気仙沼で創業したこだわりのカフェ
宮城県・気仙沼市を発祥とするカフェチェーン「アンカーコーヒー」。
2017年3月現在、宮城県内に8店舗、岩手県内に1店舗、東京都内に1店舗展開している。
その本店は、宮城県・気仙沼市にある。
アンカーコーヒーの歴史
アンカーコーヒーは2005年に創業したカフェチェーンである。
その創業は、運営会社である株式会社オノデラコーポレーションの専務小野寺靖忠氏がアメリカの大学を出てヨーロッパでの生活も経験し、その後故郷の気仙沼に帰った時、コーヒーが当たり前にあった欧米とは全く違い、気仙沼にはエスプレッソを出す店が無かったことから、2005年にアンカーコーヒーの1号店として、「フルセイルコーヒー 北古川店」をオープンさせたのが始まりである。
アンカーコーヒーは、地元気仙沼の店舗は「アンカーコーヒー」と名乗り、その他の地域の店舗は「フルセイルコーヒー」もしくは「マザーポートコーヒー」と名乗っている。
アンカーとは船の錨という意味で、「この気仙沼市に根付き、この地に錨をおろす」の思いから、気仙沼では「アンカーコーヒー」と名乗り、その他の地域では「船を出し、航海(セイリング)する」ということから「フルセイルコーヒー」という名前なのだとか。
震災にも負けず、復興への街の希望として
2011年3月11日に発生した震災で、アンカーコーヒーは大きな被害を被ってしまう。
しかし小野寺氏は、「被災地応援ファンド」を通じて、2011年12月に「アンカーコーヒー&バル田中前店」を仮設飲食店街「福幸小町」にオープン。
仮設店舗でのアンカーコーヒーの復活は、震災の混乱の中で、人々に安らぎと希望を与えただろう。
ゆったりとした空間を持つ本店「マザーポート店」
そして2015年3月、気仙沼市舘山に本店としてこの「マザーポート店」が満を持してオープンした。
アンカーコーヒー マザーポート店は広く、おしゃれでかつのんびりした雰囲気を持つ店舗である。
窓からの景色も牧歌的で、とてもくつろげそうだ。
コーヒーへのこだわりを感じる空間。
厨房のエスプレッソマシン。
販売コーナーが大充実
販売コーナーも充実している。
コーヒー豆の展示。香りを確かめることが出来る。
アンカーコーヒー オリジナルドーナツ。
震災後のアンカーコーヒー&バル田中前店では、ドーナツが大人気になったのだという。
コーヒー豆の販売も行っている。
陸前高田にある八木澤商店の醤油「奇跡の醤」も売られている。
アンカーコーヒー マザーポート店のメニュー。
レギュラーメニューの他、スペシャルメニューも用意され、フードも充実している。
物語を感じられるような1杯のコーヒー
アンカーコーヒー マザーポート店の「本日のドリップコーヒー マザーポートブレンド」。
苦みの中にほんの少しだけ甘みがある、ほっとするテイスト。この広々としたマザーポート店でゆっくりと味わい、くつろぐことが出来た。
震災からの復興はまだまだ進んでいないが、2015年にオープンしたばかりのアンカーコーヒー本店のマザーポート店は、復興する気仙沼の風景の一つになって溶け込んでいた。