くら寿司の歴史は大阪から始まった
回転寿司「くら寿司」の1号店は、大阪府堺市の中百舌鳥(なかもず)にある「中百舌鳥店」だ。
全国的な人気回転寿司チェーンであるくら寿司。
全皿100円や「ビッくらポン!」などの独自の仕掛けが印象に強い人も多いだろう。
くら寿司は1977年、堺市内において寿司店を創業したのがルーツとなっている。
新業態の回転寿司として「回転寿司くら」(当時の店名)が誕生したのは1984年のこと。
それがこの1号店である中百舌鳥店だ。
その後、回転寿司ブームからの厳しい激戦時代を勝ち抜き、低価格回転寿司として「スシロー」「かっぱ寿司」「はま寿司」と共に4強の一つと言われるまでになったくら寿司。
2019年12月現在、全国で450店舗ほどで運営されている。
中百舌鳥駅から徒歩10分ほど。
仁徳天皇陵の古墳など、世界的な文化遺産を抱える堺市で生まれた、全国的回転寿司チェーンだ。
くら寿司の歴史はイノベーションの連続
店内は広く、多くのボックス席、そしてカウンター席が用意されている。
E形に配置されたレーンは、ボックス席の横を通るようになっている。
各座席にはタッチパネルが準備され、ここから注文することができる。
最近の回転寿司ではタッチパネル注文が可能な店舗も増えてきたが、くら寿司ではかなり早い段階からタッチパネルを導入していた。そして注文されたものは高速レーンで運ばれ、目の前で停まる仕組みとなっている。
これは「QRコードによる鮮度管理システム」の特許証。
皿の裏にあるQRコードを使って、レーンに並び始めた時間を管理し、ある程度時間が経つと自動的に廃棄されるという画期的なシステムだ。
食べた皿はここにシュートする。
5枚シュートするごとにビッくらポンが1回回せるという仕組みだ。
ついつい5枚単位で食べてしまう。
これもまた、くら寿司が創造したイノベーションのうちの一つだ。
「無添」というパワーワード
くら寿司の代名詞ともなっている「無添」。
これはくら寿司が指定した四大添加物(化学調味料・人工甘味料・合成着色料・人工保存料)を一切使用してません、という意味を持っている。
なお、あくまでもくら寿司独自の造語であり、一般的な「無添加」とは異なる。
全皿105円なのにしっかりとした新鮮なネタの寿司。
そして回転寿司界に革命を起こしたイノベーションの数々。
自動化による効率化で実現した低価格とQRコードによる鮮度管理の確かさが、くら寿司の真骨頂であることは間違い無い。
1号店である中百舌鳥店には、ここが1号店であることを示すものは無かったが、今や全国津々浦々にチェーン展開するくら寿司の発祥の地で食べると、また違った気持ちになれることは間違い無い。