阪急そば 1号店 阪急そば若菜 十三店

関西私鉄系そば屋の草分け

日本の大手鉄道会社は、高い確率で自前の「そば」チェーン店を運営している。
関東だとJR東日本が「あじさい」「そばいち」など、東急が「しぶそば」、小田急が「箱根そば」といった具合だ。
関西でも同様で、JR西日本が「麺家」「かぐら」、京阪が「麺座」、近鉄が「阿倍野庵」などである。

ここ「阪急そば」の1号店である「阪急そば若菜 十三店」は、関西の私鉄では初めての立ち食いそば店でもある。

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その場所は阪急の十三(じゅうそう)駅のホームの上にある。つまり、改札の中だ。

十三駅といえば阪急電車のターミナル駅である梅田駅の隣。
梅田から十三までは併走する京都線・神戸線・宝塚線も、ここから先は3つに分岐する。
十三駅は京都線から宝塚線への乗り換えや、神戸線から京都線への乗り換えにおいて、梅田駅よりも1駅手前だし、駅もコンパクトなので至便なのである。

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十三駅の2・3号線ホーム(阪急ではホームの呼び方は伝統的に「~号線」と呼ぶ)に行くと、そこにはそば屋がある。

都会の駅に溶け込む

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まさにホームの中に溶け込む、そば屋の風景だ。

電車がガンガン停まり、大勢の人が乗り降りする。なんせここは十三駅のホームである。

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「阪急そば若菜」と銘打たれた看板。ここが、関西では最も歴史のある駅の立ち食いそば店であり、「阪急そば」チェーンの1号店だ。

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駅そばとはいえ、この店は十割そばがあったり、自家製天ぷら天然素材の自家製だしを使うなど、こだわりを見せる。

駅そばで十割そばはなかなか珍しいのでは無いだろうか。

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店の入り口は2号線ホーム側と3号線ホーム側の両方にあり、利便性が高い。
メニューもグラフィカルである。

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そして阪急そばで近年話題になった「ポテざる」「ポテそば」「ポテうどん」
そばにフライドポテトをトッピングした奇抜なものだ。

長い歴史のある阪急そば

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阪急そばは、関西私鉄初の立ち食いそば店として1967年に十三駅のホームにて創業。
創業以来変わらない出汁の味が楽しめるそばはもちろんのこと、甘辛い出汁の味付けがなされた玉子かけご飯である天たま丼が人気で、半世紀を迎えた。

1号店である十三店は2014年10月に「阪急そば若菜 十三店」としてリニューアルオープン
店内は立ち食い専門のそばから着席できる店に変化。

そして「十割そば」も提供開始。さらには十三オリジナルメニューである「十三和風ちゃんぽんうどん」といったものまでラインナップするというパワーアップ具合は、まさに1号店ならではの矜持といったところだ。

2018年8月現在、「阪急そば」が16店舗、「阪急そば若菜」が3店舗で運営されている。

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店内の様子。
ホームにある店舗としてはゆったりと座れる所が特徴だ。なんせホームは扇形に広がっており、意外と広いのである。

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1号店らしく、創業当時の写真が展示されている。

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かけそば・うどんは当時、40円だったという。

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電車を待つ合間の少しの時間でそばを食べる。
これはまさに日本のファストフードそのものだ。

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幾度かの改装を経て、立ち食いスタイルは2014年で終了し、現在の店舗となった。

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阪急そば若菜のグランドメニュー。

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そば・うどんに丼ものがラインナップされている。

こだわりの十割そばもラインナップ!

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十割そばのメニューはこちら。
ここでは「十割そば」をオーダーした。

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そして運ばれてきた、十割そばのざる。オーソドックスなざるそばそのものだ。

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十割らしく、ダークなそばの色だ。
1人前としての分量はさほど多くないので、おやつ代わりにツルっと食べることも可能そうである。

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口に入れると、そばの香りが広がった。これぞ十割そばの醍醐味である。
噛み応えの中にそばらしい粘性もあり、本格的なそばの風味が存分に楽しめた。

関西の私鉄で最も歴史のある阪急そば 十三店
昭和の高度成長期に端を発し平成末期までの30年間、毎日数百本は通り過ぎる阪急電車と、乗り込む大勢の人々を迎えた駅そば店。

ここの店でそばを食べると、不思議と関西の歴史まで感じてしまうような感覚を味わえた。
今度はポテそばを食べてみようと思う。

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カウンターの窓越しに見る阪急電車もまた、佳き。

阪急そば 1号店 阪急そば若菜 十三店の地図

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