往年のアメリカンな薫りがする
本格的なアメリカンスタイルのレストランとして創業し、今では日本型のファミリーレストランとして全国で数多くの店舗が運営されている「ココス」。
その1号店は、茨城県土浦市にある「中貫店」だ。
※2020年11月8日、閉店しました。
国道6号線沿いにあるココス 中貫店は、その余裕のある造りが往年のアメリカンスタイルを思わせるものとなっている。
駐車場入り口にある白壁のモニュメントもおしゃれだ。
COCO’S SINCE 1980とあるネオンサイン。1980年にココス1号店としてここが誕生したことを表している。
ココスの歴史はファミレスの歴史
ココスは、アメリカのレストランチェーンである「COCO’S」を運営していたファーウェストサービスインク(現在はココスレストランズインク)から、茨城県の食品スーパーであるカスミの外食部門を手がけていた株式会社ろびんふっどがライセンシーを取得し、茨城県に1号店としてココス 中貫店をオープンさせたのが始まりである。
株式会社ろびんふっどは、1978年に土浦にてレストラン「ろびんふっど 土浦店」をオープンさせており、その後ココスに転換されたので、ろびんふっど 土浦店は日本におけるココスのルーツ店と言える。
現在ではすき家などを運営する外食大手のゼンショーグループとなり、2018年9月現在で588店舗にて運営されている。
ココス 中貫店の入り口でひときわ目立つのがこれ。
新聞自動販売機の「ニュースくん」。
買える新聞はスポーツニッポン、毎日新聞、茨城新聞の3紙だ。
アメリカンな雰囲気を期待して入店した所に、突然現れる昭和感がサプライズである。
ココス 中貫店の店内はかなり広く、ゆったりと寛げそうな感じだ。
木の暖かみを感じさせるような雰囲気もレトロで、1980年当時のアメリカンスタイルを模したファミリーレストランの雰囲気を現代に受け継いでいる。
ラウンドされたソファー、いかにも古き佳きファミリーレストランといったところである。
ドリンクバーにはタッチパネル式の最新のエスプレッソマシンなどが設置されている。
生産地の表記もしっかりなされている。
ファミレスの王道を往くメニュー構成
ココスのグランドメニュー。
1ページ目にある定番メニューはハンバーグだ。
その名も「ココスのハンバーグ」!
ソースはジャポネギソースとデミグラスソース、そして地域ごとに色々あるソースから選択できる。
様々なバリエーションのあるサラダ。
これが好きな人も多いのではないだろうか? 「ビーフステーキハンバーグ」。
ハンバーグとステーキの良い所取りをしたようなもので、これぞココスといったメニューである。
和食もラインナップ。
デザートの種類も豊富だ。
「ココッシュ」はココスの造語で、ココス+デニッシュのこと。
テーブルにはシンプルに天塩と、ココスオリジナルのソースが置かれている。
このオリジナルソースは中濃で、やや甘口のものとなっている。
旨みが染み出す自慢のハンバーグ!
そして運ばれてきた「ココスのハンバーグ」!
ソースはジャポネギソースをチョイス。
ナイフを入れて…
中はこのような感じだ。
最近は様々な種類のハンバーグがあり、ハンバーグ専門レストランも多くなったが、ココスのハンバーグはファミレスで食べるハンバーグの基本に忠実であり、派手な肉汁も無いし、目の前で鉄板に押しつけてくれるようなパフォーマンスも無い。
基本に忠実なハンバーグは、言い換えれば飽きの来ない味であり、ファミレスの定番としての役割を長年にわたって十分担っていると言える。
ファミレスのハンバーグの美味さを知ることが、少し大人の世界を知ることのような気になっていた十代。あの頃に感じたハンバーグの美味さは、まさにこれだった。
ココス黎明期の、アメリカンスタイルを感じさせる雰囲気の中で味わう、今のココスの味。
1号店の中貫店は是非このままの姿で後世に残して欲しい。