あべのハルカスを見上げる街で、ハンバーグを食べる
日本一の高さを誇るビル「あべのハルカス」を見上げる街、阿倍野区。
レトロな雰囲気を随所に残す昭和町の交差点の角に、BOSTONの本店であり1号店であるBOSTON 昭和町本店がある。
ハンバーグレストラン BOSTON と書かれた壁の存在感がたっぷりの建物が、BOSTON 昭和町本店だ。
ハンバーグのみが並んだメニュー表が掲げられている。
そう、ここは大阪のローカルハンバーグチェーンなのだ。
半世紀以上前から「BOSTON」だった
BOSTONの歴史は1952年、この昭和町に音楽喫茶 BOSTONとして創業したのが始まりだ。
アメリカ製の真空管アンプと大型スピーカーのオーディオは、当時のお客さんを多いに喜ばせたのだという。
その後は洋食店へ、そしてハンバーグ専門店へと変わったが、店名と、創業当時からの「お客様が楽しんでもらえる空間作り」は変わらずに今に至っているのだという。
BOSTONは2020年6月現在、大阪市内に洋食屋、ハンバーグ専門店、ヨーグルトケ―キ専門店など10店舗で営業されている。
アンティークな雰囲気と充実のメニュー
BOSTON 昭和町本店は、1階が厨房の周りを囲むようなカウンター席のみ、2階がテーブル席となっているが、両方ともこぢんまりとした広さだ。
この日は1階に着席したが、随所にアンティークな雰囲気を醸し出すアイテムがある。特にレジはかなりの年代物だが、現役で使われていた。
カウンターの上部にある「BOSTON」のロゴが雰囲気を出している。
この音符のシンボルも、元は音楽喫茶としてスタートしたことがルーツになっている。
お手拭きもBOSTONのシグネチャーモデルだ。
大阪のハンバーグは、肉汁で攻めてきた
これがBOSTON 昭和町本店のグランドメニュー。
メニューの内容は店舗によって異なるのだという。
ハンバーグ専門店だけあって、メニューは全てハンバーグとなっている。
かぼちゃスープや大阪ヨーグルトケーキが気になるところだが…
ここはスタンダードな「デミグラスハンバーグ 200g」をオーダー!
メニューの裏側。テイクアウトやウーバーイーツもやってるのだという。
そして「ちょっと小話♪豆知識! BOSTON Wiki」が面白い。
しばらくして運ばれてきたのは…
デミグラスハンバーグ 200g!
プレートがアツアツで油がはねるため、しばらくは紙ナプキンでガードする。
まさにお手本のようなハンバーグだ。
焼き加減から盛り付け、全てが渾然一体となって、目の前でジューシーな音を立てている。
200gといえど、なかなかの厚みがボリューム感を醸し出している。
ポテトがまるごと添えられている。
こちらがBOSTON伝統のデミグラスソース。
BOSTONのハンバーグは箸で食べるのだが、簡単にハンバーグがつまめるほど柔らかい。
そして中からは肉汁が溢れんばかりに流れ出てくる。
口に運ぶと、濃縮された牛肉の美味しさが口いっぱいに広がる。そして柔らかい。
これがBOSTONのハンバーグ、どこまでも上品な味だ。
デミグラスソースはフルーティな酸味がアクセントで、ハンバーグの味をさらに引き立ててくれる。
最後の1滴まで舐めたくなる、そんなデミグラスソースだ。
大阪で長い歴史を誇る、BOSTON伝統のハンバーグ。
オールディーズが流れる店内BGMにかつての音楽喫茶の面影を少し感じながら食べる、至福の時間であった。