名古屋のソウルフード代表格
愛知県を中心に東海地方と近畿地方にて展開する低価格なラーメンと甘味のチェーン店「スガキヤ」。
2018年5月現在、現存する最古店は1973年オープンの「イオン上飯田店」である。
※閉店しました。
こちらが「イオン上飯田店」。元は「ダイエー上飯田店」である。
愛知県名古屋市北区にある。
ここの1階にあるフードコートに、スガキヤ上飯田店が入居している。
元々はダイエーということで、当初はスガキヤダイエー上飯田店であった。
スガキヤのルーツはスイーツから始まった
スガキヤの歴史は長い。
そのルーツは、創業者である菅木清一氏が、弟である菅木周一氏と義兄である森本弘次氏と共に、1946年に名古屋の栄で創業した甘味の店「甘党の店」をルーツとする。
1948年にはラーメンも提供するようになり、店名を創業者の「菅木」から取って「寿がきや」に改めた。
1958年には株式会社化し、現在の運営会社であるスガキコシステムズ株式会社が誕生。また同年には、現在でもマスコットキャラクターとなっている「スーちゃん」も登場した。
そして1969年にはチェーン展開の1店舗目として、ショッピングセンターであるユニー大曽根店内に1号店をオープン。
東海地区・近畿地区・北陸地区を中心に店舗数を増やし、2016年3月末では361店舗を数えるまでとなった。
1号店があったユニー大曽根の閉店に伴い、2010年にて1号店は閉店。
2018年現在、最古のスガキヤは1973年オープンのここ「イオン上飯田店」とのことだ。(ただし、現在は創業時のフロアにあるわけではない)
ちなみに、ユニー(ピアゴ)大曽根店の跡地に出来たパチンコ店「大曽根キャッスル」内には、新たに少し本格志向の店舗として「らーめん寿がきや 大曽根キャッスル店」がオープンしている。こちらは1号店の創業の地だという想いがあるのだろう。
学生のお小遣いでも余裕で買える低価格が嬉しい
スガキヤのメニュー。どれも低価格だ。
平日限定セット、土日祝限定セットもある。こちらもお得である。
トッピング無しの単品ラーメンだと、320円である。
今回はこれをオーダー。
ソフトクリームが安いのは正義
ソフトクリームなどの甘味が充実しているのもスガキヤの特徴だ。特にソフトクリームはミニサイズで100円、レギュラーサイズでも150円と、低価格を維持している。
これほど低価格なソフトクリームは、IKEAのソフトクリームかスガキヤのか、というところだろう。
オーダーすると、リモコンブサーが渡される。
スガキヤのラーメンが完成した時、このブザーからけたたましい音が鳴る、のだ。
「ラーメンこしょう」も十分に準備されている。スガキヤのスープには、こしょうが抜群にマッチする。
これぞスガキヤのラーメン!
そしてこれがスガキヤ最古店 イオン上飯田店の「ラーメン」だ。
この地で40年以上の歴史を誇る、どこからどう見ても正真正銘のスガキヤのラーメンである。
「Sugakiya」の赤いロゴとチェッカーマーク。これを見るだけでこのラーメンやソフトクリームを連想する人も多いだろう。
ニューヨーク近代美術館MoMAにも展示されたスガキヤ名物「ラーメンスプーン」
そしてなんと言ってもこの「ラーメンスプーン」がスガキヤの特徴だ。
スプーンとフォークの機能を合体させた、画期的なスプーンである。
スープを飲むときはこのように、スプーンとして。
ラーメンを食べるときはこのように、フォークとして。
箸に持ち替えなくてもすぐにスープが飲める。箸を扱えない子供でもパスタの要領で容易にラーメンを口に運ぶことが出来る。
この機能美に溢れたラーメンスプーンは世界で認められ、ニューヨーク近代美術館MoMAに展示されているのだという。
ちなみにスガキヤのラーメンのスープは「和風とんこつ味」だ。とんこつをベースに、魚介系の出汁をミックスしているのだとか。
全体的にあっさりのスープであるが、とんこつ風味よりもカツオ出汁の風味が強めで、これが癖になる味なのだ。
この味は創業時から変わっていないという。
ラーメンと甘味のチェーン店として名古屋に創業してから50年近くのスガキヤ。今でも多くの人の愛される様は、名実共に「名古屋のソウルフード」である。