新刊「ローカルカレーライスチェーン店のススメ」

チェーン店ツーリズムシリーズ第4弾「カレーライス」

本ブログ「本店の旅」発の自主出版部門「本店の旅 BOOKS」より、「チェーン店ツーリズムシリーズ」第4弾となる「ローカルカレーライスチェーン店のススメ」が8月16日刊行になります!

チェーン店ツーリズムシリーズは、ご当地チェーン店に行くことを旅の目的にする人のためのシリーズ。

食のカテゴリごとに、北海道から沖縄までのご当地チェーン店から全国チェーン店まで、そこにチェーン店があれば行く、本店や1号店がその店舗に行くという、まさに本店の旅を 書籍化したものです。

第4弾はカレーライスのチェーン店を探訪した1冊となりました。ずっと温めていたのですが、形にすることに多少の困難が伴うことは予想していました。それは…

広すぎる「カレー」の世界

その困難とは、「カレー」の世界がとてつもなく広いことにありました。

おなじみのカレーライスから、スパイスカレー、スープカレー、そしてインドカレーやスリランカカレー、タイカレー、もっとあるでしょう。ビリヤニだってカレーと言えます。カレーうどんにカレーパン、カレーラーメンまで含めるとキリがないです。

第1弾の「回転寿司」は飲食店の業態でしたが、「カレー」はレシピですらなく、なんというか「世界」であり「概念」なのです。
それはインドにおける料理は全てカレーであり、現地ではカレーという言葉すら使わない、みたいな。

日本ではどうでしょうか。
食べログで、トップページから「カレー」というキーワードで検索すると、その結果は約25,000件。
つまり25,000もの店舗で何らかのカレーが提供されていることになります。

カレーの概念としての広がりを感じる数字です。
でも、この中に「チェーン店」はどれくらいあるのでしょうか。

隣の人に、「カレーのチェーン店、どれだけ言える?」と聞いてみてください。

「ココイチでしょ、ゴーゴーカレーでしょ、他何かあったっけ?」という返答が一般的でしょうか。
私も何回もこの質問をしましたが、みんなそうでした。これは回答者が無知というわけではありません。
東京の都心だったらもう少し増えるかも知れませんが。

でも、これがラーメンだったらもっとたくさん言えるでしょう?
回転寿司でも、スシロー、くら寿司、かっぱ寿司、はま寿司の4つは言えると思いますが、なぜかカレーはなかなか言えません。

これは、カレーのチェーン店は1,200店舗以上ある「CoCo壱番屋」の1強で、2位以下は全て100店舗以下という構図になっていることに起因します。

そして食べログの25,000店舗のうちカレーの専門店がどれくらいあるか分かりませんが、仮に10,000店舗のカレー専門店があったとしても、その大部分は個人店か、数店舗だけの小規模チェーン店であることが想像できると思います。

まさにカレーの小宇宙。私はどこかで線引きをする必要性を感じました。

「カレーライス」のチェーン店に限定する

もうひとつ、「インネパ」カレー店が多すぎるというのがあります。

食べログで「カレー」で検索して出てくるお店を見てみると、出るわ出るわのインドカレー、ネパールカレー店。

今、日本には約5,000ものインネパカレー店があるそうです。
それらの中で屋号が増えては減って、暖簾分けして…みたいな細胞分裂が起き続けています。なんせ、2025年時点で日本に35万人ものネパール人がいるのです。うちの近所のインネパ店も、5年間の間に3度も屋号が変わりました。

インネパの中にも「数店舗だけのチェーン店」だったら無数にあるでしょうが、それを拾うのは色々な意味で無理がありそうで。
なのでカレーという概念から、レシピである「カレーライス」に絞りました。

カレーライス、つまりカレーとライスの組み合わせが基本になった食べ物として考えると、「スープカレー」「スパイスカレー」などのカレーソースに小麦粉を使わないタイプのカレーも範疇に入ります。

その線で3店舗以上の店舗数を持つチェーン店を探し出してみたところ、今度は少ない!(あくまでも本に載せる前提で)
やはりカレーライス専門のチェーン店となると、CoCo壱番屋以外はかなり市場が小さいのです。
それは、カレーライスというものは単なるレシピであり、どんなお店でも提供できるものだからでしょうか。

そこで、「カレーライスも提供するチェーン店」を対象に含め、ある程度ディレクションをした上で掲載することにしました。
よって本書は「カレーライス専門チェーン店」と「カレーライスも提供するチェーン店」の合体となります。

「カレーライスも提供するチェーン店」のカレーの面白さに気付く

「カレーライスも提供するチェーン店」を深掘りすると、レストランや洋食屋だけでなく、とんかつ屋そば屋うどん屋牛丼屋などが該当します。

日本人は日本人のためにカレーライスを作り、既存の素材と組み合わせるといったアレンジをして、今のカレーライスがあるのです。
だから、カレーライス専門店には出せない何かが、「カレーライスも提供するチェーン店」にはあったりします。

