黄色い看板はガッツリメシの印
並サイズなのに特盛くらいのボリュームがあり、大量の豚バラ肉をニンニクと共に炒めた丼を提供するチェーン「伝説のすた丼屋」。
前の屋号である「サッポロラーメン」時代を経て、伝説のすた丼屋のルーツであり最古店と言えるのがここ、元祖スタ丼の店 国分寺店だ。
JR東日本・西武鉄道の国分寺駅。ここから徒歩すぐの所に、元祖すた丼の店 国分寺店が存在する。
元祖 スタ丼の店!
黄色い看板に大きな文字。いかにもスタミナ系グルメを連想させる。
「名物スタ丼」の赤提灯がぶら下がる。
オヤジがこだわりつづけた伝説の味
しかし、横から見ると「スタミナ飯店」の看板が付けられている。
これは、以前の店名だったようだ。
働きアリがすた丼を作っているイラスト。
他の店舗では見ないものだ。
それでは入店してみよう。
「スタ丼」オリジナル3店舗のうちのひとつ
株式会社アントワークスが運営する「伝説のすた丼屋」は、国立にある「サッポロラーメン 国立店」を創業店としている。
故・橋本省三氏が創業したサッポロラーメンは国立店のほか、東国立店、国分寺店の3店舗で運営されていた。
この国分寺店は1982年にオープンしたお店だという。
橋本氏は元ボクサーで、その武骨な雰囲気はお店の愛すべきキャラクターとなっており、地元のワルからも一目置かれていたという。
今も「伝説のすた丼屋」の各店舗にある「掟」の字は、サッポロラーメンにあった「掟 味わいつつ、ぶっこむべし」というものが元になっている。
株式会社アントワークスの現会長である早川秀人氏は19歳の時にアルバイトとしてサッポロラーメンで働き、22歳の時には社員となった。
1987年、橋本省三氏が50歳の若さで逝去すると、創業の国立店とは別に、残りの2店舗は有限会社アントワークスとなった。
早川秀人氏は2000年、サッポロラーメンから数えて4号店であり現在の「伝説のすた丼屋」の直系となる「名物すた丼の店」を、八王子にオープンさせる。
そして2004年には、現在の屋号となる「伝説のすた丼屋」としての1号店を早稲田にオープンさせる。ここから、全国展開が始まることになる。
そんな中、創業の3店舗は別々の道を歩んでいる。
創業のサッポロラーメン国立店は今も「サッポロラーメン」として、創業当時の味を提供中。
国立東店は「本家すた丼の店」として、そしてここ国分寺店は「元祖スタ丼の店」「スタミナ飯店」として運営されている。
2022年3月現在、92店舗で運営されている。
カウンター席が中心の店内に入ると、食券機が設置されている。
これは伝説のすた丼屋のものと共通だ。
今日は「すた丼 並盛り」をオーダー!
メニューはシンプルで、すた丼と唐揚げが基本。
他にもカレーや油そば、餃子などがある。
並なのに特盛りの爆裂ボリューム感!迫力の「すた丼」
そして運ばれてきた、「すた丼 並盛り」!
初めての人はこの大きさに驚くだろう。
牛丼店だと特盛に相当しそうなサイズだ。
丼はなかなかの高さがある。
ご飯が見えないほど敷き詰められた豚バラ肉がたまらない。
付き合わせには味噌汁と…
生卵が用意されている。
溶いた卵をすた丼の上からドロップ!
あとは食べるのみ!
ニンニクがガツンと効いた豚バラ肉と卵のマイルドさが癖になり、特盛サイズ(でも並でオーダー)だというのにどんどん食べ進めることができる。
すた丼…危険な食べ物だ!
味変したくなれば、テーブルの上には生ニンニクと、豆板醤が用意されている。
そしてこの2種類のドレッシングが面白い。
「すたみなドレ」と「赤フレンチドレ」。
これをすた丼にかけるという変化球味変をしてもまた楽しい。
1971年に国立で創業してから半世紀以上。
今も昔も、若者はガッツのある食べ物を愛している。
そうして愛されてきた、すた丼。
全国に大きく「伝説のすた丼屋」を展開している今も、サッポロラーメン時代の3店舗はそれぞれの道を歩みながら、スタミナ満点の丼を提供し続けている。