木曽製粉所 1号店 安曇野店の地図

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