根室のローカル人気弁当は、函館にルーツを持っていた?
日本の本土最東端の街、根室。
花咲がにやサンマ、エスカロップなど特色豊かな食文化を持つ根室にあるローカルコンビニチェーン「タイエー」。
こちらのコンビニはやきとり弁当が有名だという。
その本店は、北海道根室市にある千島本店だ。
タイエー 千島本店。
シンプルなコンビニエンスストアーといった外観だ。
ダイエーではなく、タイエー。
ここが本店とのことだが、それは本社事務所があるから。
ちなみにタイエーの1号店は曙店で、面積最大の店舗は西浜店とのことだ。
「やきとり弁当」と書かれたロゴと、焼いている豚さんのイラスト、どこかで見覚え無いだろうか?
そう、函館ローカルチェーンの「ハセガワストア」!
函館と根室。
北海道の端っこと端っこ…くらい離れているが、どうしてこんな共通点があるのだろうか?
それでは入店してみよう。
暖簾分けして、いざ根室へ
タイエーの歴史は、1931年に根室市内で創業した商店にルーツを持つ。
現在の代表である田家徹氏の父は「フードストア田家」を作り、北洋漁業の漁船向け船積み食料の店として繁栄した。
そして3代目となった田家徹氏は、函館に面白いコンビニがあると聞き、「ハセガワストア」まで出かけた。そこで、長谷川会長に教えを請い、函館に長期滞在してハセガワストアで修行をする。
名物の「やきとり弁当」のノウハウも取得して根室に戻り、ハセガワストアの暖簾分け店として、新業態のコンビニ「タイエー」の1号店となるタイエー 曙店を1989年にオープン。ハセガワストア同様に本格的なデリ機能を持ったコンビニとして、まだコンビニの少なかった時代の根室でオープンした。その後、2号店としてフードストア田家を転換したのが、このタイエー千島本店だ。
独自の方向性を貫き、コンビニ激戦区となった現在の根室においても、確固たる地位を築いている。
タイエー 千島本店の店内の様子。
ちょっと広いコンビニかスーパーか、といった雰囲気だ。
パンもこのようにずらりと…
おや、向こうに「やきとり弁当」のブースがある!
そう、これがハセガワストアの暖簾分けとして最も重要な部分、やきとり弁当のブースだ。
やきとり弁当をはじめ、やきとり串などのメニュー表。
多くのバラエティがある。
やきとり弁当の味も、タレ、塩、塩だれ、うま辛、みそだれ、の5種類が用意されている。
今回は定番の「やきとり弁当(小)」をオーダー!
味はタレだ。
ちなみに、やきとりという名前だが豚肉である。
ここもハセガワストアと同様だ。
根室名物 やきとり弁当!
やきとり弁当、調理中の様子!
タイエーのやきとり弁当、ハセガワストアのやきとり弁当、違いは?
しばらくして完成した、タイエーのやきとり弁当!
ハセガワストアのパッケージと比較してみよう。
こちらがハセガワストアのやきとり弁当。
間違い探しのようだが、いくつかの差異がある。
・「秘伝のかくし味 はこだてワイン」→「秘伝のかくし味 十勝ワイン」
・焼いている豚さんのうちわの文字が「H」→「T」
・下部の販売車が「ハセガワストア」→「タイエー」
特に、秘伝のかくし味が十勝ワインになっているのは大きな違いではないだろうか。
開けると海苔の上に豚串が3本。
これもハセガワストアと全く同じだ。
食べ方は、この溝のところに串を置いて…
一旦フタをして、串をクルクルっと回すようにしてから抜き取る!
すると、ご飯の上に豚肉と葱がトッピングされる!
この食べ方もハセガワストアと同様だ。
もちろん、普通に串のまま食べても問題ない。
味は「タレ」。
パッケージにあるように十勝ワインが使用されており、ハセガワストアのものよりもややコッテリとした、パンチのある味付けになっているように感じた。
そして何より肉が香ばしく、タレの旨味やホクホクのご飯と相まって、あっという間に食べ終わってしまった。
大手コンビニの参入にも負けない、根室のタイエー。
やきとり弁当だけでなく、根室伝統のB級グルメ「エスカロップ」や茶碗蒸しも人気だという。
そして独自商品として、さんまの街根室ならではのインスタントラーメン「さんま節らーめん」も販売している。
根室に行ったら、是非タイエーに寄ってみて欲しい。
根室の人々の暮らしに寄り添ったコンビニだかこそ、根室の空気をもっとも感じさせてくれる。