大阪名物「かすうどん」
「油かす」と呼ばれる、牛の腸を時間をかけて油で揚げたものをトッピングしたうどん、「かすうどん」。
今や大阪のB級グルメとして定着したが、それはまだまだ最近のことで、その歴史にはこの店が外せない。
かすうどん専門店の1号店「加寿屋 KASUYA 藤井寺本店」だ。
西名阪自動車道 藤井寺ICのすぐ近くに、KASUYA 藤井寺本店はある。
マッサージ店、ブックオフなどの駐車場の片隅にある、小さな店舗だ。
KASUYAの歴史はかすうどんの歴史
KASUYA 藤井寺本店は1995年に創業したKASUYAの1号店だ。
大阪の南河内地方で昔から食べられてきた「油かす」。
当初は食肉の脂身や内臓などを鍋の中で加熱し、油脂を取り出した後の副産物であったが、現在は牛の腸を揚げてカリカリにしたもののことを指す。
これをうどんに入れ、「かすうどん」として世に問うた初の専門チェーン店が、ここ「KASUYA」であり、1号店である藤井寺本店である。
以降かすうどんは絶大な人気とり、大阪中にかすうどんを提供する店が出現するようになって、今では大阪を代表するグルメの一つである。
KASUYAは株式会社グローバルキッチンにより、大阪を中心に東京や岡山にまで28店舗で運営されている。
店内にはカウンター席とテーブル席があるが、基本的には狭い。
窓の上には茶色く変色した多くのサイン色紙が飾られている。
「1995年創業から愛され続けているほんまもんのかすうどん。」
そう、この藤井寺本店こそがかすうどん生誕の地なのだ。
木札のメニュー。
写真入りのメニュー。
さまざまなうどんのバリエーションがあるが、全てかすが入った上で、天ぷらなどがトッピングされるものだ。
ここでは基本である「かすうどん」をオーダー。
丼ものやどて煮、ホルモン、おでん等もある。
出汁が美味い!かすの食感が楽しい!
そして運ばれてきた「かすうどん」!
まず、おつゆの出汁の美味さが先にガツンと来る。関西風の味といえば出汁だが、KASUYAの出汁は濃厚で、関西人なら大好きな味だ。
そこにかすとうどんが絡む。かすは噛めば噛むほど美味さが染み出てくるようで、うどんと同時に食べるとまさにかすうどん独特の食感を楽しめる。
そこにとろろ昆布もミックスさせれば完璧だ。
「かすうどん」生誕の地であるKASUYA 藤井寺本店にて食べるかすうどんは格別である。
大阪南部のソウルフードとして長年親しまれた「かす」を取っつきやすく、そして食べやすくした「かすうどん」は大阪の新たなソウルフードとして今日も愛されているが、そのルーツであるこの場所で食べると、濃いめの大阪の風情を感じること請け合いである。