最終学歴はどこですか?
長野県の定番ギャグとして、「最終学歴はラーメン大学です」というものがあるらしい。
その「ラーメン大学」とは長野県にたくさんあるラーメンチェーン店のことで、通称「ラー大」と呼ばれる。
フランチャイズ店がほとんどの中、唯一の本社直営店は上田市にある「上田バイパス店」だ。
夜の街に燦然と輝く「ラーメン大学」のネオン。
この赤暖簾をくぐること。それはまさしく「入学」だ。
ラーメン大学といえばこのキャラクター「大ちゃん」。
大ちゃんの帽子にあるのは、ラーメン大学の校章だ。
こんな学校に入りたかった…
長年に渡って長野で愛され続ける味
ラーメン大学の歴史は長い。
そのルーツは、1962年頃に東京で創業した店舗となる。
そして1965年、暖簾分けという形で長野県でオープンするのが、今のラーメン大学の本流となる。
東京で創業した1号店、長野県内での1号店共にすでに閉店しており、現存しない。
ラーメン大学は早くからフランチャイズの形式をとり、全国各地にラーメン大学という看板の店舗を持つに至った。
しかしながら現在は、店主やオーナーの高齢化による跡継ぎ問題などで閉店が相次いでいる。
これは歴史のあるフランチャイズ店によく起こる現象だ。
また、各店舗ごとにかなりの個性があることも、歴史の長いフランチャイズ店ならではの特徴だろう。
どさん子ラーメンやラーメンショップもラーメン大学と同じ時代に生まれたフランチャイズであり、彼らも店舗ごとの個性が際立っている。
いわば、店舗ごとにバラバラなのが当たり前だ。
ラーメン大学は、現在は株式会社エスネッツによって運営されている。
長野県の千曲市にフランチャイズ本部としてセントラルキッチンが設置され、ラーメン大学各店に配送されているが、全店舗かどうかは不明。
ラーメン大学と名の付くラーメン店は、独自調査によると2020年10月現在、全国で34店舗ある。
その経緯から長野県の店舗数が最も多いが、滋賀県、大阪府、山口県、鳥取県と、様々な地方に散発的に店舗がある。
ここ「上田バイパス店」は株式会社エスネッツによる唯一の直営店で、ラーメン大学の「本店」に相当する扱いをしているということだ。
(株式会社エスネッツ様への直接確認による)
入店するなり「こってり味噌ラーメン」「こてこて中華そば」「辛こて味噌ラーメン」と、やたら「こってり」というワードをプッシュしたポスターに遭遇。最新のラーメン大学はコッテリ推しである。
上田バイパス店のフロアは、カウンター席とテーブル席という構成になっている。
ラーメン大学 上田バイパス店で使われている米は、長野県産の「風さやか」とのこと。
味噌推しだが醤油、とんこつ、塩もスタンバイしている
こちらがラーメン大学 上田バイパス店のグランドメニュー。
1ページ目から「こってり濃厚味噌」「あっさり極旨味噌」となっている。
味噌は信州味噌が使われているとのことだ。
今回は当店人気No.1という「こて味噌ラーメン」をオーダー!
中のページは醤油、とんこつ、塩がラインナップ。
こってりバージョンがあるのは味噌のみだ。
そしてバラエティの欄には酸辣湯麺、玉子担担麺、油そば、つけ麺なども!
この玉子担担麺はどこかで見たような…!?
サイドメニューには餃子、そしてミニどんぶりも。
ミニどんぶりはテンホウのセットにもあったりして、長野県ではポピュラーなサイドメニューかも知れない。
今回は「半チャーハン」もオーダー!
テーブルにはラーメン店としてごく標準的な調味料などがスタンバイ。
お手ふきはラーメン大学のシグネチャーモデルだ。格好いい。
こってり味噌ラーメン、充足感のある食感!
しばらくして運ばれてきた「こて味噌ラーメン」!
見た目からしてこってりしてそうだ。
まるで京都ラーメンのように、スープには背脂が浮く。
スープの味は、味噌のまろやかさと、ほのかな甘さが、とても良い感じに口の中に広がる。
それをこってりの背脂が、旨味をダイレクトに伝えてくるような感じだ。
麺は、メニューにも記載のあるように太麺でストレートだ。
この麺の食感もすばらしく、飽きずに最後までたべることができる。
そして半チャーハン!
「半」のわりには結構ボリュームがある。これくらいが普通サイズとしてチャーハンを出している中華料理店やラーメン店は多い。
味はあっさりとしていて、とても食べやすい。
こってりとしたラーメンと一緒に食べても喧嘩しないが、旨味はしっかりある。
そんなラーメン大学。
東京に生まれ、長野で育ち、全国に広がり、そしてまた長野から進化していく。
信州味噌を使った風味豊かな味噌ラーメンを筆頭に、さまざまなメニューが常時ラインナップ。
これで自分も最終学歴はラーメン大学となった。