日本で最初に「つけ麺」の名前を使い始めた店
日本の「つけ麺」の歴史を紐解くと、そのルーツは1955年に創業した中野 大勝軒にたどり着く。
当時はもりそばと呼ばれたこのスタイルは、1970年代に大きなブームとなった。
そんな時代、東京・荻窪にて創業された店舗が「元祖中華つけ麺大王」で、日本で初めて「つけ麺」と名乗り始めた店舗となった。
その後、自由が丘にて「総本店」を構え、現在に至っている。
東急東横線・大井町線の自由が丘駅から徒歩2分。
1972年に荻窪にて創業した「元祖中華つけ麺大王」は試験的な店舗だったようで、2年ほどで閉店させ、そこで得たノウハウを元に1974年に自由が丘で改めて創業したのがこの「元祖中華つけ麺大王 総本店」だ。
1970年代後半には日本でつけ麺ブームが起こり、つけ麺大王も1日に1店舗オープンという驚異的なスピード感でチェーン展開を行い、最盛期には80店舗ほどにもなっていたという。
その後、続々とつけ麺を出す店舗がオープンする中で競争が激化、つけ麺大王は徐々に店舗数を減らしていき、2019年9月現在、東京を中心にのれん分けで全9店舗が存在する。
それぞれの店舗ごとに大きく味が違うことが特徴だ。
この元祖中華つけ麺大王 総本店は2009年にリニューアルし、現在の外装・内装となっている。
たくさんのメニューが貼られたボードが外に掲示してある。
元祖中華つけ麺大王 総本店の店内はカウンター席のみとなっている。
つけ麺以外のラインナップも充実
元祖中華つけ麺大王 総本店のグランドメニュー。
1ページには「特選和風焦がしつけ麺」「特選和風焦がしラーメン」といった創作つけ麺がラインナップ。
ページをめくれば様々なバリエーションが用意されたつけ麺がラインナップ。
「スタミナつけ麺」「オロチョンつけ麺」「みそつけ麺」などの推しがある中で、今回は最もベーシックな「醤油系 つけ麺」をオーダー!
丼ものやその他の中華料理も豊富にラインナップしている。
元祖中華つけ麺大王 総本店の「木くらげ玉子丼」は固定ファンも多いようだ。
テーブルには自家製ドレッシングと、かぼすの果汁。
塩、七味、辛みそラー油、ブラックペッパー、醤油、からし、酢。
そしてすりおろしの生ニンニクがスタンバイ。
シンプルイズベスト!まさに飽きが来ない味
運ばれてきた「醤油系 つけ麺」!
最もシンプルなつけ麺メニューだ。
麺はツルツルとした食感で、みずみずしく、さっぱりとした味わいの太麺だ。
この麺をスープの中に浸して食べる。
「濃かったら薄めてください」と割りスープが入ったポットを渡されるように、やや濃いめの醤油のスープとなっている。
その味はシンプルそのもので、今時の情報量の多いつけ麺やラーメンとは一線を画するものだ。
しかしシンプルさの中に普遍的なおいしさがあり、ニンニクや酢を少しずつ足して味に変化を付けながら食べるつけ麺は、昭和から守り抜かれた伝統を感じずにはいられなかった。
麺の素直な味と、シンプルな醤油スープ。
昔ながらの組み合わせを、現代の東京で食べる。
まさに至福のつけ麺体験であった。