いきなりですが、店名、読めますか?
沖縄を代表するご当地グルメといえば、「沖縄そば」や「ソーキそば」。
初めてソーキそばを作り、提供した店が沖縄・名護にある「我部祖河食堂」である。
沖縄返還前にオープンした老舗の食堂
我部祖河食堂(がぶそかしょくどう)は1966年にこの地で創業した。まだ沖縄返還前である。
2018年1月現在、沖縄県内に8店舗を展開している沖縄そばのチェーン店だ。
その本店は名護市にある。
沖縄県内には沖縄そばを提供する店は数あれど、チェーン展開している所は少ない。
ここ我部祖河食堂はチェーン展開をしており、そしてこの本店は「ソーキそば」というレシピそのものを創り出した店だ。
敷地内にはそばの製麺所もある。
沖縄そばの歴史は古く、約500年前に中国から伝わった物がルーツで、琉球王朝にて宮廷料理だったと言われている。
沖縄そばはそば粉を使ういわゆる「蕎麦」とは違い、小麦粉から作るこの麺は、うどんに近いようなものだ。
沖縄そばの代表的なレシピとして、豚のバラ肉をトッピングした「三枚肉そば」、豚のあばら骨をトッピングした「ソーキそば」があるが、そのソーキそばの歴史はこの店の歴史そのものである。
我部祖河というのは創業の地であり名護市の地名で、当時鮮魚・精肉・雑貨を営む店だった。精肉で余ってしまった豚のあばら骨(ソーキ)を沖縄そばにトッピングした所大流行したことから「ソーキそば」と名付け、地名を店名にし、「我部祖河食堂」としてスタートしたのだという。
何十年もの歴史を感じる店内の雰囲気
本店の店内は広く、そして歴史を感じる雰囲気である。
入り口カウンターの上には各店舗の写真や、創業者である金城源治氏の写真なども飾られている。
日ハムファイターズのキャンプ地から近かったのか、多くの選手が来ていたようだ。
小学生の自由研究だろうか、沖縄そばの歴史を調べたものがある。
ソーキそばのひとりごとを読んで予習しておこう。
壁に掛けられたメニューはこのようなものだ。サイズは「特」「大」「小」から選べる。
こちらがメニュー表。「大」は「M」サイズであり、普通のサイズとなる。
「みそ汁」がいわゆるみそ汁とは全く別物であることも注意したい。
ここでは「元祖・ソーキそば」の「大」をオーダーした。
まさにこれである。
メニューの裏にもあるソーキそばのひとりごとを再度読み、復習する。
テーブルの上にはもちろん「こーれーぐーす」(島唐辛子入りの泡盛)が常備されている。
これぞ、沖縄そば!!
そして運ばれてきた「元祖・ソーキそば」!
ソーキのボリュームが凄く、まさに山のように積まれている。
うどんのような見た目の麺だが、食感は全く違い、弾力性の無いコシのある麺だ。
骨まで全て食べられるソーキと、つゆを絡めて食べるそばの組み合わせがとてつもなく深く、50年の歴史を感じさせる。
そしてこーれーぐーすを数滴垂らすだけで、一気に味が変わるのも沖縄そばの醍醐味だ。
今ではどの沖縄そばの店にもあるソーキそば。それはこの店から始まったものであり、ここは今でも当時の味を現在に伝える貴重な本店である。