木更津の「バー弁」といえばここ
千葉県、木更津市。
東京湾アクアラインによって川崎市と結ばれた房総半島の西側、内房の街。
そんな木更津を代表する2つの弁当があるという。
それは、「バー弁」と「チャー弁」。
「チャー弁」とは「チャーシュー弁当」のことで、「としまや弁当」という弁当チェーンの名物メニュー。
そして「バー弁」こと「バーベキュー弁当」は、「吟米亭浜屋」の名物弁当だ。
その1号店は、木更津西口店だ。
木更津駅西口を出てすぐ、みまち通りと呼ばれる通りの角にある吟米亭浜屋。
ここが1号店の流れを汲む、木更津西口店だ。
「バーベキュー弁当」とだけ書かれ、たぬきがバーベキューをしているイラストが可愛い看板。
ちなみに、♪ショ ショ ショジョジという「たぬき囃子」は、木更津にある「證誠寺」という寺が元になっているため、木更津はたぬきがイメージアニマルのように使われることが多い。
吟米亭浜屋と書かれたシンプルな看板が掲げられている。
基本はバーベキュー弁当
吟米亭浜屋は、当初は「浜屋」として、1962年に木更津駅の西口で創業した弁当屋さんだ。
1962年当時、木更津は大変栄えており、駅周辺も大勢の人で賑わっていたのだという。
創業当時からすでにバーベキュー弁当をラインナップしており、浜屋と言えばバー弁というほどの定番商品で、木更津駅の駅弁にもなった。(駅弁は2009年まで)
1988年に木更津駅西口が再開発されると、駅前にアインスというビルが建てられ、百貨店であるサカモトそごうが入店。
それに合わせて、浜屋の木更津西口店もそごうの中に移転した。
当時は千葉で最も集客力のあった商業施設ということで、浜屋の知名度も上昇したという。
2000年には、木更津市の米の生産業者である株式会社泉屋が浜屋の事業継承を受け、新たに「吟米亭浜屋」としてリニューアルするも、翌年にはアインスビルからそごうが撤退してしまう。
吟米亭浜屋はしばらくアインスビルの中で営業した後、現在の店舗へと移転したのが、新たな木更津西口店だ。
木更津の歴史に翻弄されながらも営業を続ける吟米亭浜屋だが、2021年5月現在、木更津市内に3店舗で運営されている。
狭い店舗の中は、お弁当置き場とレジがあるだけのシンプルなもの。
バーベキュー弁当、バーベキュー弁当大盛、特製バーベキュー弁当のみほんが置かれていた。
こちらが特製バーベキュー弁当。
バーベキュー弁当大盛がこのサイズだ。
といっても分かりにくいが。
ここでは、普通サイズのバーベキュー弁当を購入!
ボリューミーな豚ロース、そして甘口のタレがご飯に染みる~!
これが、吟米亭浜屋の「バーベキュー弁当」!
木更津のバー弁とは、これのことだ。
大きく バーベキュー弁当 と書かれた包み紙が良い。
證誠寺は木更津駅から400メートルである、とのナイス情報もキャッチできる。
そしてフタを開けると…
バーン! という効果音が最も似合う弁当 of the yearだろう。
これぞ、バーベキュー弁当。
そこにあるのは豚ロース肉。
パッケージでたぬきが食べている串焼きでもないので、えっ? バーベキュー?という疑問も無いことはない。
噛み応えのある豚ロース肉に、やや甘めのタレがベストマッチ。
タレはご飯によく染みこんでおり、シンプルながらも無限に食べることができる。
よきバランスで成り立っている弁当だ。
このタレも、創業以来ずっと同じ味を貫いているのだという。
付け合わせはポテト。これもなかなか珍しい組み合わせかも知れない。
ステーキのガロニ的な発想だろうか。
このポテトがなかなかジューシーで美味しいのだ。
そして何より、ご飯が美味しい。
さすが、お米を扱っている泉屋が母体となっているだけある。
バーベキュー弁当は並サイズということもあって、あっという間に平らげた。
そのシンプルな構成は、お弁当というより、エネルギー源のような感覚に近い。
木更津の街がどれだけ変わろうと、ずっと愛され続けるバー弁。
これからも、いつまでも、木更津の味であり続けて欲しい。