世界最大のフライドチキン専門チェーン店
フライドチキンを中心に提供するファストフードとしては世界最大規模、全世界2万店舗もの巨大なチェーン店であるKFCこと「ケンタッキーフライドチキン」。
日本でもチェーン展開されて久しいが、現存する日本最古のKFCは東京にある「北青山店」だ。
KFC 北青山店は、地下鉄表参道駅からすぐの青山通り沿いにある。
シンプルながらもすぐに分かる「KFC」のロゴと、創設者 カーネル・サンダースことハーランド・デーヴィッド・サンダース氏。この顔を見るだけで反射的にフライドチキンを食べたくなる人も多いのではないだろうか。
その歴史は1930年、サンダース氏の発明から始まった
KFCの歴史は長い。
本国での歴史はとても複雑だが、それは1930年代にカーネル・サンダース氏がケンタッキー州コービンの国道沿いのレストランで、フライドチキンの販売をはじめたことをルーツとする。
1952年にはソルトレイクシティにて「ケンタッキーフライドチキン」のフランチャイズ1号店がオープン。このとき、カーネル・サンダース氏はなんと62歳だった。
この1号店は大きな話題となり、その後は全米はもちろん、イギリス、メキシコ、ジャマイカへも店舗展開するなど、国際的に成功した初めてのファストフードチェーンとなった。
日本での店舗展開は、1970年の大阪万博にて開催期間限定の初出店を行うところから始まった。
この店舗は大成功を収めたため、ノリに乗ってその年の11月、名古屋のダイヤモンドシティ・名西ショッピングセンターにて日本1号店となる「名西店」がオープンするが、不振により半年後に閉店してしまう。
その後、大阪万博で大成功をしたのだからと大阪に続けて「東住吉店」(2号店)、「枚方店」(3号店)をオープンさせるも、どこも不振となってしまう。
ロードサイドではダメだということで、今度は神戸三ノ宮の商店街に「トーア・ロード店」(4号店)を出店したところ、これが大人気店に!
外国人居留地も近い神戸では、受け入れられることも早かったようだ。これが1971年4月のこと。
翌月の1972年5月には東京1号店である「青山店」、1972年9月には日本におけるフランチャイズ1号店「江ノ島店」がオープンする。
いずれも現在は閉店しており、1971年12月オープンの「北青山店」が現存するKFC最古の店舗となっている。
なお2019年7月現在、日本には1133店舗で運営されている。
1971年オープンの日本現存最古店「北青山店」でチキンを食べよう
KFC 北青山店は、1階は歩道に面したカウンターのみとなっており、2階に上がるとイートインスペースがある構成の店舗となっている。
在りし日のカーネル・サンダース氏をあしらったデザイン。
thighs, breasts and wings are delivered fresh to this restaurant throughout the week.
Our whole chicken is always fresh, it’s hand breaded and cooked by real cooks, in this restaurant, every day.This we call isp (In Store Prepared).
KFCのフライドチキンのおいしさの秘密は、チキンの部位全てが一週間を通してこのレストランに届けられ、常に新鮮なチキンがあることです。
そして毎日ここで、本物の料理人の手作りで調理されます。
これをisp(In Store Prepared)と呼びます。
The Colonel’s Original Recipe chicken is now enjoyed by more than 12 million people every day and in over 100 countries.
KFCの企業秘密であるチキンのレシピは11のハーブとスパイスから作られるもので、1939年、ケンタッキーにてカーネル・サンダースによって発明されました。
カーネル・サンダースのオリジナルレシピチキンは現在、100カ国以上、1200万人以上の人々に毎日楽しまれています。
KFC makes these moments So Good.
バケツの心構え:あなたが家族や友人と素晴らしい時間を共有しているときの大切な瞬間。KFCはこれらの瞬間をとても良いものにします。
これがKFC 北青山店のグランドメニュー。
今回は「オリジナルチキンセット」をオーダー!
2カラム構成のポスター式メニュー表もある。
2階へ行く階段は少し急だ。
北青山店の入居しているビルの年季を感じさせる部分であり、1号店トラベラーとしては萌え要素だ。
こちらが2階フロア。決して広くないが、ここでKFC日本最古店のチキンを楽しむことができる。
お手ふきはKFCのシグネチャーモデルだ。
どの部位が出てくるかは運次第!それもKFCの楽しさ
これが「オリジナルチキンセット」!
こんなにシンプルだっけ? と言いたくなるほどシンプルな構成が、どこかレトロな雰囲気を漂わせている。
KFCのフライドポテトは厚みのあるもので、食べ応えがある。
味付けもちょうど良い塩加減だ。
そしてこれがKFC伝統、カーネル・サンダース秘伝の11種類のハーブとスパイスで作られた、「オリジナルチキン」だ。
部位は奥のが「キール」、手前が「サイ」だ。
キールは小さな骨しか無いことが特徴だが、ややパサパサした食感。
サイは腰骨と大腿骨という2本の骨が入っており、この骨を避けながら食べるが、味はジューシーで、フライドチキンの旨味を感じやすいものだ。
そして主張しすぎないハーブとスパイスの味付けが「これぞKFC」といったもので、飽きずに何個でも食べてしまいそうになる。
カーネル・サンダースが1930年に作り始めたフライドチキン。
それが今や全世界で愛され続け、日本でも多くの店舗が存在し、名実共にフライドチキンの代表格であるケンタッキーフライドチキン。
日本最古の北青山店に行くと、大阪万博に端を発する1970年代の洋食文化ブームの空気を、少し感じることができるかも知れない。