南海電鉄系の駅そば
数ある鉄道系立ち食いそばの中で、関西を走る南海電鉄グループに属するそばチェーンといえば「南海そば」。
その1号店は、南海のターミナルでもあるなんば駅の2階にある「なんば2階店」だ。
南海のターミナル、なんば駅。
なんば駅は地下鉄、近鉄、南海、JRとそれぞれが少しずつ離れた位置にあるのが特徴だ。
南海そばの1号店であるなんば2階店は、南海なんば駅の改札を入ったところにあるので、食べるためには電車に乗るか入場券を購入する必要がある。
改札を入ってすぐの所にある、南海そば なんば2階店。
モダンな雰囲気の外装だ。
なんば2階店とあるように、ここは南海なんば駅の2階だが、3階にはなんば3階店もある。
1号店はなんば2階店の方だ。
南海そばは、1966年に創業した駅ナカの立ち食いそば店だ。1号店はここ、なんば駅の2階。
その特性上、当初から南海電鉄を利用する人が気軽に立ち寄れるそば屋として営業されている。
2020年1月現在は南海商事によって、大阪府内に5店舗で運営されている。
以前は和歌山市駅の中にもあったが2017年に撤退してしまった。
「きつね」と「たぬき」、東西で違い
外に設置されたメニューボード。
代表的なメニューや人気メニューがピックアップされている。
今回は「たぬきそば」を食べることに決定!
油揚げが載っているものは、一般的には「きつねうどん」「きつねそば」と呼ばれるが、こと大阪においては「きつねうどん」「たぬきそば」という呼び名が伝統的なのだ。
その理由は諸説あって詳細は不明だが、店舗によっては油揚げが載っていても「きつねそば」のところもあったりして、混迷を極めている。
「たぬき」を冠するうどんやそばは天かすが載っているものであるという認識のまま大阪で「たぬきそば」をオーダーすると、イメージと違うものが出てくるので注意だ。
オーダーは食券制である。
「たぬきそば」を購入!
高く積み上げられた箸タワーは創業以来の伝統
店内は立ち食いのカウンター席のみとなっている。
まさに駅ナカそばといった風情だ。
何と言っても、高く積み上げられた箸タワーが目に入る。
この箸タワーは、1966年の創業当時、従業員が忙しくて箸の補充が間に合わなかったことから考案されたもので、それ以来、南海そばの伝統となっているのだ。
そばの風味がしっかり味わえる
すぐに運ばれてきた「たぬきそば」!
厨房のスタッフさんに、関東では「たぬき」と言えば天かすで大阪は油揚げなんですよね~という話をしたところ、「天かすも入れてあげるわ!」と太っ腹サービスを受けたので、東西どちらの意味でも通じるハイブリッドな「たぬきそば」となった。
麺は柔らかめで食べやすいが、そばの風味をしっかりと感じ取れることのできるものだ。
何よりつゆが美味しい。鰹やウルメなどから出汁を取ったという凝った物だという。
創業から半世紀以上経った老舗の駅そば、南海そば。
高くそびえる箸タワーが往時の多忙さを今に伝えていた。