ラーメン史に残るエポックメイキング、「ダブルスープ」
日本のラーメン史において、二つのスープをミックスした「ダブルスープ」と呼ばれるエポックメイキングな手法を確立したお店、「中華そば 青葉」。
その後のラーメン界にも大きな影響を与えたと言われる同店の、1号店であり本店は東京都中野区にある「中野本店」だ。
JR中野駅からふれあいロードを歩き、徒歩3分。
そこにあるのは、「中華そば 青葉 中野本店」だ。
「青葉」という店名は、創業者の出身地である仙台のイメージ(青葉区というのがある)と、「これから伸びゆく、繁れる」という草木のイメージを持たせているのだという。
「中華そば 青葉」は1996年に中野のこの地で創業した。
創業当時から屋台の雰囲気を持ち、スープ・麺ともに並々ならぬ研究とこだわりを貫いた結果、魚介系であっさりした「東京ラーメン」と、豚骨でこってりした「九州ラーメン」の良い所取りをしたという独特の「ダブルスープ」が完成したという。
このダブルスープとは、豚骨や鶏ガラといった動物系スープから脂を分離してコクだけを残したものと、カツオ・鯖・煮干しといった魚介系スープを別々に抽出してミックスさせたという独自のものだ。
その味は大きな話題となり、中華そば 青葉はたちまち連日の行列店となる。
その後は、中華そば 青葉に影響を受けたインスパイア系ラーメン店も全国に次々に開業するという、まさにラーメン史において重要な店舗となった。
2019年6月現在、首都圏を中心に20店舗で運営されている。
屋台の雰囲気そのままの中野本店
中華そば 青葉は、先に食券機で食券を購入する仕組みだ。
今回は、最もオーソドックスな「中華そば」をオーダー。
中野本店の店内はカウンター席のみとなっており、扉も無く開放的な造りとなっている。
まさに屋台の雰囲気そのものだ。
仙台出身の第三代横綱「丸山 権太左衛門」の銅像写真が飾られている。
テーブルの上ある調味料は「ゆず唐辛子」のみだ。これも自家製とのこと。
シンプルながらも驚くべき奥深さを持つラーメン
そして運ばれてきた中華そば 青葉 中野本店の「ラーメン」!
黄金色に輝くスープ。これが「ダブルスープ」だ。
一口目は魚介系、特にカツオの風味を強く感じるが、しばらくすると豚骨のようなコクを味わえるといった感じで、時間差で複雑な味が楽しめる。
柔らかく、とろけてしまいそうなチャーシュー。
麺も中華そば 青葉オリジナルのものだ。
小麦の風味をしっかり感じることのできるこの麺は、うどんと中華麺の良い所をミックスするように作られたものだという。
シンプルな構成ながら、これほどまで多面的な味と情報量を持ち、全く飽きずにスープの最後の一滴まで飲み干してしまいたくなる、中華そば 青葉のラーメン。
ラーメン界で大きな話題となって連日の行列を作った発信地である中野本店は、駅から徒歩3分という立地ながらミシュランガイドにも掲載されたことがある店舗だ。
中野に行った際は、東京を代表するラーメンチェーン店の本店に、是非とも足を運んでみて欲しい。