ミスタードーナツ 1号店 箕面ショップ

そのドーナツはアメリカ生まれ、大阪育ち

全国でドーナツショップを展開する「ミスタードーナツ」は、もはや日本において国民的なドーナツショップである。

アメリカに生まれて日本に上陸したミスタードーナツ
その日本1号店は、大阪の箕面(みのお)にある「箕面ショップ」だ。

そんなミスタードーナツの1号店が2020年1月27日、日本での創業からちょうど39周年を機に、創業当時のデザインモチーフを再現した内外装にリニューアルされたので、新装オープンの初日に訪問した。

ミスタードーナツ 1号店 箕面ショップへは、阪急電車 箕面駅から徒歩3分。
駅前の商店街を少し歩いた所の角地にある。

リニューアルオープン初日のミスタードーナツ 1号店 箕面ショップ
以前の看板から大きく変わっている。

文字の中に電球が裸で配置されているのがキュートだ。

看板の左端には「0001」という数字がある。
これはミスタードーナツの1号店であることを示すナンバリングだ。

このサインもリニューアルされている。

ミスタードーナツの1号店に対する想いが書かれている。

ミスタードーナツ1号店が 大阪・箕面にオープン!
~ミスタードーナツ誕生の地~
1971年(昭和46年)4月2日。
この地、箕面のショッピングセンターの一角にミスタードーナツ日本初のお店として「箕面パイロットショップ」が誕生しました。
“日本の皆さまにおいしいドーナツを食べていただきたい…。”
この想いを胸に、数々の新しいドーナツや季節ごとの商品、パイやマフィン、飲茶など皆さまのご要望にお応えできる多くの商品をお届けしてきました。
現在、国内で約1,000店舗を展開していますが、 我々はこの箕面というスタートの地を忘れることなく、事あるごとに、振り返り、立ち返っています。
お客さまや時代のニーズが変わり、様々な提供価値をお届けするようになっても、我々は創業当時の思いは忘れません…。
そんな想いを込めて、この箕面ショップのオープン当時をイメージするインテリアを使って改装しました。
ずっと地元を愛してくださる皆さまには昔を懐かしんで、思い出話に花を咲かせていただきたい…。
次世代を担う方々にはレトロなミスマッチングな空間をあえて楽しんでいただきたい…。
ミスタードーナツは今までも、これからもお客さまに価値を提供し、おいしいドーナツを楽しんでいただくことを宣言します。

1号店への熱い想いがこの地に息づいている。

リニューアルオープン初日は、入店するお客さんで長蛇の列となっていた。

その列はお店の裏側まで続いていた。
この日は雨で気温が低かったこともあり、並んでいるお客さんにお店からホットコーヒーが振る舞われた。

裸電球の立体感が良い雰囲気だ。

ミスタードーナツは、1955年にアメリカ・マサチューセッツ州のボストンで創業されたドーナツショップだ。

1970年、日本の外食ビッグバンのこの年、異業種であるダスキンが日本におけるミスタードーナツの営業権を取得する。
そして翌年の1971年4月に、パイロットショップとして箕面の地に1号店をオープンさせたところから、日本でのミスタードーナツの歴史が始まったのだ。

本国アメリカでは1990年にライバルのダンキンドーナツに買収され、今ではオリジナルのミスタードーナツは現存していない。
しかし日本法人であるダスキンは日本国内での展開に加えてアジアの近隣諸国でも展開を行い、2020年1月現在、日本国内に1000強の店舗数、海外にはなんと6000強の店舗数を展開するブランドとなっている。

レトロな雰囲気でまとめられた可愛い内装

入店して最初に目に入ってくるのはこれ。
0001 THE FIRST MISTER DONUT SHOP IN JAPANと書かれたシルバーのプレート。
ミスタードーナツ1号店である箕面ショップ、初期の店舗から掲げられている1号店の証だ。

ミスタードーナツのために描かれたこのアートのシリーズは、以前は1枚だけが箕面ショップに掲げられていたが、リニューアルを機にたくさん掲げられるようになったようだ。
「Open 24 Hours a Day」というのが、24時間営業時代だった時代を想わせる。

