奇跡的に残された1号店の跡地
牛丼とうどん、そして親子丼が人気のチェーン店「なか卯」。
いまではゼンショーグループの一員として、2018年3月時点では461店舗にて全国展開を行うなか卯だが、その1号店の跡地は大阪府茨木市に現存する。
※2005年5月に閉店しています。
阪急電車 茨木市駅。なか卯の1号店は、この駅にすぐ近くにある。
駅とペデストリアンデッキで直結した商業ビル「ソシオ」。
このビルの飲食店街になか卯1号店の跡地が今も存在するという。
やたらレトロな雰囲気を漂わせる年季の入ったこのビルの地下1階が、飲食店街となっている。
ソシオの飲食店街マップだ。当然ここには、なか卯の案内は無い。
今はカラオケの音が鳴り響く場末感満点のスポット
昭和の空気がそのまま残るような、まさに異世界といった雰囲気全開のソシオ飲食街。
茨木市駅の駅前にこんな空間があるのだ。
飲食街はこちらからである。
「ご家族みんなで楽しいお食事を」と書かれた昭和40年代テイストあふれる看板をよく見ると…
あったー!!
手打ちうどん なか卯!
そう、なか卯は創業時、うどん屋さんだったのです。
その名残りが、この看板に今も残されている!
閉店した時のまま、時が流れている場所
カラオケバー、カラオケスナックばかりの通りを進んでいくと…
こ、これは!?
ボロボロになった看板が辛うじてぶら下がっており、そこには確かに
うどん なか卯 牛丼
と書かれているではないか!
ここ、なか卯の1号店であるなか卯 茨木店は、1969年10月にこの地で創業したうどん屋だ。
当時から、きざみねぎや天かすが入れ放題だったという。
「なか卯」という名前の由来は、創業者である中野一夫氏の姓から「なか」、そこに「うどん」の「う」に縁起の良い漢字である「卯」を当てて名付けられた。また、「卯」の字はウサギであり、ウサギが飛び跳ねるように会社も大きく飛び跳ねていくようにと願いが込められているという。
ちなみに、なか卯が牛丼の提供を始めたのは、1974年にオープンした梅田店からである。
そして2005年8月、折しも「すき家」を運営するゼンショーに株式を売却した直後、なか卯1号店であるこの茨木店は静かにシャッターを下ろした。
以降現在に至るまでシャッターは下ろされたままだが、朽ちた「なか卯」の看板だけは残されている。
この駅前ビル「ソシオ」も耐震性の問題などで再開発の話があり、なか卯1号店の跡地が今後どれだけあるかは分からないだろう。