卸売りから始まった大起水産の歴史
大阪の発明、それは「回転寿司」。
その歴史は、布施の元禄寿司に始まって、チェーン店だとくら寿司、スシロー、にぎり長次郎などだ。
ここ大起水産は、塩干物やマグロの問屋からスタートするという、他の回転寿司チェーンとは異なる出自を持つ。
そのため、鮮魚販売店である「活魚流通センター」という店舗を運営する傍ら、回転寿司チェーンをスタートさせたというのが始まりだ。
ここ、大起水産回転寿司 堺店は、堺中央綜合卸売市場が堺市中村町に移転した1993年、市場内に堺活魚流通センターをオープンさせたのが始まりで、2003年に回転寿司店を併設する形でオープンした。
堺活魚流通センターは、現在は街のみなと まぐろパーク 堺本店となっており、大起水産回転寿司 堺店も実質的には本店扱いとなっている。
堺中央綜合卸売市場の巨大な敷地の中にある、巨大な回転寿司。
それが大起水産回転寿司 堺店だ。
超大型の回転寿司のド迫力
大起水産回転寿司は、前述の通り活魚流通センターに併設される形で運営される回転寿司店だ。
1975年に堺中央卸売市場内で卸売業者として大起水産が創業。
一般販売を始めたのは1988年にオープンした堺活魚流通センターからだ。
寿司店のオープンは1995年、鶴見はなぽーと・ブロッサム内にオープンした「すしらんど・大寿起屋」からで、しばらくは「大寿起屋」「だいすきや」という名前で回転寿司の運営を行っていたが、2003年、新たに大起水産回転寿司というブランドを立ち上げ、その1号店としてこの「大起水産回転寿司 堺店」がオープン。
その後は「大起水産回転寿司」と「街のみなと」を両輪として関西地区を中心にチェーン展開をしている。
大起水産回転寿司 堺店の店内はとても広い。
これまで入店したことのある回転寿司店の中でも、トップクラスの広さだ。
写真では見切れているが、向こうの方にも、そして手前の方にも、まだまだテーブル席があるのだ。
向こうの方のテーブル席。
大起水産の名物といえばこれ、お魚漢字四十八字のポスター。
入口で配布されている。
本日のおすすめは、中央の厨房にある木札で掛けられている。
厨房の脇には小型の生けすが設置されている。
ベルが鳴らされると、板前さんが生けすから魚を取り出し、広い厨房を一周する。
この魚は、真鯛。
お客さんに魚を見せてくれるというパフォーマンスが行われる。
まな板の上でおろされ、これから寿司のネタになろうとする活〆真鯛。
豊富なメニュー、やはりマグロは外せない
大起水産回転寿司 堺店のグランドメニュー。
1ページ目「魚屋のお寿司」とあるように、卸売り業がメインの大起産業だから実現する新鮮さがアピールされている。
大起水産の紹介テキスト、そして100円の皿から登場。
まぐろが推しネタとして掲載されているところから、大起水産のマグロにかけるこだわりが感じられる。
150円では、びんちょうまぐろ推し。
200円ではオーロラサーモン推し、250円では本まぐろ赤身推しだ。
300円は活〆真鯛の霜降り、350円は帆立貝柱が推されている。
グラフィカルで分かりやすいメニューブックだ。
500円ではいよいよ大ネタ系となり、特大赤エビ、本まぐろカマトロ、本まぐろトロなど高級ネタが登場する。
700円になると、ウニのほかは盛り合わせ系のラインナップだ。
まぐろ三昧、まぐろづくしなど、大起水産のマグロ推しが続く。
さらに、まぐろの食べ比べ系、そして回転寿司では珍しい升盛りのラインナップなどもある。
サイドメニューの唐揚げにすらまぐろがある。
大起水産、どこまでまぐろを推すんだ…
箸袋は大起水産のシグネチャーモデルだ。
テーブルにはポン酢、甘ダレ、松前醤油、藻塩、粉末茶が用意されている。
水産業者ならではの味わいを堪能!
回転寿司なのでレーンに載せられたネタも回っているが、板前さんに直接オーダーすることももちろん可能だ。
まずは100円のベーシックな「まぐろ」をオーダー!
脂身のほとんどない赤身があっさりとした味わいだ。
それでもまぐろの美味さはバッチリである。
次に「しめさば」!
150円の皿だ。
しめさばは酢がよく効いており、パンチのある酸味が楽しめた。
鯖も肉厚だ。
「オーロラサーモン」!
200円の皿だ。
ノルウェーで養殖され、水揚げ後36時間かけて関西空港に届いたというオーロラサーモンだ。
とにかく柔らかく、サクッサクッと食べることができる。
そして食感もリッチで、サーモン独特の旨味がワーっと広がる。
こちらは「活〆真鯛」!
300円の皿だ。
活〆真鯛はとにかく肉厚!
プレーンで爽やかな味わいが、適度な抵抗のある歯応えで楽しめた。
そして真打ちはこれ。
「本まぐろ大トロ」!
1貫もので350円の皿である。
大起水産のフラッグシップなまぐろを食べたいと思ったら、やはりこれだろう。
口の中に甘い脂身の味が広がり、ゆるやかに溶けていく。
まぐろ、それは海のエクスタシーだ。人間の快楽中枢に直接訴えかけてくる…
テイクアウトコーナーも充実している。
もっとも、「街のみなと」ショップにいけばかなりのラインナップとなっている。
大起水産回転寿司 堺店。
圧倒されるほどの規模は、まさに本店そのもの。
そして卸売り業を営む大起水産ならではの、鮮度と価格。
特にマグロに関しては他を寄せ付けない。
この日は週末の夜で大勢のお客さんで入店待ちとなっており、1時間ほど待っての入店となる人気店であることも頷けた。
関西に多くある寿司チェーンの中で、水産業者ならではの鮮度や価格を感じさせるのは、大起水産。
堺店は特に、その規模の大きさに圧倒される空間だった。