仙台の牛タンはここで発祥した!
仙台はいつ頃から牛タンの街になったのだろうか?
そんなことを考えて一番町を歩いていたが、その答えはこの店にあった。
仙台における牛タン発祥の店、「味太助」の本店である。
仙台の牛タンを最初に提供したのは、「味太助」の創業者である故・佐野啓四郎氏だ。
味太助、その歴史
佐藤氏は、1935年頃に東京で料理修行をしていた時、フランス人のシェフからシチューなどに使う牛タンの味を教わり、その味の奥深さに惚れ、日本人好みの味にすべく試行錯誤した。
そして1948年、焼き鳥店「太助」の店主であった佐藤氏が仙台市内にて牛タン焼きの専門店を創業したことが、仙台における牛タン料理のルーツとなっている。
現在、のれん分けした分店が仙台に数店舗、北海道や東京も含め、2017年3月現在8店舗存在する。それらは「牛タンの笑や」「元太」「旨味太助」「山梨」「一隆」とそれぞれ名前が異なる。
至近距離に「旨味太助」があり、こちらの「味太助」と同様に人気店となっている。
年月を感じさせるレトロな空間
味太助の店内はカウンター数席と座敷数席の小料理屋然とした空間である。
味太助のメニュー。専門店らしく、牛タンしか無いシンプルなものだ。
昔ながらの方法で焼かれる牛タン。初代・佐野啓四郎氏の時代から70年、守り通してるのだという。
牛タン、シンプルそのもの
味太助 本店の「牛タン 一人前」(3枚)。
食べやすいサイズに切られたりしておらず、そのままの牛タンが、塩味ベースのシンプルな味付けで提供される大変プリミティブなものだ。
その噛み応えと、どんどん染み出てくる旨み成分が、牛タンというものの奥の深さと、味太助という店が長年培った歴史を感じさせる。
今や牛タンを提供する店は仙台市内に数多くあるが、そのルーツである「味太助」は70年の歴史を刻み、今もなお牛タンを焼き続けていた。