キッチン南海 1号店 神保町店

神保町。それは本とカツカレーの街

本の街として知られる東京・神保町。
そして神保町のもう一つの顔は、カツカレーだろう。
「日本三大カツカレー」と言われる店のうちの一つ「キッチン南海」。その1号店であり暖簾分けの総本店は、神保町にある「神保町店」だ。

※2020年6月に閉店しました。

半世紀以上の歴史を持つカツカレー

キッチン南海は、1960年に東京の飯田橋で創業した洋食レストランだ。その後、1963年には神保町に移転し、現在までこの地で営業を続けている。
2018年12月現在、暖簾分けをした店舗は全国に18店舗で営業している。

日本三大カツカレーとは、その時系列やレシピの進化は諸説あるが、浅草の「河金」が大正時代にカツカレーを発明してから、銀座の「グリルスイス」、そして神保町の「キッチン南海」、という流れがあると言われている。

レトロなメニューサンプル。

もちろんカツカレーもある。750円だ。

ちょこんと置かれた象の木彫りにある「元祖カツカレー」という文字が、さりげなく伝統を感じさせてくれる。

キッチン南海 神保町店のメニュー。カツカレー以外にも、エビフライやしょうが焼き定食などがラインナップしている。

レトロな雰囲気の店内は相席が基本

店内はカウンター席とテーブル席の構成だが広くは無いため、テーブル席では相席が基本だ。

店内の壁にある「KITCHEN NANKAI」。

テーブルに置かれているのは、マヨネーズ、ごまだれ、とんかつソース、福神漬け。

この赤い福神漬けは、どこか懐かしい。
最近は茶色い福神漬けの方がメジャーになったように思える。

こちらはごましお、レモン汁、スパイス、ウスターソース、タバスコ、からし。
おおよそ一通りのテーブル調味料が揃えられている印象だ。

店内にもメニューは貼られている。

カレーへのトッピングはこのような構成だ。リーズナブルなのが嬉しい。

漆黒のカレー、その深い深い味に感動

そして運ばれてきたのは… 「カツカレー」!!

黒い!!

まさに漆黒の色をしたルーだ!

その黒いルーがカツにもかけられている!

ライスと共にスプーンに載せて食べてみる。

その味、辛すぎず、甘すぎず。黒いルーの、少しビターな独特なコクがやみつきになってしまう。
この味は好きな人が多いのも一瞬で納得できた。
これがキッチン南海のカレーだという突き抜けたオリジナリティを感じさせてくれる。

そしてカツがまた柔らかく、豚肉の美味しい部分がちゃんと出ている。
ここに黒いルーを絡ませて食べることで、得も言われぬ幸福を感じさせてくれる。

多くの出版社が集まり、作家や編集者が行き交う街で長年愛された、キッチン南海のカツカレー。
創業から半世紀以上経ち、出版をとりまく環境がどれだけ変わろうとも、キッチン南海のカツカレーの味は今も守り抜かれている。

キッチン南海 1号店 神保町店の地図

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