「しぞーかおでん」に「たぬきむすび」と言えば
ローカルフードが多様な静岡において、おでんとおむすびを中心としたラインナップのローカルチェーン店がある。それが、「天神屋」。
本店や1号店は無いが、本社があり、もっとも広い売り場面積を持つ本店のような扱いの店舗が「曲金店」だ。
東静岡駅ほど近くの、東幹線と子鹿通りの交差点にある天神屋が、曲金店だ。
入口脇にはしぞーかおでんの幕が設置されている。
それでは入店してみよう。
ルーツは江戸時代に始まった雛人形屋
天神屋の創業は、1954年に静岡市葵区伝馬町から始まる。当初から、おでんやおむすびをメインとした惣菜店として運営されていた。
惣菜店になる前の天神屋は、雛人形屋として、江戸時代から静岡の伝馬町で営業されていた。
天神屋という屋号は、学問の神様である菅原道真公を「天神様」としたことから名付けられたという。
歴史ある屋号をそのまま引き継いで、1954年、創業者である望月哲夫氏によって今の天神屋が創業された。
1984年、和風レストラン曲金本店がオープンすると同時に、本社が曲金本店ビルに移転する。
それがこの、曲金店だ。
2012年には新東名自動車道のEXPASAに8店舗出店される。新東名を走った人で、おでんやおむすびを買った経験のある人も多いだろう。
そんな天神屋は、2022年3月現在、静岡県内を中心に28店舗で運営されている。
曲金店の店内は広く、おむすび、惣菜、お弁当、おでん、パン(なんと自家製)、飲料から、漬物や調味料などちょっとしたスーパーのような品揃えとなっている。
お弁当コーナー。
リーズナブルでボリューミーな弁当の数々が並ぶ。
こちらはどんぶり系。
ひたすらボリュームを追求したようなアイテムも。
カニ寿司なんてのもある。
一品のおかず類も充実している。
おむすびとしぞーかおでんを買わずに帰れない
せっかく天神屋に来たのなら是非買いたい定番商品はこれ。
おむすびコーナー!
これが、ただのおむすびではない。
「たぬきむすび」
天神屋の創業以来、定番のおむすびがこれ。
なんでも創業時、まかないとしてふるまわれていた「たぬきごはん」をおむすびにして商品にしたのが、たぬきむすびだという。
醤油で味付けされた揚げ玉と刻みネギが絶妙な味わいだ。
「コーンポタージュむすび」
コーンポタージュがおむすびになること自体が驚きだが、コーンの甘みと、つぶつぶのコーンがご飯と混ざり合って、たまらない味覚が楽しめる。
「餃子むすび」
名前のまま! 焼餃子がおむすびの中に大胆にインストールされたもので、肉々しい餃子の旨味が味わえる。
ちなみに期間限定復刻とのこと。
なお「たぬきむすびの素」もあるので、自宅でたぬきむすびを作ることもできる。
とん汁なんかもある。
そして、静岡おでんことしぞーかおでんのコーナー!
自分で容器に入れるセルフスタイルだ。
人気トップ5、1位は「大根」、2位は「たまご」、3位は「もつ串」、4位は「黒はんぺん」、5位は「富士の白雪」とのこと。
そんな天神屋のしぞーかおでんは、こんな様子。
牛すじや鶏肉を出汁にして、味付けに濃口醤油を使っていることから、真っ黒なつゆが特徴だ。
真っ黒!
甘味噌や青のりを少し使って食べるのも、静岡おでんの特徴だ。
静岡に根付く、天神屋。
おむすびやおでんなどの手軽に味わえるものからガッツリ飯まで、住民の食生活を広くカバーする天神屋のような存在こそ、ソウルフードに違いない。