宇和島のグルメ回転寿司チェーン
現在、回転寿司は低価格帯を中心に展開するお店と、素材や調理にこだわってグルメ回転寿司と呼ばれるお店への二極化が進んでいる。
ここ「すしえもん」は、愛媛県の宇和島で水揚げされた新鮮な魚介類を楽しめる産地型グルメ回転寿司だ。
その本店は、愛媛県宇和島市にある宇和島本店だ。
宇和島の内湾に面し、道の駅さきいや広場の近くにあるのが、回転寿司 すしえもん 宇和島本店だ。
宇和島の地元ネタ回転寿司 とある。
水産業が盛んな港町、宇和島の海の幸が楽しめることに、期待が膨らむ。
すしえもんの痛軽トラがナイスデザインだ。
市場直送 地魚が旨い と言われてしまうと、食べざるを得ない。
横にはすしえもんのメニュー表が。
さまざまな本マグロの部位が楽しめそうだ。
それでは入店してみよう。
元・プロ野球選手が創業したグルメ回転寿司
回転寿司すしえもん 1号店である「エミフルMASKI店」(後に移転して小栗店となる)がオープンしたのは2013年。
株式会社ビストロプラス代表であり創業者である岩村敬士氏は、元・近鉄バファローズの選手という異色の肩書きを持っている。
宇和島東高校で春・夏共に甲子園に出場し、華々しい活躍をした岩村氏は、1996年のドラフト会議で近鉄バファローズから7位指名を受けて入団。1997年からはバファローズの選手として活躍するも、翌年、肘の故障であえなく戦力外通知を受け、失意のまま故郷の宇和島に戻る。
そこで水産加工の仕事を始め、2005年には水産加工を専門とする有限会社アクアプラスを設立。ここから本格的に事業家の道を進み始める。
なお、岩村敬士氏の実弟である岩村明憲氏は、敬士氏と同タイミングでヤクルトスワローズに入団。そしてメジャーリーグ入りも果たした野球選手だ。
その後、焼肉ダイニングのホルモン村、海鮮居酒屋のうわじま場所といった店舗をオープンさせ、そして2013年に回転寿司形態の1号店、すしえもんをオープンさせる。
翌2014年には2号店として、すしえもん 宇和島本店がオープン。
2023年1月現在、すしえもんは愛媛県を中心に東京、福岡、兵庫も含め6店舗で運営されている。
待ち合いスペースに貼られた「宇和島がうまい!」ポスター。
鯛と鰤をはじめ、海の物はもちろんながら、愛媛県らしく柑橘類の美味しさも随一だ。
ちなみにこの右側には野球のユニフォームなどが飾られている。
すしえもんの新鮮さの秘密は、水産会社が営む回転寿司であるということ。
通常なら漁協・市場・魚屋を通るルートが、上記のアクアプラスを通じて仕入れることでスピード感を持ち、鮮度を保てるとのこと。
すしえもん 宇和島本店の店内は広い。
たっぷりのテーブル席が用意されている。
こちらはカウンター席。
かなり長いカウンター席にはタッチパネルと特急レーンが2レーンのみという、今時の回転寿司のシステムが設置されている。
皿ごとの価格設定。100円から1500円まで幅広いレンジを持っている。
曜日ごとに何かが110円となるセールも開催されている。お得感がたまらない!
箸袋はすしえもんのシグネチャーモデルだ。
タッチパネルの先にあるのは宇和島の海!
全ての注文はタッチパネルから行う。
回転寿司といっても常時流されているシステムではなく、タッチパネルオーダーからオンデマンドで握られ、高速レーンで流されてくる仕組みだ。
なお、すしえもんのキャラクターは野球のユニフォーム姿。そして店員さんのユニフォームもプロ野球のユニフォーム姿なのがユニークだ。
タッチパネルの1ページめ。グラフィカルなUI、そして各国語対応もなされている。
すしえもんはまぐろ推し!
生本マグロの様々な部位を一気に食べられる生本まぐろづくしがすごい。
生というのは水揚げされてから一度も冷凍をしていないという意味なので、これは水産会社から直接仕入れるルートがあるから実現するのだろう。
寿司一覧のページからはさらに下の階層に入れる。
本日のおすすめ品に関しては、シートが配布されている。
このオーダーも、タッチパネルで行う。
本日のおすすめページから、本日のイチオシに行く。
愛南町深浦産!!生ガツオ握りをオーダー!
