かつて一世を風靡した「どさん子」の総本店
「どさん子」という老舗のラーメンチェーンがある。
その総本店である「北海道総本店」は、北海道恵庭市にある。
※2020年、閉店しました。
「どさん子」は、正式名を「札幌ラーメン どさん子」と言う。
最盛期には全国で1000店を誇ったどさん子の歴史
その歴史は古く、1961年に創業者の青池保氏が東京の墨田区で始めた餃子店をルーツとする。
「札幌ラーメン どさん子」として開業したのは1967年のこと。
翌年には青池氏を代表として北国商事株式会社を設立。(後年、株式会社ホッコクに社名変更)
東京を発祥とする札幌ラーメン どさん子は大人気店となり、1971年には500店、1977年には1000店といった恐るべしスピードで店舗数を増やし、最大で1200店まで展開していた。
「どさん子」「どさん娘」「どさん子娘」…
1960年代末のどさん子黄金時代には、無関係の会社であるサトー商事の「どさん娘」や、北宝商事による「どさん子大将」といった類似する店名のラーメン店も出現。それらも全て大人気となり、ピーク時では「どさん娘」が全国に800店、「どさん子大将」が全国に700店もあるという、何とも猛烈に景気の良いどさん子時代があったのだ。
1971年には「どさん子」が原告となり「どさん娘」との裁判に発展。
後発の「どさん娘」は敗訴し、読み方を「どさんむすめ」とすることで落ち着いた、ということもあった。
2017年6月現在、往時より店舗数を大幅に減らし、「札幌ラーメン どさん子」は139店舗となっている。
諸事情で運営会社が上場廃止になるなど、ここ数年は苦渋を味わってきたどさん子だが、2014年、博多の「一風堂」の支援により、どさん子リブランドプロジェクトが発足。
新しい「どさん子」は銀座を1号店として、全く新しい味のどさん子を作りあげるなど、新たな動きが始まっている。
ここ「北海道総本店」は、そんな古いどさん子の店舗のうちの一つだ。一時期は、「ラーメン活力一番」という名前で営業をし、2009年に改めて「どさん子」になったタイミングで、「北海道総本店」と名乗るようになった店舗である。店舗名が変わっても、厨房で腕を振るう大将は何十年もここにいるのだという。
レトロでシンプルな店内
札幌ラーメン どさん子 北海道総本店の店内の様子。
昔ながらのレトロな雰囲気がある。
カウンターの上には木札のメニューが。
お得なセットメニューもある。
厨房の様子がよく見えるのが楽しい。
湯切りのテボが平たい形で、サッサッと湯切りをするスタイルだ。
これは絶品!味噌らーめん
札幌ラーメン どさん子 北海道総本店のメニュー。ここでは永遠の定番「味噌らーめん」をオーダー。500円台とはとても安い!
テーブルの上の調味料など。
そして運ばれてきた「味噌らーめん」!
赤みがかったスープに、ほどよい大きさのチャーシュー、大きめの海苔が印象的だ。
まろやかだけどほどよくスパイスが効いている味噌のスープは、くせになるような深い味である。
麺もスープと絡み、食べやすい。
七味やニンニクを少しずつ足して、味の変化を楽しみながら完食した。
「札幌ラーメン どさん子」なのに東京発祥で、しかも北海道には今や5店舗しか存在しない中で、この店舗が「北海道総本店」を名乗るのは「どさん子」であるためのイメージ戦略だと思われるが、何よりも大将が作るラーメンの味の良さが圧倒的で、古き良き北海道の味噌ラーメンの伝統を今に伝えていた。