福生まれ、それは福生ということ
地名を冠するチェーン店は、いくつかある。
「新宿さぼてん」「新宿ねぎし」「大阪王将」「長崎ちゃんぽんリンガーハット」などだ。それぞれその地で1号店を開店させた。
対して、地名を冠することで、1号店はそこになくても、その地を目指す目標にした店舗がある。
「銀座ルノアール」は東京の日本橋だし、「神戸らんぷ亭」は東京の恵比寿(神戸はおろか関東にしか無い)、「築地 銀だこ」は群馬、「丸亀製麺」は香川県丸亀市ではなくて兵庫だ。地名の力を借りてイメージを定着させることができるが、創業の地ではないことは後々コンプレックスとなっていくのかも知れない。
この「お好み焼 道とん堀」も、道頓堀川が流れる大阪が発祥ではない。
それは、東京都の福生市。米軍横田基地の近くに位置する「福生本店」だ。
ロードサイドと言えばロードサイドだが、駅近と言えば駅近。
そんな場所に大きく構える道とん堀 福生本店。
存在感が抜群である。
元々1号店は福生市加美平にあったが、それを現在のここに移転したという。
ちなみに道とん堀は後年、大阪の道頓堀沿いに出店を成功させ、名実共に道頓堀となった。
そこは大阪本店と言う。
道とん堀といえば、たぬき
入り口にあるたぬきの瀬戸物。これは信楽焼である。
そう、道とん堀と言えば、入店と同時に「いらっしゃいませぽんぽこぽ~ん」と言ってくれることで有名である。
が、この日は誰も言ってくれなかった… たまたまかな。
福生にある店舗には、道とん堀に「福生れ」のコピーが追加されている。
もちろん福生のことであるが、福が生まれるということを縁起良く掛けている。
我こそは福生オリジナルであるぞということなのだが、道頓堀は大阪だからなぁ、と思うと、気持ちがユラユラする。
ほっこりする、ゆるい雰囲気の店内に癒やされる
店内は広く、和風建築のテイストで、豊かな質感を醸し出している。
威風堂々とした本店だ。
こういった手作りの飾りが多くてほっこりできる。
たぬきは福を招くのだという。
道とん堀の理念は、鉄板コミュニケーションである。鉄板を通じて人と人との心が通い合う、という。
信楽たぬきについての縁起の良い話!
入り口付近にあるコルクボード。「バディ」とは道とん堀の店員さんのことだ。
バディがそれぞれ情報発信してくれる。
なんと、かまどが設置されている。おそらくオブジェだ。
道とん堀1号店のおしぼり。
シグネチャーモデルだ。
フワフワでおいしいお好み焼き
道とん堀では、鉄板で自ら作るセルフスタイルだ。
これは最もベーシックなメニューである「豚お好み焼き」!
よくかき混ぜて、鉄板の上で作り上げる。
これもまた醍醐味だ。
そして完成した「豚お好み焼き」。
最も基本のメニューにして、そのおいしさは存分に味わうことができた。
なんといっても素材の新鮮さと、オリジナルのソースの相性が抜群なのである。
福生本店で食べることができたのは喜びだ。
日本で最も店舗数の多いお好み焼きチェーン、道とん堀。
中でも福生本店は日本のお好み焼きのリファレンスかもしれない。