大阪で生まれた餃子やさかい…
大阪で長い歴史を持つ餃子店、「珉珉」。
本店は大阪の千日前にある「南千日前本店」だ。
ミナミの繁華街の路地裏で、ひときわ大きな提灯が目立つこのお店が、珉珉の本店である。
「元祖 餃子舗」というのは、日本で初めて「焼餃子」を提供したお店としての矜持だ。
長い歴史のある「珉珉」
少し珉珉のルーツを紐解いてみよう。
昭和28年に大阪の千日前で創業した珉珉は、中国北方地域に端を発する餃子を日本で初めて焼いて、「焼餃子」を提供した店として知られている。
当時、まだまだ馴染みのなかった餃子は、瞬く間にブームとなり、連日長蛇の列ができたのだという。
実はこの「餃子舗 珉珉」のルーツ店となる店が、東京の渋谷、恋文横丁にあったのだ。
その店は1952年創業で、日本の中華料理の黎明期とも言える戦後間もない時期、餃子に羊肉を入れたことで人気を博したのだという。
そしてその名を受け継ぎ、暖簾分けという形で大阪の千日前にオープンしたのがここ、「餃子舗 珉珉」である。
渋谷の「珉珉」はその後の1967年に今のマークシティの脇に移転し、「珉珉羊肉館」として長く人気を誇っていたが、2008年に閉店。
「珉珉羊肉館」の暖簾分けは、赤坂にある「珉珉」という店舗の1店舗だけが残されている。
つまり、大阪を1号店とする「餃子舗 珉珉」と、赤坂に1店舗だけある「珉珉」は、関係の無い店舗だが、ルーツは同じだと言える。
ちなみに、「珉珉」で「餃子」と聞くと、「あれ、宇都宮にもあったよな?」と連想する餃子脳のあなたは鋭い。
宇都宮の餃子シーンを「正嗣」と人気を二分する「みんみん」も長い歴史のある餃子専門店だが、創業時は「ハウザー」という名称だった。
やがて「珉珉」に改称したが、渋谷の「珉珉羊肉館」、そして大阪の「餃子舗 珉珉」と商標を巡った騒動があり、現在は「宇都宮みんみん」という表記で収まっている。
つまり、宇都宮みんみんは大阪の「餃子舗 珉珉」とは最初から全くの無関係なのである。
餃子は絶品、そして餃子だけにあらず!
珉珉のグランドメニュー。
ここ、「南千日前本店」は、HPの地図には「千日前店」とあり、このメニューには「南本店」とあるが、全て同じ場所である。
珉珉といえば餃子、という刷り込みに応えるがごとく、メニューの最上段には焼き餃子と水餃子。
ここは焼餃子をオーダーしよう。
箸袋は珉珉のシグネチャーモデルだ。
「元祖ぎょうざの店 珉珉」とある。
これが「餃子舗 珉珉」の焼き餃子。
ひたすら薄い皮の中に、ほどよくスパイシーな餡がとろける。タレとの相性も抜群。柔らかくソフトな餃子。これぞ大阪スタイル、「粉もん」の文化すら感じることのできる焼き餃子であった。