十割そばをお気軽に
福島県を中心に東北でチェーン展開する、十割そばを中心とした専門店「十割そば会」。
その本店であり1号店は、福島県郡山市にある郡山本店だ。
郡山駅から西へ。うねめ通り沿いにあるここが、十割そば会の1号店、郡山本店。
「そば 大盛無料」の看板に惹かれる。
十割そばは店内製麺なのだとか。これは期待だ。
それでは入店してみよう。
十割蕎麦を、「幸楽苑」のような手軽さで
十割そば会は、2012年、福島県の郡山市にて創業したそばのチェーン店だ。
創業者は幸楽苑の元社長である長谷川利弘氏で、運営会社は株式会社食のトータルコーディネート企画である。
2011年の東日本大震災で甚大な被害を受け、風評被害に悩まされる福島県では作物も売れず、故郷を離れる人も多く出た。
そんな中で、一度は引退した長谷川氏は一念発起し、自分にできることは福島県の食材を売ることだけだと確信し、震災復興の意思を込めて「十割そば会」を創業したのが始まりだという。
十割そば会は福島県の食材を使うことにこだわりがある。
そばつゆや丼たれで使用している醤油は、会津で寛政元年に創業した老舗の醤油会社のもの。
そこに、そば粉と水だけで店内製麺した十割そばを使用するというものだ。
そんな本格的なそばにも関わらず、かなり気軽に入店でき、サッと食べられるファスト感覚というのが十割そば会の特徴ではないだろうか。
十割そば会は2023年10月現在、東北や新潟にて、14店舗で運営されている。
なお、各地に「本店」を冠する店名で出店しているため、本店は複数ある。
店内はそば屋らしく和風の趣のある空間だ。
会津の郷土玩具、赤ベコも飾られていた。
古い会津の新聞の1ページ。会津各地の様々なお店の紹介のようだ。
「ならぬことはならぬものです」で知られる會津藩校日新館の「什の掟」もある。
一、年長者にはお辞儀をしなければなりませぬ
一、嘘言(うそ)を言ふことはなりませぬ
一、卑怯な振舞をしてはなりませぬ
一、弱い者をいぢめてはなりませぬ
一、戸外で物を食べてはなりませぬ
一、戸外で婦人と言葉を交へてはなりませぬ
ならぬことはならぬものです
十割そば会のグランドメニュー。
もりそばと天重がセットになったそば重や、もりそばと天のり弁当がセットになったものなど、セットメニューが充実している。
こちらはつけそばのページ。とりなんつけそば、辛つけそば、スタミナつけそばなど、メニューも豊富だ。
ざるそば、天ぷらそばも当然ある。
会津名物の会津にしんそばも!
今回は一番人気だという「天ぷらそば」をオーダー!
なんと税抜き773円というリーズナブルさだ。
そばの風味が満点!さすがの十割に唸る
しばらくして運ばれてきた「天ぷらそば」!
この定番感!
十割のそば。
香ばしい風味を存分に味わえる。
良い感じのコシがあるので、噛み心地も気持ちいい。
カラリと揚げられた天ぷらたち。もちろん、注文後に揚げられる。
テーブルには岩塩、一味、だし醤油がスタンバイ。
そば湯もある。「百歳湯」と名付けられている。
十割そば会 郡山本店。
サッと食べて、サッと出る。
そんなファストカジュアルのお店なのに、十割そばと、こだわりの醤油。
さすが福島県といった趣を感じさせてくれた。