店内はパンチのあるオレンジ色の照明器具やソファーが配置され、明るいレトロさを感じさせてくれる。
日本にイケイケな勢いがあったあの時代の雰囲気だ。

店内からは厨房が覗けるように作られており、ドーナツを調理している様子が分かる。
まさに見せる厨房だ。

tasty twosome: coffee ‘n’ donuts
ドーナツにはコーヒーがぴったり
ショッピングのあとにもぜひどうぞ

なんともレトロさを感じさせるメッセージがたまらない。

店内のBGMも当時のCMソングが流されているなど、この空間は完全に1970年代そのものである。

歴史を感じさせる掲示物に垂涎する

リニューアルしたミスタードーナツ 1号店 箕面ショップは、創業当時からの歴史を振り返るパネルが多く掲示されている。

このプレートは、店内入口から奥に行くに従って時間が進んでいくように配置されている。
まずは1枚目「ミスタードーナツ誕生秘話」
ミスタードーナツが、まだアメリカにしか無かった時代だ。

停まっている車がどれもコテコテのアメリカ車で、いかにも1970年頃のアメリカといった雰囲気の写真だ。

フランチャイズ契約調印式という歴史的な写真。

「ミスタードーナツ1号店誕生」
そしてついに1971年4月、1号店がオープンする。

文中のある大手スーパーとは、この写真にあるようにダイエーである。
ミスタードーナツの1号店はダイエー箕面ショッパーズプラザからスタートしたのだ。

「オープン当時の箕面ショップ」
ミスタードーナツが日本に上陸したことは大きな話題となったようで、その様子が残されている。

当時の広告なども。

1970年頃、箕面の牧歌的な風景の中にひときわ目立つダイエー箕面ショッパーズプラザと、ミスタードーナツ。

(あれ?一つ前のパネルの白黒写真と同じ?)

オレンジ色のテーブルライトと、独特な星形配置された蛍光灯。
これが…↓

しっかり再現されているのだ!細かい!
(店員さんいわく「LEDで再現しました」とのこと)

リニューアルされた箕面ショップの内装は、この時代の意匠を元に作られている。

在りし日の先代1号店。
24時間営業という文字が見える。

ダイエー箕面ショッパーズプラザは2001年に閉館し、そのタイミングでミスタードーナツの箕面ショップもクローズしてしまう。

しかし、ミスタードーナツ復活を願う署名まで集まり、2004年、跡地に建ったマンション1階に入店する形で箕面ショップが復活した。それが現在の箕面ショップだ。

「全てが手作業!当時のドーナツ製法」
黎明期のミスタードーナツでは、ドーナツの調理全てが手作業で行われていたのだという。

「箕面駅・ショップ周辺」
1970年代の箕面駅とショップ周辺の写真も。

三丁目の夕日のような古き良き日本の風景に溶け込む、真新しいミスタードーナツの看板。
これは駅前の風景だろうか、今でも「喫茶サイド」は駅前で営業されている。

1号店で定番を食べるという至福

カウンターの様子。

フルラインナップが壮観なショーケース。

1号店リニューアル記念として、期間限定で創業当時の復刻ドーナツが最上段に並んでいた。
プレーンクルーラー、シュガークルーラー、シナモン、ハニードゥ、ホームカット、パウダードだ。

もちろん定番のポン・デ・リングシリーズや、

フレンチクルーラーシリーズ、

惣菜系のビーフシチューツナメルトといったものもラインナップ。

ドリンクメニュー。
ブレンドコーヒーカフェオレロイヤルミルクティおかわり自由だ。

オーダーしたのはフレンチクルーラーポン・デ・リングオールドファッションというミスタードーナツの超定番ものと、ツナメルト、そしてブレンドコーヒー

ツナメルトは温めてもらえる。
たっぷりのツナがトロトロに溶けたチーズに絡んだ逸品だ。

ツナの美味さと柔らかさ、クリスピーなパンとの相性も絶品である。

フレンチクルーラーポン・デ・リングオールドファッション
まさに時代を超越する永遠の定番。ザ・ミスドといった並びだ。

シュガーコートされたポン・デ・リング。食べると想像以上のモチモチでソフトだ。
これぞミスタードーナツ、と言う人も多いだろう。

フレンチクルーラー。何も飾らないプレーンなフレンチクルーラー、飽きの来ない味である。

そして赤いマグカップはブレンドコーヒー。
ブラックにして、甘いドーナツと一緒に楽しむのが個人的には至福である。

こちらは1号店限定のドーナツ、バタークランチハニードゥパウダードの3品。
それぞれ、シンプルな味が楽しめた。

日本のミスタードーナツが生まれた箕面の1号店。
創業時の熱い想いを感じさせる内外装リニューアルの初日、満員の店内で味わうミスタードーナツの定番商品。

日本におけるドーナツの歴史と文化をじっくりと味わうことができる、まさに至宝の空間であった。

リニューアル前の1号店の様子

リニューアル前はこのような外観であった。

アンティークでシックな雰囲気のソファ。

カウンターはワイドな構成だった。

ミスタードーナツ 1号店 箕面ショップの地図


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