ミナミの真ん中、老舗の喫茶店あり
本格的な珈琲が楽しめる老舗の喫茶店「丸福珈琲店」。
その本店は、大阪・ミナミの繁華街、千日前にある「千日前本店」だ。
大阪の日本橋駅からすぐの所にある丸福珈琲店こそが、本店である千日前本店だ。
繁華街の角地に突如としてレトロな雰囲気を纏う建物が出現する。
丸福珈琲店は長い歴史を持つ喫茶店だ。
まだコーヒーという飲み物が珍しかった当時。武蔵小山にて洋食レストラン「銀嶺」のオーナーシェフだった丸福珈琲店の創業者である故・伊吹貞雄氏は、銀座で流行っていたコーヒーに衝撃を受け、自分の店でも提供しようとした。
しかし美味しいコーヒーを提供することは難しく、試行錯誤を続ける中でオリジナルの器具と技法を作り出した。
その味が評判を呼び、大阪の知人から「大阪にはまだまだ珈琲というものが伝わっていないから是非大阪でも提供して欲しい」と言われたことが切っ掛けで、銀嶺を閉店させ、大阪・新世界に珈琲専門店を創業した。
それが1934年に創業した丸福珈琲店の1号店だ。
戦後になり、千日前に本店を移転。それが現在に通じるこの場所だ。
現在の千日前本店は1990年に建て直されたものだ。
2020年1月現在、大阪を中心に全国に28店舗で運営されている。
重厚な店内空間は、まさに応接間
入店するとそのアンティークで重厚な雰囲気に圧倒される。
この空間は丸福珈琲店の伝統で、昔から商談の場としても愛されている。
それは「ミナミの応接間」との異名を取るほどだ。
コーヒーカップや抽出器具の数々が陳列されている。
ここにある抽出器具は、創業者が研究に使用したもののコレクションなのだという。
コーヒーのラインナップはシンプルで、フードやデザートが充実したメニュー
丸福珈琲店 千日前本店のメニュー。
コーヒーの種類は「ブレンド珈琲」「アメリカン珈琲」「カフェオレ」「ウインナーコーヒー」の4種類がラインナップされている。
トーストやデザートも豊富にラインナップされている。
ホットケーキやケーキセット、そしてカレーもある。
丸福珈琲店の定番スイーツである「丸福レトロスイーツプレート」をオーダーしてみた。
お手拭きは丸福珈琲店シグネチャーモデルだ。
深煎りのストロングなコーヒーがたまらない
しばらくして運ばれてきた「ブレンド珈琲」!
かなり深煎りでストロングな味わいが特徴だ。
自分のような濃いめのブラックが好きな人にはたまらない。
この深煎りも創業時からの伝統で、製法も独特のやりかたで、創業時から今に至るまで変えていないのだという。
こちらは「丸福レトロスイーツプレート」!
ドーナツとプリン、そしてラスクの組み合わせだ。
ドーナツには丸福珈琲店のグラフィックがプリントされたチョコレートがコーティングされている。
こちらはプリン。手作りならではの芳醇な味わいが楽しめる。
ラスクも柔らかく、食べやすい。
深煎りのコーヒーとの相性も抜群だ。
こちらは「丸福カリー」。
洋食レストラン「銀嶺」時代をイメージしたシンプルでレトロなカレーだ。
戦前に大阪に生まれ、長い歴史を刻む丸福珈琲店。
千日前本店の重厚でレトロな雰囲気は、まさにミナミの応接間と言うにふさわしい空間だった。
そこで飲む濃厚なコーヒーは、目が覚めるような味わい。
ミナミの街を歩き疲れたら、ここでコーヒーを楽しみたい。