愛南町とは愛媛県の南端、高知県の宿毛市に近いエリアだ。
すると。特急レーンの上に直接皿が載せられ、スッと運ばれてくる。
運ばれてくると、タッチパネル上に表示される。
皿を取ったら「閉じる」をタッチする。
これが愛南町深浦産!!生ガツオ握りだ。
生ガツオということで冷凍ではなく、採れたてのものである。
カツオの薫りまで楽しめるような新鮮さがたまらない一品だ。
わさびは小袋で提供されている。
さて、まぐろを食べずにいられない。
希少!! 大トロをオーダー!
生本まぐろの大トロ!
脂がたっぷりと載っているが、しつこくなく、口の中でサラリとほぐれていく。
この快楽は、人生には必要なものだ。
本マグロの中トロ!
大トロより赤身が多くてさっぱりとしているが、旨味もしっかり楽しめる。
この2品は同時オーダーしたのだが、
上部の特急レーンで、新幹線に載せられて運ばれてきた!
他店にも同様のものがあるが、「JR東海承認済」と書かれているのがなんか可笑しい。
未入荷や本日完売となっているが、超大トロ切り落とし軍艦なるヤバいものもある。
朝〆ぶり(ハマチ)、朝〆ぶりトロ…たまらない!
芽ネギ大好き!
芽ネギシリーズ!!京味!!芽ねぎ月見 が、何か風流な見た目をしている。
京味(京都風味?)かどうかは分からないが、禅 などを感じさせるルックスだ。
宇和島産をいくつか行ってみよう。
まず、地だこ 梅肉のせ から!
新鮮なタコって、噛むとすぐに口の中に味が広がるが、さすが地の物、その美味さがたまらない。
そしてこちらも宇和島産、うに1貫(市場直送)!
明礬の苦さは控えめで、ウニのウニウニとした味わいがある。
ぶりの切り落としねぎまみれ !
こういう乱暴な軍艦、大好物で。
何かがこぼれてる、何かが山盛り、そういう感じの軍艦にハズレなしの法則が発動する。
鰤と鯛は自家養殖しているというアクアプラスだけあって、旨味抜群の新鮮な鰤がたまらない。
山盛りちりめん軍艦 !
これも好きなやつ。ああ、こんなのまで地元産があるなんて、宇和島のポテンシャルの高さにクラクラしてしまう。
アナゴやウナギもある。
生サーモンの炙り、これだけでご飯何杯もイケるというのに、寿司になった日にゃ…
炙り生サーモン塩レモン !
完敗です。すしえもんに、そして宇和島に完敗しました。
気になるサイドメニューも充実している。
じゃこかつバー?
あじナゲッツ!?
利尻島産とろろ昆布を使用したとろろ昆布うどんが出現!
やはり昆布といえば利尻、利尻といえば昆布!
本日は茶碗蒸しが110円の日だったので、茶碗蒸しをオーダー!
心の芯から温まるような味わいで、すしえもんタイムを〆た。
すしえもんの愛繋心
1.私たちすしえもんは 地元のお客様に愛される回転寿司を創る!
2.私たちすしえもんは 人と人とを繋ぐ回転寿司を創る!
3.私たちすしえもんは 心に残る回転寿司を創る!
出会いに感謝!!
これが宇和島である。
まだ闘牛も見たことが無いので、今度じっくり訪れてみたい。
すしえもんオリジナルの「こだわり醤油」が販売されている。
もちろん店内でも使われているもので、甘めの味付けが特徴だ。
通販では販売されていないようなので、店頭で買おう。
外には、真鯛が泳ぐ生け簀が。
港のすぐ横にある、グルメ回転寿司、すしえもん 宇和島本店。
グルメ回転寿司は小規模なチェーン店であることが多く、オーダー方法も板前さんに直接オーダー用紙を渡すスタイルのお店が主流だが、大規模回転寿司チェーン店のようにフルタッチパネル&フル特急レーンを持つグルメ回転寿司は珍しい。人員削減にも寄与するこのシステムは、今後の主流になるのだろう。
宇和島の味をカジュアルに楽しめる回転寿司店、すしえもん。
それは、創業者の岩村氏がプロ野球で果たせなかった夢を、故郷のグルメという分野で見事に花を咲かせたかのような、ドラマを感じる店だ。
是非、宇和島に行ったら寄って欲しい。