名古屋につけ麺ブームを巻き起こした張本人
数々の飲食店がひしめきながらもラーメン不毛の地と言われた名古屋・大須で創業し、名古屋につけ麺ブームを巻き起こしたお店といえば「フジヤマ55」。
その本店である大須総本店は、大須の赤門近くにある。
つけ麺・ラーメン フジヤマ55と書かれた大きな看板と、古風な外観の建物のインパクトが、派手な店の多い大須エリアの中でも埋もれない存在感を放っている。
そして自家製麺の看板も。麺にこだわりのあるフジヤマ55ならではの看板だ。
葛飾北斎の「富嶽三十六景」のパロディ、「富嶽五十五景」が飾られている。
赤富士に向かってつけ麺のデリバリーをしている所だろうか。
コンパクトな店内で濃密なつけ麺体験を
フジヤマ55は2009年に創業したつけ麺とラーメンのお店だ。
その1号店はここ大須にある大須総本店となる。
創業者である澤竜一郎氏は、ゼネコンに就職して建築家の道を進むが、実家が始めたラーメン店「中華そば あおい」を手伝うようになる。
その後2003年に名古屋の鶴舞にて「中華そば 鶴舞一刻屋」をオープンさせているが、数年後に「中華そば あおい」の暖簾を引き継ぐことになる。
その二つの店舗が順調に回っていた2009年、新店舗としてオープンさせたのが「フジヤマ55」だ。
フジヤマ55は大きな話題となり、連日の大行列になったという。
元々取り壊される予定だっという古い民家をリノベーションしてオープンさせた大須総本店は、狭小店舗ながら1日に700万円を売り上げる繁盛店となったという。
2020年6月現在、展開しているのはフランチャイズで、フジヤマ55のグループ店舗としてカナヤマ55、ヤゴト55、ぎん晴れ55などを含め、東海地方を中心に北陸や関東、そして海外も含めると40店舗以上で展開されている。
フジヤマ55 大須総本店の店内はカウンター席のみのコンパクトなフロアだ。
入り口脇には食券販売機がある。
今回は「つけ麺レッド」をオーダー!
生玉子が一人一つ、サービスされている。
こちらはつけ麺のスープに入れると、リゾットのように楽しめる。
横にはまぜそば用のマヨネーズやすりごまなどが用意されている。
テーブルの上には酢や醤油、一味、ニンニク、辛子味噌などがスタンバイ。
自分好みの味にカスタマイズすることが可能だ。
厨房には「神宮製麺」と書かれたコンテナボックスが積まれている。
魚介出汁の濃厚さを激辛テイストと共に味わう極上つけ麺
先に運ばれてきたのは具材。
なると、青ネギ、めんま、そして肉厚にチャーシューだ。
なるとに「55」のロゴが入っているのが可愛い。
そして次に運ばれてきたのは、麺!
極太でつやつやの、まさにつけ麺用といった見た目の麺だ。
さらにはスープ!
「つけ麺レッド」の名の通り、赤い!とにかく赤い!!
このインパクト!
食べてみると、麺のコシと喉ごしが抜群だ。
雑味のない麺は、どこまででも食べることができそうだ。
これを濃厚でコッテリとした魚介系のスープに浸すと、ツルツルとしたピュアな麺に、コッテリとした味が絡みつく。
このコントラスト感は、2000年代のつけ麺ブームの立役者「六厘舎」や「TETSU」、「三田製麺所」も感じさせてくれるものだ。
そして「レッド」たる激辛具合もたまらない。たちまち汗が噴き出してくるほどだ。
しかし味のバランスが良く、一気に平らげてしまった。
つけ麺は冷たいため、スープの温度が下がる。
そんな時はテーブル上のIH調理器で温め直すことで、アツアツのつけ麺を楽しめるようになる。
カオスな街 大須で食べる、超濃厚なつけ麺。
その体験はまさに富士山を登るがごとく、強烈なインパクトを与えてくれた。