香川県のもう一つの名物、それは骨付鶏
香川県の名物は讃岐うどん。そしてもう一つは、骨付鶏だ。
そんな骨付鶏の専門店として展開する「骨付鶏 一鶴」。
香川県丸亀市で生まれ、既に半世紀以上の歴史のある一鶴の本店は、丸亀駅近くの丸亀本店だ。
JR丸亀駅から徒歩すぐの所にあるここが、一鶴の本店だ。
シンプルに、骨付鶏 一鶴とだけ書かれている。
初めて来る人は、何の店だか分からないかも知れない。
それくらいストイックな外観だ。
ここから生まれた骨付鶏
一鶴の歴史は、骨付鶏の歴史でもある。そう、骨付鶏を考案したのが一鶴なのだ。
その始まりは1952年。
丸亀駅の近くで創業した一鶴は、たった7坪の、おでんとお好み焼きの店だったという。
翌年、創業者である近藤定市氏が、海外の映画で女優が鶏肉にかぶりついているシーンを見たのをヒントに作りあげたのが、骨付鶏だ。
その名の通り骨の付いたままの鶏を炙り、スパイシーな味付けにして、かぶりつく。そのスタイルは、まさにここから始まった。
以降半世紀以上も骨付鶏の味を守り通しているのだという。
この本店の場所は1967年に移転してきた場所で、今の建物は1992年に建て替えられたものだ。
2021年3月現在、香川県を中心に、横浜・大阪も含めて9店舗で運営されている。
奥行きのある店内はシックで落ち着いた雰囲気。
奥に向かってひたすら長いカウンター席が印象的だ。
テーブルに置かれた紙ナプキンは、一鶴のシグネチャーモデルだ。
これが一鶴 丸亀本店のグランドメニュー。
その構成は猛烈にシンプルで、骨付鶏のおやどりか、ひなどりか。その二択である。
おやどりは身が引き締まっていて噛み応えがあり、噛んでいるうちに旨味をジワジワと感じることができる。
ひなどりは柔らかく、ガブリとかぶりつける醍醐味がある。
今回は「ひなどり」をオーダー!
サイドメニューいろいろ。
ここは「むすび」をオーダー!
これはお忘れなく、と言いたいほどオススメだ。
一鶴の楽しみ方が指南されているので、食べる前に読んでおきたい。
紙ナプキンで骨をつつんで、ガブリとかぶりつく。
皿の油には、キャベツやおむすびを浸す。
これが一鶴のポイントだ。
最初の一口、ガブリと行くその瞬間、人生の絶頂に
しばらくして、運ばれてきた「ひなどり」!
焼きたてで、ジューっと音がしている。
そして香ばしい香りが漂ってくる。
この肉厚のひなどりに、これからかぶりつけるなんて…
そして皿に溜まった油がまたすごい。
ひなどりの凹みにも油がドバッと溜まっているではないか!
写真を撮っている場合ではない。
いますぐにかぶりつきたいが、ブログ読者のため…
これが骨。
ここに…
一鶴 シグネチャーモデルの紙ナプキンを巻く。
ちなみに一鶴の卓上紙ナプキンサーバーは独特で、油でギトギトの手でも、他の所を触らずに紙ナプキンだけが1枚とれるような仕組みになっている。
こうやって骨に巻く。
そして口に入れる。
口の中に、熱々のひなどりが、音を立てて飛び込んでくる。
たっぷりの肉汁と、少しスパイシーな味付け。
シンプルなのに、もの凄い情報量だ。
とにかく柔らかいのがひなどり。
そのソフトさが気持ち良く、何口でも食べてしまう。
中毒性が極めて高い食べ物だ。
これは別の時の、おやどり。
食べやすいように切れ目が入っているのが特徴だ。
テーブルにはキャベツと、
別に注文したむすびも運ばれてきている。
このキャベツとむすびを、皿に残った油にヒタヒタと浸けて食べると…
2度目のエクスタシーを感じることができる。
食べ終わったらスープでフィニッシュ。
このスープは薄味で、さっきまでの濃厚な骨付鶏体験を、おだやかにクールダウンさせてくれる。
鶏ガラ出汁のつゆで、鶏皮が浮いているのが特徴だ。
骨付鶏 一鶴。今や香川県ではうどんと共に有名になった骨付鶏の、オリジネイター。
その味は、創業当時から今も変わっていないという。
柔らかいひなどり、硬くて味わい深いおやどり。そのどちらかを選ぶのは、まさに究極の選択。
そんな体験ができる一鶴 丸亀本店は、まさに本店らしい聖地感にあふれていた。