広島で鮮魚店が運営するグルメ回転寿司
南は瀬戸内海に面し、北は中国山地に県境を持つ広島のローカル回転寿司と聞くと、瀬戸内海にある漁港近くのお店かな？と想像するが、なんと山の方にルーツを持つお店がここ「すし辰」。
本店は広島市安佐南区にある「緑井本店」だ。
可部線緑井駅から徒歩10分。国道54号線沿いに立地する、すし辰 緑井本店。
「すし辰 本店」と大きく書かれた看板が、本店の存在感をアピールしている。
外にあるレストランアート。
それは、百も承知！！
しかし、一番大事なのはお客様に喜ばれたいという「心根」
昭和の板前っぽいおやじがそう言うのなら…！
「本日の花板 土井大志」とのこと。
順番に回ってくるのだろうか。
ただいま九州特産物フェアが開催中だ。明太手巻きまであるとは！
それでは入店してみよう。
広島生まれ、広島育ちは。山から海を目指した店
すし辰の歴史は長い。
創業は1949年、庄原市にて、創業者である故・西田昌男氏が始めた「西田鮮魚店」がそのルーツだ。瀬戸内海からも日本海からもそれぞれ100キロも離れた中国山中で始めた鮮魚店である。
やがてスーパーへの出店などを経て、県北の三次に回転寿司の「すし家族」を出店。これが現在へ直接繋がる流れとなる。
すし辰は回転寿司ブームに乗って南の広島市の方面へと店舗数を増やしていく。
現社長である西田昌史氏は、ファミリー向けの低価格回転寿司から、鮮魚店ならではのグルメ回転寿司に転換する道を探り、1999年に満を持した新ブランド「すし鮮 西条店」を東広島市にオープンさせる。
「すし鮮 西条店」は行列のできる人気店となり、その後は理想をさらに追求したブランドとして2000年に「すし辰」ブランド1号店である「すし辰 可部店」を、そして2003年には満を持して「すし辰 緑井本店」がオープン。
ここが本店と名乗っているのは、「すし鮮」「すし辰」の旗艦店であるという意識で運営されているからだとか。
2022年1月現在では、広島県内で「すし辰」5店舗・「すし鮮」2店舗の7店舗で運営されている。
店内には多くのカウンター席と、テーブル席が用意されている。
推しネタの数々。
「ばってらにこだわり続けて三十年」
すし辰はばってらを推す回転寿司だ。
是非食べてみたい。
すし辰オリジナル湯飲みデザイン。
箸袋はすし辰のシグネチャーモデルだ。
店内にある「心・技・体」と書かれた額が、どこか武道の道場のような雰囲気を醸し出す。
醤油には関東風辛口の「東の醤」、関西風甘口の「西の醤」の2種類が用意されている。
本日の推しメニュー表。
九州フェアということで九州のネタが多くラインナップしている。
注文はタッチパネルから行う。
1ページ目は、ばってらからスタート！
タッチパネルでいきなりばってらから始まる回転寿司は、ここくらいではないだろうか。
「肉厚ばってら」「炙りばってら」の2種類と、持ち帰り用のばってら1本がラインナップしている。
次のページは瀬戸内の真鯛特集！
なかなかマグロが出てこない、これぞローカル回転寿司チェーンの醍醐味だ。
マグロのラインナップ。
こちらはアトランティックサーモンのバリエーションいろいろ。
一品料理で面白いのは「小ふぐの唐揚げ」推しであること。
これも他店ではなかなか見ないものだ。
肉厚のばってらを食べると、幸せが音を立てる
早速食べてみよう。
ばってらにこだわり続けて三十年と言われれば、これを食べずに帰るわけにはいかない。
「肉厚ばってら」
いきなりノックアウトされた。
ばってらとは、酢で〆た鯖を酢飯に載せ、甘酢で煮た昆布を載せて型抜きする押し寿司。大阪のイメージが強いが、西日本では幅広く愛されている。
まず、鯖が肉厚で、脂身も多く、なんとも芳醇な味わい。
そのコッテリさを打ち消すのは、酢〆と酢飯に使っているオリジナルブレンドの酢。
この味は絶妙の一言で、まさに「匠の技」を感じる逸品だ。
「活〆真鯛」
シャキシャキとややハードめの肉厚な食感は、さすが活〆といったところだ。
「生サバ香味醤油握り」
鯖は臭みがあるので、なかなか生のまま食べる機会は無いのだが、臭みの少ない生育環境で育ち、うまく味付けをされた寿司は、とてもレアだ。
これはさきほどのばってらと同様、脂が乗った柔らかい鯖で、ほんのり醤油と胡麻とで味付けがなされており、そのまま食べるのが最高だ。
「炙りスーパーサーモン」
これはなかなかのインパクト！
炙ったアトランティックサーモンの上に玉ねぎが載せられ、そこにマヨネーズがかけられ、その上から再度炙られているもの。
肉厚のサーモンと大きめの玉ねぎがたまらない味わいだ。
広島ローカルにチェーン展開するグルメ回転寿司「すし辰」の緑井本店。
中国山中の鮮魚店をルーツに持ち、「すし家族」で回転寿司事業を始め、今ではばってらを始めとした数々の高品位なネタが楽しめるグルメ回転寿司。
広島ローカルの回転寿司を楽しみたければ、是非「すし辰」をおすすめする。