むしろ、メインメニューじゃないから少し肩の力が抜けているというか、「カレーはちょっと実験してやろう」という色気を感じるのが、「カレーライスも提供するチェーン店」のカレーの面白さなのです。

例えばこの、富士そばの「カレーかつ丼」。
その名の通り、かつ丼にカレーをかけた独特のメニューですが、カレーがメインじゃないという遊び心があるから作れるのだと思います。
これに社運を賭けるみたいな状況だと多分無理でしょう。

チェーン店の文化としてとても面白いと思います。
カレーライスというのはレシピであっても、上述の通り、カレーというのは概念。隙間があればどこにでも入り込むものです。
方針が決まった私は、全国にカレーライスの旅に出ました。

日本のカレーライス密集都市

ブランドのリストアップと1号店・本店の情報確認などを行ったら、次に旅程を組みます。
過去に訪問したお店でも、その時撮った写真の品質が今求めているものに到達していなかったり、どんな味だったかを忘れていることも多いので、再訪することがほとんどです。

リストから見えてきたのは、札幌・東京・金沢・大阪の4都市がカレーシティだということです。
それぞれの都市に特色があります。

札幌

中でも札幌の、質・量ともに充実したカレー文化の凄さには感動しました。

札幌といえばスープカレーですが、スープカレーのお店だけでも札幌市内に200店舗ほどあると言われ、その中はチェーン店がたくさんある世界なのです。

「これ全部巡るのか!」私は震えました。

スープカレーはボリューミーなものも多く、食べられて1日2食。
でも巡りたい店は10以上。毎日スープカレーだけを食べ続けて、5泊以上しないと訪問リストの消化ができません。
3度に分けて札幌を往復し、スープカレーのチェーン店を全て行きました。(多分)
そして札幌にはカレーライスも素敵なお店がありました。

東京

次に、東京はやはり数多のカレーライス店を生んだ場所ですが、神田カレーグランプリが行われる神田・神保町エリアは、小規模チェーン店がたくさん生まれている創業地、聖地なのです。

文化を生み出し、競争が発生して強くなり、ファンができて広がっていく。
東京のダイナミズムがそこにありました。

金沢

そしてやはり、金沢です。
金沢カレーと呼ばれるあのカレーライスチェーン店群を巡りました。

これもまたドカッと重さのあるカレーライスなので、1日2食でも結構キツいのですが。
スケジュールを工夫して、無理せず美味しく探訪できました。もちろん泊まり込みです。

ちなみにウォーキングと温泉をじっくり行う、美術館・図書館巡りといったことを挟むことで、人間らしい営みをキープしています。

大阪

大阪は2つのカレー世界があります。
甘辛の「大阪カレー」と、「スパイスカレー」の世界。

私は大阪カレーが好きで、もう何度、阪急三番街のインデアンに通ったか分かりません。
大阪を象徴するカレーライスだと思います。

そしてもう一つは「スパイスカレー」。

正直、スパイスカレーにチェーン店というイメージはありません。
現在、10店舗以上あるスパイスカレー専門のチェーン店は存在しないでしょう。
工場でルーを作って運んで現場で簡単調理というものではなく、もっと繊細で、属人性の高い食べ物だと思います。
それでも3店舗以上チェーン展開をしているスパイスカレーはあるのです。それだけで凄いことだと思います。

その他、日本中のカレーライス専門店や、カレーを提供するチェーン店を探訪しました。

仙台の牛タン専門店の出す牛タンカレーなんかは、特に面白いと思いました。

そんな感じで、半年近くかけて全国のカレーライスを食べました。

探訪したお店のリストはこんな感じです。

全部で115店舗。本シリーズの掲載店舗数としては過去最高となりました。

「えっ、ここチェーン店だったの?」という意外性もあると思います。
そして「あそこ、入ってないけど?」もあると思います。それはご容赦くださいませ…(完璧は無理)

そうして完成し、ただいま印刷所から届けられるのを待っているところです。

8月16日 コミックマーケットで手に取ってください!

新作「ローカルカレーライスチェーン店のススメ」
B5版 / 140ページ / オールカラー

2026年8月16日 コミックマーケット108 2日目 南1 r-33b 「本店の旅」にて頒布します。
頒布価格は2,000円。是非、手に取ってください。

8月15日 大崎駅でのおもしろ同人誌バザール大崎にも参加します。
こちらは少量しか用意できませんが、こちらもご利用ください。

なお、シリーズ過去作の「回転寿司」「うどん」「そば」も全て揃っています。

通販の予約受付を開始しました。リンクはこちらです。どうぞご利用ください。

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