新潟のソウルフード「イタリアン」
新潟ローカルのB級グルメといえば「イタリアン」だろう。
ソース焼きそばの上にパスタ用のトマトソースをかけたもので、300円くらいの軽食だ。
ここ「みかづき」は、新潟市において「イタリアン」を中心に店舗展開するチェーン店である。
みかづきの1号店は、新潟駅前の万代シテイバスセンターの中にある。
1階はその名の通り、新潟県内・県外の各方面に発着するバスのターミナルだ。
有名な「バスセンターのカレー」の上のフロアにある
その脇には新潟名物「バスセンターのカレー」を販売するそば屋さんもある。
ちなみにこれがバスセンターのカレー(ミニサイズ)。豚骨の出汁をベースにした黄色いカレーだ。独特の粘りけと意外にもスパイシーな味が、全国に中毒者を多く生んでいる。
みかづきの1号店である万代店は、ちょうどこの上、2階フロアにある。
赤い看板が目立ち、すぐに分かる。
みかづきの歴史はイタリアンの歴史
みかづきのルーツは古い。
1960年に新潟市の古町にあった甘味処「三日月」の創業者であった三日月晴三氏が、東京にの甘味処「中ばし」にて、大阪風の焼きそばをアレンジしたソース焼きそばを食べたことにヒントを得て、トマトソースをかけてフォークを用いて食べる焼きそばを考案、それを「イタリアン」と名付けたのが始まりである。
同時期に長岡では甘味処の「フレンド」(当時の店名は「長岡饅頭本舗」)もイタリアンを提供し、下越のみかづき、中越のフレンドとして棲み分けされながら、イタリアンは中越・下越地方の軽食として人気を博していくことになる。
この万代店は「イタリアン」を主力商品とする「ファストフードみかづき」の1号店であり、万代シティバスセンターが作られた1973年、同時にオープンした店舗だ。
みかづきは2018年7月現在、新潟県内を中心に22店舗で運営されている。
色んなアレンジのイタリアン、そして軽食も充実
みかづき 万代店のカウンターの様子。ファストフードのスタイルである。
イタリアンと並ぶみかづきの人気メニューはソフトクリームだ。種類が豊富である。
ソフトクリームの他、ポテトやたこ焼きも販売されている。
イタリアンのメニュー。イタリアンだけでも様々なアレンジが存在し、根強い人気があることを思わせる。
ここでは最もベーシックな、素のイタリアン 340円をオーダー。
店内は広いわけでは無いながらもイートインスペースはしっかり確保されており、ちょっとした軽食を楽しむことができる。
これがみかづきのイタリアン!
そして運ばれてきたイタリアン!
やや太麺の焼きそばの上に、トマトソースがかけられている!
そして千切りの生姜が添えられている。
どこからどう見てもイタリアンとしか言いようがない!
生姜をどのように食べるか?どのタイミングで食べるか?がポイントなのだろう。
これをフォークで食べる。まさにパスタのようで、パスタではない。
これぞイタリアン!
独特のヌメリ気があり、甘くも辛くもない。どことなく和風な感じもするけれど、やっぱりパスタっぽい。このよく分からない感じが、イタリアンだ。
ちなみにフォークは小ぶりで、一度に少しずつしかすくえない。
ガッツりと食べたい時は箸を使う方が効率が良さそうだ。
バスセンターのカレーと共に新潟のB級グルメを代表するイタリアン。
それは60年近い歴史を誇り、1973年のバスセンター設立と同時にみかづきの1号店である万代店がオープンしてから、現在に至るまでずっと定番であり続ける普遍的な存在。
時代がどれだけ変わっても変わらないその味に惹き付けられられた人々で、今日もバスセンターは賑わっていた。