GOOD MORNING ラーメンショップ

謎に包まれたラーメン店「ラーショ」

赤に白い文字で「ラーメンショップ」と書かれたラーメン店がある。
それも、全国あちこちに。
しかしその全貌は誰も把握できていないという。現代においても謎に包まれたラーメン店だ。
そんなラーメンショップの1号店、あるいは本店に相当する店舗と言われるのが、大田区羽田にある「GOOD MORNING ラーメンショップ」だ。

環八通り沿い、京急の大鳥居駅付近にあるGOOD MORNING ラーメンショップ
そのレトロな外観から漂うのは、古き良き昭和のラーメン店といった佇まいだ。

なんといっても気になるのは「GOOD MORNING」の文字。
何が「GOOD MORNING」なのか?

これは、このお店の営業時間が朝6時から昼の2時まで、というものに因んでいる。
しかも月曜から金曜までの平日しか営業しないため、なかなか敷居が高い。
食べるなら始発の京急で大鳥居駅に行き、早朝6時からラーメンを流し込んでから出勤するしかない。まさにエクストリーム出社だ。

家系ラーメンのルーツと言われる理由

ラーメンショップは実に謎に包まれた存在である。
これほど謎に包まれたチェーン店は他にない。

まず、公式ホームページなるものは存在しない。
そして、本部だと言われているGOOD MORNING ラーメンショップの運営元である有限会社 椿食堂管理は、一切の取材を受け付けない。これは、創業者の椿氏のスタンスなのだという。
しかも、全国津々浦々に存在するラーメンショップのフランチャイズ店は自由度が高く、店舗ごとに何もかもがバラバラ。フランチャイズの統制をしっかりとるような方針ではなさそうだ。

以上から、ラーメンショップの創業年や、その他詳細に関わる情報は、伝聞以上のものが存在しない

そんな状況であるが、ここ「GOOD MORNING ラーメンショップ」はラーメンショップの1号店の流れを汲む店舗、ということだけが明らかだ。

1960年代、ラーメンショップと名乗る前は「椿食堂」という名前で羽田で営業していたのだという。
しばらくしてラーメンショップと名乗りはじめたのが起源だ。

その時期、家系ラーメンのルーツ店である吉村家の創業者である吉村実氏もラーメンショップにて修行したのだという。これが、家系ラーメンの元祖にラーメンショップがあると言われる所以だ。

やがてラーメンショップは現在の店舗を構えると同時に、椿食堂はバックオフィスとして「椿食堂管理」の本部も同じ場所に構える。
GOOD MORNING ラーメンショップは椿食堂管理と同一の電話番号・同一の住所であり、そのことからGOOD MORNING ラーメンショップが1号店であり本店に相当するとされている。(公式にはそういった扱い、発表などは無い。また、愛知県津島市に本店と銘打ったラーメンショップも存在する)

全国のラーメンショップの正確な店舗数は判明していないがおおよそ300店舗だと言われており、2019年6月現在、食べログでの検索結果だと358件ヒットする。

店内はカウンターのみで、壁には手書きのメニューが貼られている。
ノーマルのラーメンは600円。そしてネギやチャーシューによるバリエーションがある。

ここでは「ラーメン」をオーダー。

椿食堂管理で作られた食材

テーブルに置かれたラーメンショップ謹製の生にんにく
ここに書かれている「椿食堂管理」がGOOD MORNINGラーメンショップの運営会社であり、この店舗そのものである。

酢、辛味噌、七味などの調味料。

ラーメンショップ謹製の麺
ここに書かれている電話番号も椿食堂管理のものであり、GOOD MORNINGラーメンショップのものと同一だ。

ちなみに椿食堂管理では調味料・麺・生にんにくなどが作られて他店舗に配送されているが、それは全てのラーメンショップの店舗ではなく、他店舗は本部から購入する義務も無いのだという。
そのため、椿食堂管理から調味料が配送されているラーメンショップは、ファンの間では「椿系」と呼ばれている。

豚骨醤油スープにワカメの存在感!

そして運ばれてきた「ラーメン」!

大きめの器に、ドーンと盛られたワカメが印象的だ。

スープは豚骨醤油で、そこまでコッテリしたものではない。
確かに「家系ラーメンのルーツ」と言われれば頷いてしまう。

このスタイルのスープは東京豚骨と言われることもある。

ノーマルのラーメンには、チャーシューは1枚。

なにより、ワカメ!

麺は中細麺のストレート。

この麺の味が絶妙で、うどんでもそばでもなく、「ラーメンを食ってる!」ということを強く感じられる味なのだ。
そこにやや塩っぱい豚骨醤油スープを絡めて食べる。
ときおり、ワカメやチャーシューもアクセントとして楽しむ。
そして、生にんにくを入れて味の変化を楽しむ。
600円という価格のラーメンで、これだけ楽しめる老舗の味。

隣にあった某大手ゲーム会社の社員さんも、マスターアップ前の忙しい時期、夜を徹した作業のあとにGOOD MORNINGしながらこのラーメンを食べたのかも知れない。
謎の多いラーメンショップ。そのミステリーも味のスパイスであることは間違い無い。

GOOD MORNING ラーメンショップの地図

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