鶴橋にある粉モンの老舗
大阪にてお好み焼きと焼きそばの専門店として展開する「鶴橋風月」。
その本店は店名通り、鶴橋にある。
JR西日本・近畿日本鉄道・地下鉄千日前線が集まる鶴橋駅の周辺は古くからコリアンタウンとして知られており、周辺には数多くの焼肉店やキムチ店が軒を連ねている。
焼肉店のダクトからの煙は駅全体に焼肉の匂いを充満させるほどのものであることから、環境省の「かおり風景100選」にも選ばれた駅だ。
鶴橋風月はそんな一角に位置している。
鶴橋風月の歴史を辿ると、戦後すぐの1950年、大阪・天満にて創業したお好み焼き店「風月」をルーツとする。風月はその味の良さから人気店となり、繁盛したのだという。
後年になり、風月はいくつかの暖簾分け店を生み出した。
それが「千林風月」「布施風月」そして「鶴橋風月」だ。
暖簾分けされたそれぞれの風月の中で鶴橋風月は、1989年になって株式会社イデアが経営権を取得し、新たにチェーン展開を開始する。
2020年3月現在、関西を中心に関東や九州も含めて国内74店舗、海外はアジアを中心に8店舗で営業されている。
お好み焼き・焼きそば・鉄板焼きに特化したお店
鶴橋風月は全てのテーブルに鉄板がビルトインされ、目の前で焼いてくれることが特徴だ。
鶴橋風月 本店のグランドメニュー。
代表メニューであるお好み焼きやモダン焼きのページ。
焼きそばも様々なラインナップがある。
大阪らしいメニューといえば、塩焼き、そしてとんぺい焼き。
裏表紙にはお好み焼きのサイズ目安が書かれているのが面白い。
今回はベーシックな「ぶた玉」をオーダー!
皿と箸袋は鶴橋風月のシグネチャーモデルだ。
目の前で作られていくのを見るのが楽しい
最初はこのようにボールに材料が入れられた状態で運ばれてくる。
鶴橋風月は、店員さんが目の前で作ってくれる。
自分で作るわけでも、作られたものが運ばれてくるわけでもないところが特徴だろう。
手際よくかき混ぜられたぶた玉が、鉄板の上にドロップされる。
非常に美しい形をしたぶた玉。ここから焼けるまで辛抱強く待つ時間も、人生には必要だ。
ある程度焼けてくると鰹節を乗せてくれる。
鰹節が熱でクタクタになっていく様子を眺める。
裏返して…
さらにまた、辛抱強く待つ。
裏側もじんわり焼けてきたところで、たっぷりのマヨネーズがドロップされる!
その上からは伝統のソースが!
ベタベタになるまでたっぷりとかけられ…
ここで完成!!
あおさ粉と一味でフィニッシュ
テーブルの上に用意された、あおさ粉と一味。
好みに応じてこれらをふりかけることで、フィニッシュ!
これが、鶴橋風月 伝統のぶた玉!
オリジナルのソースとマヨネーズのコンビネーションが食欲をそそり、柔らかい本体にジューシーな豚肉の旨味がサンドされる。
粉モン文化華やぐ大阪のお好み焼きで最もベーシックな組み合わせ、それでいて普遍的でもあるぶた玉。
戦後すぐに創業されたルーツ店である風月に思いをはせながら、鶴橋風月の本店で食べるのも、また良い。