チャー弁、それは木更津で愛される味
千葉県木更津市。
東京湾アクアラインで川崎と結ばれた街。
そんな木更津には、名物と言われる2つの弁当がある。
それは「バー弁」と「チャー弁」。
バー弁こと「バーベキュー弁当」は、「吟米亭浜屋」の名物弁当。
そしてチャー弁こと「チャーシュー弁当」は、ここ「としまや弁当」の名物弁当だ。
「としまや弁当」は、千葉県内で弁当屋と仕出し業務を行う、としまや商事が中心となって展開する弁当屋チェーン。
現在の最古店は、木更津にある新宿店だ。
カバのロゴマークと、としまやと書かれたファサード。
このレトロな建物が、としまや弁当 新宿店だ。
大きく「弁当」と書かれた看板が目立つ。
このカバは「みどりのカバ~♪」と歌う、としまや弁当のCMソングでも知られている。
彼に名前があるのかは不明だ。
弁当屋にしては大きく、ちょっとしたコンビニのような雰囲気だ。
驚くべきことに、24時間営業なのである。
新宿店とある。
お店の場所が木更津市の新宿というエリアにあるから新宿店なのだが、名前のせいでこれまで何度も東京の新宿と間違われてきたのではないだろうか。
オレンジ色のファサードを持つ、かわいい店舗だ。
店内はコンビニだが、弁当の種類が豊富!
としまや弁当は、1975年、千葉県で弁当と仕出しの店として創業したとしまや商事によって運営される弁当チェーン店だ。
創業1号店は市原市の五井にあったが、現在はすでに閉店。(としまや商事への取材に基づく)
2021年現在で最古の店舗は、1980年オープンの新宿店となる。
としまや弁当を運営しているのはとしまや商事だけではなく、エリアごとに運営会社が異なっている。
千葉から君津まではとしまや商事がメインだが、それ以南はとしまやフーズ、わたなべ食品、君津としまやといった別会社によって運営され、メニューや味付けも異なるのだという。
としまや商事を含め、全てのとしまや弁当の店舗数は、2021年5月現在、千葉県内に19店舗となっている。
店内の様子はまさにコンビニ。
ドリンクやお菓子などが揃えられている。
「誠実」と大きく書かれたレストランアートにも注目だ。
イートインコーナーも用意されている。
現在はコロナ禍により使用停止中だ。
安い価格帯の酒が「酒コーナー」としてワゴンセールされている。
としまや弁当のオリジナルタオルが販売されていたので、1枚購入した。
こちらは夕日に赤く輝く富士山のレストランアート。
元写真の解像度が異様に低いのか、輪郭のはっきりしないソフティな質感だ。
「少々お時間を頂きますが、暖かいお弁当をお作りいたします!!」
これこそ、弁当屋さんらしい特徴だろう。もちろんオーダーする。
弁当をオーダーするカウンターの様子。
オーダー用の弁当写真、作り置きの弁当、デザート、タバコなどが販売されている。
作り置きもたくさんの種類がラインナップ。
スパゲティやおにぎりなどもある。
オーダー弁当のラインナップ。
心躍るメニューだ。
ちなみに、としまや弁当にも「バーベキュー弁当」がある。
もちろんオーダーするのは「チャーシュー弁当」!
木更津名物のチャー弁を、としまや弁当の最古店でオーダーするのだ。
木更津、それは肉厚のチャーシューが全てを支配する世界
しばらくして手渡された、「チャーシュー弁当」!
箸袋はとしまや弁当のシグネチャーモデルだ。
ズッシリとくる重さと折り重なったチャーシューが、ただ者ではない迫力を漂わせている。
豚バラ肉をスライスして煮込まれたチャーシューだが、これほどの厚みのあるチャーシューが、一体何枚入ってるんだ?というくらい使われている。
おかずはチャーシューのみ。だってこれは、チャー弁だから。
としまや弁当の秘伝のタレが、ごはんに染みていく。
少し甘めの味付けだ。
ピンク色の漬物は、アクセントとして大変重要な存在である。
チャーシューを噛み進める。
脂肪分の甘みと、秘伝のタレの甘みが絡み合い、たまらない幸せがやってくる。
濃い目の味付けがされているので、ラーメン用のチャーシューとは全く別物だ。
そしてご飯を食べる。脂分の多い豚バラ肉なので、ご飯は待避用として機能する。
それから、またチャーシューを食べる。
その繰り返しだ。
見た目通り、なかなかのボリューム感のある弁当だが、ひたすらに食べるチャーシューは至福そのものだ。
ちなみに、チャーシューだけでは単調だと思う人向けに、「タル・チキ弁当」や、
「としまやゴージャス弁当」「としまやミックス弁当」などのバリエーションも用意されているので、是非とも試したいところである。
長きに渡って「バー弁」と共に木更津で愛される「チャー弁」。
まさにローカル弁当チェーンであり、その特徴あるメニュー構成は他にない個性を放っている。
木更津に行ったらバー弁かチャー弁。
是非とも味わってみてほしい。