純日本産のハンバーガーチェーン
1970年初頭。マクドナルドが銀座の三越1階の期間限定店舗にて日本上陸をしたのを皮切りに、日本にファストフード旋風が巻き起こった。
そんな中、純日本産で日本オリジナルのハンバーガーチェーンとして生まれたのがモスバーガーだ。
1号店は、東京の成増にある成増店だ。
東武鉄道 成増駅。
南口から成増スキップ村のゲートを通って少し歩くと、モスバーガー成増店がある。
成増店は一戸建てタイプの店舗で、2階建てだ。
SINCE1972 1号店 成増店
と書かれた金属のプレートが重厚だ。
入口横に立ててあるメニューボード。
さあ今日は何を食べようか?
モスチーズバーガーをオーダーすることにした!
モスバーガー永遠のレギュラーバーガーを1号店で食べてみよう。
成増に生まれ、今も成増の地で愛される存在
モスバーガーが創業したのは、1972年のこと。
創業者である櫻田慧氏は、証券マン時代にロサンゼルスで食べたおいしいハンバーガーが忘れられず、これを日本で提供したいと思い、1972年3月に成増の地でモスバーガーのパイロット店をオープンさせた。当初は2.8坪という広さで、八百屋さんの倉庫を借りての営業だったという。
翌1973年にはテリヤキバーガーが大ヒット。これがモスバーガー黎明期における飛躍の切っ掛けとなり、店舗拡大を行っていく。
モスバーガーの「MOS」とはMountain、Ocean、Sunの頭文字をとったもので、それぞれ「山のように気高く堂々と」「海のように深く広い心で」「太陽のように燃え尽きることのない情熱を持って」という意味が込められているという。
2021年4月現在では国内1260店舗で、そのほとんどがFC店だ。うち、直営店は40店舗となっている。海外には420店舗だ。
入口のポスターには、「ここ成増の地でモスバーガーは生まれました」とある。
このポスターには、当時の写真などが記載されている。
成増店が1号店であることを感じさせるものだ。
なお、モスバーガーの看板は以前の赤いもの、通称「赤モス」から、高級感や自然志向を謳う「緑モス」に切り替えられるという歴史を辿っている。
2009年の初回訪問時は「赤モス」であった。
ほっと一息できる空間
モスバーガー 成増店のカウンター。
日本ハンバーグ・ハンバーガー協会認定の、販売指定店。
1階にも少しカウンター席がある。
入口方面を見たところ。
フロアのメインとなる2階。
木造らしく、どこか暖かみを感じる空間だ。
階段の踊り場に展示されている、店舗で使われている木材やLED照明についての説明ボード。
観葉植物が大きく飾られ、自然志向を感じさせる雰囲気のテーブル。
窓に向けたカウンター席からは、成増の駅前風景を見ることができる。
「NARIMOS」という文字ブロックが飾られている。もちろん成増のモスバーガーのことだ。
ちなみに2009年訪問時にはたくさんの展示がなされていた。
2001年に書かれた謝辞。
踊り場にはヒストリカルな写真の数々があった。
当時の貴重な広告。
モスバーガー創業前、ロサンゼルスに渡った創業者達は、この「トミーズ」というハンバーガーショップにいたく感銘を受けたのだという。
中央が、モスバーガー創業者の櫻田氏。
そして1972年、地下街から出て、この地に1号店がオープンした。
モスチーズバーガー、これぞ日本のハンバーガー
しばらくして運ばれてきたのは、モスチーズバーガー、オニポテ、ペプシコーラ!
モスバーガーといえばオニポテで、コーラはペプシだ。
お手拭きはモスバーガーのシグネチャーモデルだ。
モスチーズバーガー。
フレッシュで厚みのあるトマト、フワフワのバンズ、そして肉の旨味を感じられるパティ。
マクドナルドに感じるようなアメリカンな味ではなく、どこかにしつらえがある。
もはや和風と言ってもよいかも知れない。
日本人にとって、嫌な部分が全く無い。モスバーガーはそんな味だと思う。
そしてこれ、オニポテ。オニオンリングとフライドポテトのセット。
モスバーガーに行くと毎回これを頼んでしまうほど好きである。
純国産ハンバーガーチェーン、モスバーガー。
スピードを追わず、手作りの良さを活かす。
でも、グルメバーガーまで行かない。
そんな独特の立ち位置がモスバーガーの魅力である。
他のハンバーガーチェーンには無い、どこか牧歌的でホッとする感じがある。
モスバーガーに行くと、何だか癒やされた気になるのだ。