昔懐かしい空間で食べる、こだわりうどん
こんな異空間があるなんて!?
大阪を中心に和歌山や兵庫でも展開する手打ちうどんチェーン「手打草部うどん のらや」。
その本店は、鳳にある鳳本店だ。
JR鳳駅から徒歩13分。
工場とマンションが立ち並ぶエリアに、突然レトロ風味な店舗が現れる。
それが、のらや 鳳本店だ。
この建物は昔からあったものか、それとも新たに建設したものか?
そんなことを考えながら、入店する。
〝野良小屋〟の居心地はまさに隠れ家
手打草部うどん のらやは、1996年に岸和田で創業したうどん店だ。
当時、建物も手作りの「野良小屋」、そしてそれを見守っていた「のら猫」から、店名を「のらや」にしたのだという。
草部うどんというのは、鳳にもほど近い堺市の草部という地名から取られている。
2005年には株式会社のらやを設立させ、大阪を中心に遠く東京にも店舗展開を進める。
2021年4月現在、大阪を中心とした関西と東京に、15店舗で運営されている。
この鳳本店は、2000年、製麺所を併設して作られたものだ。
入店すると、店舗の作りに驚く。
古民家のような、もしくは山小屋のような、アナログ感と木のぬくもりがせめぎ合う、異質空間だ。
いったいここはどこだ。
しとしとと降り続く雨が屋根に落ちる音が、異質感に拍車を掛ける。
通された部屋も、まさに「小屋」そのものといった空間だ。
ここでうどんを食べる、と考えただけでウキウキする。
湯飲みには、のらやのキャラクター「のらちゃん」が描かれている。
お手拭きと箸袋も、のらやのシグネチャーモデルだ。
豊富なメニュー構成と、丁寧な遊び心
のらやのグランドメニュー。
のらちゃんのイラストと、のらやのご挨拶が書かれている。
ページをめくると、1番人気だという「わがままうどんセット」が。
うどん、おかず、もう一品を、それぞれ好きな組み合わせでオーダーできる、まさにわがままなセットだ。
今回は、わがままうどんセットの「かけうどん」「海老と野菜の天ぷら」「わらび餅」のセットでオーダー!
うどんのラインナップ。
ぶっかけうどんなどもある。
丼もののメニュー。
お酒のつまみ系、そしてたこ焼きも!
コシのある麺と薄味のお出汁、そしてソフトなわらび餅
しばらくして運ばれてきたわがままセットの「かけうどん」「海老と野菜の天ぷら」「わらび餅」!
うどんはシンプルなかけうどん。
器ものらちゃんの形をしているのが面白い。
麺にはコシがあり、噛み応えがある。
そしてお出汁は薄味だ。
なんでも、利尻昆布を14時間かけて水出ししているとのこと。
関西風のうどんは総じて薄味だが、のらやのお出汁は特に薄味で、その中に上品な甘みがあるように感じた。
天ぷらは揚げたてで、アツアツだ。
天ぷらつゆの小皿にも、のらちゃんが。
というか全ての皿にのらちゃんが描かれている。
手作り、そして総じて薄味で作られたうどんと、揚げたてでフレッシュな天ぷら。
それらを、この小屋の中で食べていると、ここが大阪の街の中だということを忘れてしまいそうになる。
最後に、のらやオリジナルのわらび餅。
かなり柔らかく、そしてみずみずしい味わいで、うどんと天ぷらを食べた後、ほっこりとした食感を与えてくれた。
レジの横ではのらやオリジナルのお土産が販売されている。
どら焼き、わらび餅、ドーナツなどがあるようだ。
独特の世界観を持った手打草部うどん のらや 鳳本店。
その鳳本店は製麺所併設ということもあり、作りたてのうどんを味わうには最適な場所だろう。
そしてなにより建物のアナログ感や暖かさは、外の世界とは時間の進み方が違うような気がする。
ここで食べる手打ちうどんの味わいは、どこかほっとするような素朴なものだ。
それはきっとこの世界観も寄与しているだろう。