ものすごい立地に度肝を抜かれる
静岡県中東部の主にロードサイドに立地するそばチェーン「スマル亭」。
その1号店は、静岡市清水区由比にあり、店名そのものが「1号店」だ。
スマル亭は、望月食品工業株式会社により1985年に作られたそば屋のチェーンである。
2020年11月現在、静岡県内のみで8店舗を展開している。
そのうち「2号店」は、駿河湾からの大波浪による店舗破壊にて休業中なので、現在7店舗が営業中となる。
ここ1号店は、とにかくその立地条件に驚かされる。
富士由比バイパスに面しており、車とトラックが凄いスピードで走りまくるバイパスにギリギリまで面しているのだ。
そして店の裏側はJR東海道線が走っており、電車が常時駆け抜ける。
以前は線路の所まで海だったのだろう。古い堤防が残されている。
さらに富士由比バイパスの向こう側には東名高速が走っているため、海沿いなのに海は全く見えず、ひたすら車と電車に囲まれた狭小な土地への立地なのである。
ここ、徒歩で行くにはどうしたら良いのだろうか?
そして富士由比バイパスの上り方面にあるため、下り方面からは入店出来ない。下り方面から入店する場合は、少し先の由比港漁協直売所の交差点まで行き、Uターンするしかない。
昼・夜かまわずもの凄い交通量のバイパスに面している。
こじんまりとした店内に、どこかホッとする
そんな少し特殊な立地にあるそば屋、スマル亭の1号店に入店してみた。
ちなみに以前は24時間営業だったが、現在は深夜営業は行っていない。
この小さな建物の中は簡素で、レトロな雰囲気だ。赤いテーブルが可愛い。
テラスのようになっている部分に趣がある。
とにかく横を車がビュンビュン走り抜けるのだ。
注文は食券制で
注文は食券を買うシステムだ。
先にうどんかそばを選んでから、下のバリエーションのメニューを選ぶという方式である。
由比と言えば駿河湾の桜えび。
ここは「桜えび天」をオーダー!
推しメニューがグラフィカルに掲示されている。
「モツスープチキンカレー」とか気になるし、いつか「天ぷら2枚」も食べてみたい。
サクサクの桜えびと、風味豊かなそばで暖まる
しばらくして出来上がった「桜えび天」!
おおっ……この桜えびの風味と、かき揚げのサクサク感!
これぞ駿河湾と言いたくなる、そんな天ぷらだ。
以前からは明らかにパワーアップして、どこか高級感すら漂っている!!
そばの風味もそることながら、おつゆの出汁がよく効いていて美味しい。
少し甘口で優しい感じのおつゆがスッと入ってくる。
そして相変わらず車はビュンビュンとばしていく。
そんなスマル亭、1号店。
数々のチェーン店1号店や本店に行った中で、いくつかエクストリームな立地の店舗があったが、ここは間違いなくそのうちの一つに入るだろう。
前の道を車、すぐ後ろを電車という落ち着かない立地で食べるそば。
このせわしない感じが、何故か不思議とそばの味をぐっと美味しくしてくれている気がする。
それがスマル亭1号店の魅力だ。
前回行った2017年の時は15店舗あったが、現在は7店舗にまで半減しているのが寂しい。
しかしこの味、この場所は、唯一無二の物としてこれからも残して欲しいと切に願う。