創業の土地は今もなお現存
牛丼チェーン店四天王の1つとして、全国に多くの店舗を持つ「すき家」。
その1号店は神奈川県横浜市鶴見区の生麦にあった「生麦駅前店」だが、既に今は存在しない。
しかし、すき家のルーツとなった弁当屋「ランチボックス」は、その建物が現存している。
京急本線 生麦駅を降りて徒歩5分ほど。
第一京浜道路の大黒町交差点に向かって歩く。
その交差点にあるこの白い建物こそが、すき家のルーツである「ランチボックス」の跡地だ。
現在、すき家をはじめはま寿司やビッグボーイなど数々の外食店を運営する株式会社ゼンショーホールディングスは、1982年6月、横浜市鶴見区の生麦にて創業。
当時、京浜工業地帯の労働者が多いこの地域で、お弁当を販売するお店として会社設立の翌月に設立したのがこの「ランチボックス」だ。
しかしお弁当の販売が苦戦する中、次の一手として新たに牛丼の専門店として設立したのがすき家の1号店である「すき家 生麦駅前店」である。
すき家のどんぶりの底に「YOKOHAMA」とプリントされているのは、すき家のルーツの地であるここ、横浜市鶴見区の生麦のことを指している。
そしてレンガをモチーフにした店舗外装は、横浜の赤レンガ倉庫をイメージしているのである。
今ではランチボックスも、すき家 生麦駅前店も現存しない。
しかし、本社ですらすき家 生麦駅前店が当時どこにあったか正確に把握していない(!)という状況の中、ランチボックスはゼンショーの創業の地ということで建物が残されている。
2018年10月現在は改装され、濱食堂風薫亭という居酒屋が居抜きで入店している。
ちなみに以前は外壁に「ランチボックス」と書かれた跡が残っていたが、現在は完全に消されている。
ここから始まったすき家の歴史。
2018年8月で全国に1937店舗を持つすき家の他にも様々な外食店を持ち、圧倒的な規模でチェーン展開を行うゼンショーのルーツは、今も生麦にあった。