渋谷のど真ん中でそばを食べよう
東京のほとんどの主要駅には、歴史のある立ち食いそば屋さんがある。
ここ「しぶそば」もその一つ。その名の通り、渋谷駅に本店「渋谷店」を構える立ち食いそば屋だ。
※2020年9月に閉店しました。
本家 しぶそば 渋谷店は、JR渋谷駅の玉川口、つまり東急百貨店の南館2階にある。
朝から晩まで猛烈な数の人が行き交う渋谷駅のど真ん中に位置するそば屋だ。
元々は、80年代より井の頭線の改札を出た所にあった「二葉」をルーツとする。
2008年より「しぶそば」と改名して、2018年6月現在、東急グルメフロントにより、東急沿線を中心に11店舗で運営されている。
なお、この渋谷店のみに「本家」という冠が付く。
そんな渋谷駅のど真ん中にありながらも、そば屋としては主要なメニューを揃え、「今日はどれを食べようか」と楽しませてくれる。
しかしながら、本家 しぶそば 渋谷店。その最大の魅力は、圧倒的なスピードである。
圧倒的なスピード感と、都会の速いBPM
メニューはこれ。入店してすぐの所にあるレジカウンターの裏に貼られている。
入店したらこのメニューを見て注文し、すぐにお会計をする。
するとレジの店員さんが、音階を付けたような声で「冷やしかき揚げそば~~」や「いか天丼セット~~」と歌うように叫ぶ。
これが最高なグルーヴ感を生み出しており、大都会のそば屋に一種独特のエモみを付与しているのだ。
店内には立ち食い用のテーブルと、座って食べられるテーブル席がある。
そしてお客さんは自分の好きな場所に行き、テーブルの上にレシートを置いておく。
テーブルの上の調味料は、しょうゆ、七味、わさびだ。
過酷なビジネスマン達のピットイン、それが立ち食いそば
すると、あっという間に運ばれてきた。オーダーしたのは「天玉そば」560円である。
この、オーダーしてから運ばれてくるまで、実に30秒以内。
どんなファストフードも叶わない、圧倒的な早さである。
東京という魑魅魍魎が渦巻く街で、1秒で勝敗が決まるような過酷なビジネスを展開する男達にとって、本家 しぶそばの超絶な早さは、他の何者にも代えがたい価値であることは間違い無い。
この日も店内はスーツ姿のビジネスマンで満員であった。
京王新宿駅にあるカレーショップ C&C本店で感じた圧倒的な早さ、そして渋谷駅にある本家 しぶそばの圧倒的な早さ。まさに都会のスピード感とギアを合わせる飲食店である。
地球上が、駅そばの業態のように進んでいったら…
きっと、優しい地球になるよね。。。
かなりスケールの大きなことが書かれているけど、果たして、そうかな?
しかしながら、ここの味は優しい。カツオ出汁のうま味とそばの風味が、絶妙なバランスで成り立っているのである。
1秒を争ってきたシビアなビジネスマンも、夜は本家 しぶそばのそばで、ゆっくりとくつろぎたい。今日は頑張ったから、自分へのご褒美にちょっとトッピングしてやろうか。何なら、おいなりと、ビールも飲んでやろうか。あれ俺、昼もここで食ってるな…?
そんなニーズもありそうな、本家 しぶそば 渋谷店。
その普遍性は、まさしく「東京の駅そば店」そのものである。