日本のローカルハンバーグの真打ち、静岡の「さわやか」
静岡にあり、静岡にしかない食べ物のうちのひとつに、「さわやか」のハンバーグがある。
今や首都圏から高速道路を使ってでもさわやかのハンバーグを食べに行きたいという人が多いほど、静岡のローカルハンバーグとして確固たる地位を築いている。
「炭焼きレストラン さわやか」の1号店は、静岡県の菊川市にある「菊川本店」だ。
東名菊川インターを降りてすぐの所、県道37号線沿いに現れるさわやかこそが、菊川本店だ。
さわやかは1977年、静岡県菊川市に「コーヒーショップさわやか 菊川本店」として、オープンしたのがその始まりだ。
その名の通り喫茶店としてのスタートであったが、当初から「牛肉100%炭焼きハンバーグ」が提供されていた。
このハンバーグが美味しいと評判を呼び、1989年には「炭焼きレストランさわやか」に店名変更。
ハンバーグをメインに据えたメニュー構成もこの時からである。
この菊川本店は、2006年に移転・新築されたもので、建物自体は新しい。
静岡から出ないのは、味へのこだわりのため
お手拭きはさわやかのシグネチャーモデルだ。
2019年8月現在、さわやかは、静岡県下でのみ32店舗を展開している。
なぜ静岡県内限定なのか?という理由には、わやか独自のこだわりがある。
袋井市にある本社工場で加工された肉の原料は、フレッシュさを保つために、消費するまでのタイムリミットを独自に設定している。それが、静岡県内での移動距離がギリギリだから、というものである。
あの肉の味を出すには、加工してから消費するまで厳格な保存と時間管理が必要ということだ。
つまり、さわやかのハンバーグを食べようと思ったら、静岡県に行くしかないのである。
さわやかのハンバーグの中身はレアで、そこから溢れ出す肉汁が絶品だ。
菊川本店の店内の様子。
木のぬくもりを感じさせる素朴な内装だ。
「GENKOTSU」
こんな巨大なオブジェがげんこつハンバーグ気分を盛り上げる。
目の前でフィニッシュされるげんこつハンバーグ!
メニューの一番上は、もちろん、げんこつハンバーグだ。
運ばれてきたげんこつハンバーグ。
最初はソフトボールくらいの大きさの塊を、その場で二つに切ってもらう。
次に断面を鉄板に押さえつけてもらう。その時、ハンバーグの断末魔の叫びのような、猛烈にジューシーな音がするのだが、この音に食欲を刺激されない者はいない。
中がレアで、肉汁がたっぷり出てくる。
熱いうちに一気に食べるのがおすすめである。
工場からは静岡県内の店舗までしか運べない。そして目の前で店員さんが焼いてくれ、焼かれたらすぐに食べる。
この一連の流れこそがさわやかのこだわりであり、ハンバーグはスピード命なのだと教えてくれる。
このグローバルな時代においても、哲学をもってローカルチェーンとして展開し続ける「さわやか」。
静岡のソウルフードと言われてることも深く頷ける。