個性あふれる北海道ローカル回転寿司
数多くのローカル回転寿司チェーン店のある北海道で、ひときわ個性的なのがここ「北の匠 回転寿し クリッパー」だ。
苫小牧にあった1号店はすでに無く、現在は白老にある2号店 白老店 が最古店となっている。
海沿いに走る国道235号線沿いにあるクリッパー 白老店。
洋風の建物が少し異質なムードを醸し出している。
「クリッパー」とは、そもそも何なのか。
寿司を指で挟む(クリップする)からクリッパー?
辞書(デジタル大辞泉)にはこう記されている。
クリッパー
1 草刈り機。
2 毛髪用の鋏(はさみ)。また、羊の毛を刈る鋏。
3 快速の大型帆船。特に19世紀中ごろ、遠洋航路で活躍した帆船。多数の帆と頑丈な船体をもつ。
4 長距離用の快速飛行艇。
この中て寿司的なものといえば、大型帆船だろうか。
なんと、「匠の〆さば」はモンドセレクション2年連続金賞受賞しているとのこと。
あまり回転寿司でモンドセレクションという言葉を見かけないので期待が高まる。
夕焼けに染まる、北の匠 回転寿し クリッパー 白老店。
これを見て〆さばを注文しない人がいるのだろうか?
それでは入店してみよう。
白老の食堂がルーツの個性派回転寿司
回転寿し クリッパーは、1960年、北海道の白老郡白老町にて「久恵食堂」という食堂をオープンさせたのがそのルーツだ。
久恵食堂では、近くの工場で働く人達のためにラーメンや定食を提供していたという。
やがて、寿司職人を雇ったことで寿司の提供を始めたところ好評を博した久恵食堂は、「久恵寿し」としてリニューアル。
人気店となり、苫小牧に2店舗出店するようになった。
平成に入り、時代の流れに合わせるべく、苫小牧の久恵寿司を回転寿司業態へとリニューアル。
それが1990年にオープンした「回転寿し クリッパー」で、1号店は苫小牧市双葉町にあった。(現在は閉店)
翌年の1991年には久恵寿しの白老店を回転寿し クリッパー 白老店へとリニューアル。それがこのクリッパー2号店の白老店であり、最古店となっている。
その後、札幌市や千歳市へも進出し、最盛期は10店舗弱にもなったが、徐々に別ブランドの「回転寿し 旬楽」などに転換されたり閉店などを経て、2023年9月現在、クリッパーとして営業されているのは4店舗となっている。
クリッパー 白老店の店内の様子。
厨房を挟むカウンターと、テーブル席が数セットのオーソドックスな間取りだ。
旬もののネタ。道内産活ほっきが北海道を感じさせる。
店内に貼られたポスター。久恵食堂時代から60年という老舗だ。
〆さばが推しのクリッパーだが、もう一つ、だし巻き玉子も推ししている。
なんとYouTube再生回数 世界一とのこと!凄い!
それはこの動画だ。
確かに物凄い再生数。
世界に「DASHI-MAKI Egg」を配信したのは、クリッパーなのである。
店内にはガチャガチャが設置されている。
「匠の寿司王」と名付けられたこのガチャガチャは、RPGのように冒険の旅に出かけることができるというものだ。
北海道の地名が冠された島と、そこにいるキャラクター達。
このキャラクターを集めるガチャガチャだ。
お皿の価格は150円から525円までとなっている。
湯飲みはクリッパーのシグネチャーモデル。
お手拭きと箸袋もシグネチャーモデルだ。
クリッパーのグランドメニュー。
最も高い525円の所にあるのは「活ほっき」「ボイルほっき」「ずわいがに」「炙りほっき」と、ほっきがいかに高級品かが分かる。
注目はやはりこれ「匠の〆さば」。
モンドセレクション受賞のクリッパーの〆さばだ。
裏面のメニュー。
こだわり人気10選は、1位が〆さば、2位が特製だし巻きとなっている。
北海道のローカル回転寿司として、かなり個性的なランキングだ。
匠の〆さばのこだわり
良質な脂が乗ったノルウェー産のさばを使用。
当社独自の締め方により、〆さば特有の臭みや酸味を抑え、しっとりとした脂のりが感じられるように仕上げております。
安定した味と品質を保つためも数あるネタの中でも〆さばだけはセントラルキッチン(魚介加工部門)で調理して各店舗へ配送。
どの店でも変わらないおいしさをお楽しみいただけます。
クリッパー独自の締め方とのこと!これは期待が膨らむ。
特製だし巻き玉子のこだわり
寿司を握る以上に手間と時間がかかるだし巻き玉子は、寿司職人の腕の見せどころ。
当社のだし巻き玉子は風味豊かな出汁の旨みを効かせつつ、甘みも感じられる上品な味付けになるようにこだわっております。
お客様には焼きたてをお召し上がりいただくよう努めています。
注文が重なったときは多少お時間を頂いておりますが、それでもお客様に食べていただきたいひと品です。
だし巻き玉子への熱い想いを受け取った!
鹿児島産・愛媛産のカンパチが楽しめるカンパチ三昧も実施中。
さらには沖縄の様々なメニューが楽しめる沖縄フェアも開催中だ。
それではオーダーしてみよう。
オーダーはこの用紙に記入する。
さすがの〆さば!モンドセレクション受賞は伊達じゃない
まずはクリッパー名物「匠の〆さば」!
メニュー表に書かれていた通り、酸味が全くなく、柔らかく、脂身が多くて、とても食べやすい。
そして鯖の旨みがしっかりと伝わってくる。
他の回転寿司店には無いタイプの〆さばであることは間違いないだろう。
やはり、モンドセレクション受賞の〆さばは一味違った!
そして「特製だし巻き玉子」!
目の前で板前さんが作ってくれるだし巻き玉子なので、出来たてであり、熱い。
そんなだし巻き玉子は、玉子の柔らかさと味付けの甘みを感じられるもので、人気なのも頷ける。
「大トロサーモン三昧」!
ネタの大きさに迫力があり、そしてどれもとても柔らかく、上質な味わいだ。
こちらは「チャイナロール」!
ライスペーパーに巻かれたサーモンを、イタリアン風のドレッシングに漬けて食べるという創作寿司だ。
「コーン軍艦」!
北海道の回転寿司では是非食べておきたいコーン軍艦。
シャキシャキとしたコーンが美味しい。
北海道の地元ユース系回転寿司の極み
北の匠 回転寿し クリッパー 白老店。
華やかなブランドの多い北海道のローカル回転寿司において、地元に密着し続けるお店だ。
ルーツである食堂が、そもそも地元の人のためのもの。
その時代から価値観を変えない、地元民のための低価格で美味しい回転寿司店。
北海道らしい食材もいいけれど、クリッパーの〆さば、旅人にも一度は食べて欲しい。
地元で愛される理由の分かるお店だ。