A&Wレストラン 日本1号店 屋宜原店

エンダ~~~!!

沖縄ローカルチェーン店として、一番最初に思いつくのはここ、エンダーこと「A&W」(エイアンドダブリュ)だろう。
その日本1号店は、沖縄の北中城(きたなかぐすく)にある屋宜原(やぎばる)店である。

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アメリカから来たA&W

A&Wは、元々はアメリカのカリフォルニア州のロディにて、1919年に創業したルートビアのスタンドである。
そのA&Wという名前は、ロイ・アレン(Roy Allen)とフランク・ライト(Frank Wright)の名字の頭文字であり、アレン&ライトの略称だ。

やがてA&Wはアメリカで人気のハンバーガーレストランとなり、今では世界10カ国に1200店舗を構えるグローバルなファストフード店として展開されている。

日本では沖縄がまだアメリカ統治下の時代だった1963年に、この日本1号店である屋宜原店がオープンした。

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日本初のファストフード店は、1971年に銀座三越にオープンしたマクドナルドよりも先にオープンしたここ、A&W屋宜原店だと言える。

アメリカンスタイルなドライブイン

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ここA&W屋宜原店の特徴は、なんと言ってもこのアメリカンスタイルのドライブインである。

一般的なドライブスルーとは違い、車をパーキングに停めると、各パーキングごとにインターホンがあり、そこで注文する。すると店員さんが車まで商品を持ってきてくれる。
そして食べるのは車の中、である。

このスタイルは50年代・60年代のアメリカで流行したもので、車に乗ったまま映画を見るドライブインシアターの感覚に近い。

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パーキングのメニュー表はこんな感じだ。下部にある箱がインターホンであり、ボタンとスピーカーとマイクが付いている。

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このインターホンがだいぶ年季の入った感じのサビサビな機械で、果たしてちゃんと動作するのか心配になるが、現役なのである。
実際故障したままで注文できない場所もあったりした。

このインターホンごしに注文するという行為だけで、60年代のアメリカにタイムスリップしたような錯覚を覚えるだろう。

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店舗の壁にはヒストリカルな写真が飾られている。

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沖縄におけるA&Wはここ屋宜原店1号店とし、牧港に2号店をオープンした。

そして1970年代に入り、大阪万博での日本における外食文化のビッグバンを経て、マクドナルドロッテリアなどのファストフードが爆発的に受け入れられる時代となり、A&Wも全国展開を試みる。
当時、神戸・大阪・東京と店舗をオープンさせ、そしてフランチャイズの1号店として兵庫の明石店までオープンさせている。

しかしながらその後のオイルショックなどで経営が行き詰まり、本国A&Wインターナショナルは日本におけるA&Wフランチャイズの契約を終了し、本州での展開を全て終了させた。

経営母体は次々と変化し、シンエーフーズ社、A&Wジャパン社、テラシスインターナショナル社と変化するが、店舗の急激な拡大戦略は上手くいかず、現在はA&W沖縄(株)による沖縄のローカルでの展開となっている。

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2018年1月現在、石垣島と宮古島を合わせて、沖縄県内で30店舗を展開している。
那覇空港店で食べたことのある人も多いだろう。

店内もオールドアメリカンな雰囲気

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屋宜原店の店内の様子。窓が大きく、広々としたフロアだ。そしてどこかオールドアメリカンの雰囲気が漂う。

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カウンターの様子。木のウッディな雰囲気がレトロかつ上品だ。
A&Wはオリジナルグッズも充実しており、カウンターの横で販売されている。

A&Wといえば「ルートビア」!おかわり無料!

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メニュー。「The A&Wバーガー」というフラッグシップなハンバーガーを筆頭に、なかなかにボリューミーなラインナップが食欲をそそる。
そして何よりドリンクの「ルートビア」の存在こそがA&W最大の特徴だ。
これはビアと言ってもビールではなく、ドクターペッパーに近いような味のもので、店内では何とおかわり無料となっている。

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これがルートビア。ジョッキで出されるので、初めて見た人はびっくりするだろう。まさに「ビア」たる所以である。
ジョッキもチンチンに冷えており、とにかく気持ち良い。
ドクターペッパーが苦手な人はそれ同様に苦手かも知れないが、好きな人はどこまででも飲める、そんな味だ。

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A&Wオリジナルストロー。
ルートビアはジョッキでグイグイ飲むのもアリだし、ストローで飲むのもアリだ。

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オーダーしたのは「ビッガーチーズバーガー」「カーリーフライ」だ。

あっさりしていてボリューミーなバーガー

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これが「ビッガーチーズバーガー」
バンズが柔らかく、そしてボリューミーなパテ。さらに大きなトマトが印象的な見た目だが、味はあっさりとしており、全然しつこくない所が特徴である。
いわゆるファストフードのハンバーガーよりも2ランクは手作り感があり、味に深みがある。

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そしてこちらが「カーリーフライ」。フレンチフライのポテトなのだが、普通のストレートなポテトとは別に、このようにくるくるとカールしたポテトがラインナップされている。
この形状も面白いが味付けも独特で、コンソメ味な所がポイントだ。

このあっさりかつボリューミーなハンバーガーと、コンソメ味のカーリーフライを食べつつ、ルートビアで流し込む。
これがまさにA&Wの味であり、醍醐味であると言える。

アメリカ統治時代に沖縄にオープンしてから、50年以上の歴史を刻むA&W。
沖縄ローカルといえど、今では沖縄のグルメとして沖縄そばやタコライスと共に確固たる地位を築いており、これを食べるために、ルートビアをジョッキで飲むために、沖縄を訪れる人もいるだろう。

これからも沖縄を代表するファストフードとして、そして古きアメリカの空気を今に伝える店として、この1号店である屋宜原店は愛されて欲しいと願うばかりである。

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入り口ドアの横には、美味しかったらこの鐘を鳴らしてくれ、という鐘が置かれている。

あの鐘を鳴らすのはあなたである。

A&Wレストラン 日本1号店 屋宜原店の地図


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