お好み焼・焼そば 風月 本店

札幌の老舗お好み焼店

札幌で1967年に創業し、北海道内で半世紀以上も親しまれ続けているお好み焼と焼そばのチェーン店「風月」
その1号店であり本店は、札幌市中央区、静修学園の近くにある。

※2023年2月、閉店しました。

地下鉄 静修学園前からすぐ。
その名の通り、札幌静修高等学校の生徒達がたくさん通る道沿いに、風月 本店はある。

「風月」という名前のお好み焼き店といえば、関西人なら大阪のお好み焼き店鶴橋風月を思い浮かべるかも知れない。
しかしその二つは全く関係なく、暖簾分けでもなんでもない。ただの偶然の一致だ。

ちなみにこのロゴは、マンボミュージシャンで公認サンタクロース、高級紳士餃子レストラン 蔓餃苑の苑主であるパラダイス山元氏によるデザインだ。

食欲がそそられるロゴがデザインされた暖簾が、札幌の乾いた風にたなびいている。
それでは、入店してみよう。

レトロな空間と充実のラインナップが楽しい

お好み焼・焼そば 風月は1967年、この地で創業した。

風月の創業者である故・二神敏郎氏は大阪出身で、北海道には良質の小麦粉や新鮮な魚介類があるけど、お好み焼きを食べる文化が無いと思い、自らお好み焼き店を創業したのが風月の始まりだ。当初は3坪、カウンター5席だけのお店だったという。

その後、風月のお好み焼きは学生を中心に人気を博し、1985年には2号店のオープンと同時に法人化、翌年には3号店と店舗を拡大していく。

2022年8月現在、札幌を中心に旭川や苫小牧も含め、15店舗で運営されている。

店内に飾られた、創業者である二神敏郎氏の肖像。
カウンター5席しかない店舗の時代のものだ。

これは最初の本店の暖簾だろう。

当時の新聞(雑誌?)の切り抜き記事も飾られていた。

二神敏郎氏によるご挨拶が飾られている。

風月の由来
昭和四十二年三坪の店での創業時、ノウハウもない、知人もない、金もない。そんな自分は小さな帆掛船だと思いました。その船を動かすのはお客様という追風だったのです。
追風が日々月々大きく吹いてほしいの願いを込めて「風月」という名前をつけました。基を忘れずの心を持ち続け、小さな店から今日までささえて下さっているお客様に感謝と御礼の気持ちを風月という二文字に込めて謙虚に今日も喜んで働きます。
店主 二神敏郎
「風月」という店名に込めた想いが、創業者自ら語られている。まさに、本店ならではだ。

家の食卓で話すことも大事だけど親子、友人の感情、愛情、暖かさがお好み焼きの中にある

お好み焼きはもちろんながら、外食を広く楽しむ時の重要なメッセージだ。

この新聞の切り抜きコラムは、前述の風月のロゴデザインを行ったパラダイス山元氏が執筆したもの。
高校生時代、日常的に風月に通ってお好み焼きを食べたという思い出が語られている。

学生に愛されてきたお店らしく、志望校への合格祈願まで飾られている。

こちらが風月 本店のグランドメニュー。
焼そば、お好み焼、もんじゃ焼、広島焼、鉄板焼など、多くの鉄板・粉もん料理がラインナップしている。

ドリンクがセットになるお得なセットメニューも充実。
また、学生なら超お得になる学生ダイナマイトセットというものもある。

今回はシンプルに「お好み焼 ぶた玉 チーズトッピング」をオーダー!

各テーブルに鉄板があり、お好み焼きはセルフで焼くスタイルだ。

箸袋は風月のシグネチャーモデル

七福神の布袋尊に扮した二神氏のイラストに見守られながら、お好み焼きを焼こう。

具材の美味しさとオリジナルのソース、そしてマヨネーズだく!

すぐに運ばれてきた「お好み焼 ぶた玉 チーズトッピング」!
さあ、ここからが本番だ。

とにかく混ぜる、混ぜる、よく混ぜること。

混ぜ終わったら鉄板に載せ、焼けるまでしばらく待つ。

その間、風月55周年のスクラッチカードでもこすろう。

焼けたら裏返し!
ここで形が崩れているようでは出直しだ。

もう片面が焼けたら、ソースをべったりと塗る。塗りたくる
このソースこそ、風月の美味しさの秘訣だ。

そして、テーブルに置かれたマヨネーズのボトル。
気が済むまでマヨることができる。危険だ!

もっと美しくできないのか?
と自分でも思うが、こんな感じでマヨ・ブースト

かつお節と青のりをトッピングすれば完成!

濃厚で存在感のあるソースと、マヨネーズの組み合わせは癖になる。
そしてやはり、北海道ならではのホクシン小麦と北海道産キャベツや卵が、美味しさを支えていることが分かる。

学校帰りにあったら絶対通いたいお店。それは味のみならず、空間に集まりたい、そんな魅力にあふれていた。

残念ながらこの本店は、建物の老朽化に伴って2023年2月11日に閉店することがアナウンスされてしまった。
その日は、風月の創業56周年目の日とのこと。

札幌で愛され続けるお好み焼き、風月
是非次は、モダン焼や焼そばなども食べてみたいと思った。

お好み焼・焼そば 風月 本店の地図

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