新潟発祥のイタリアン!
新潟を代表するB級グルメといえば「イタリアン」。
ソース焼きそばの上にトマトソースがかけられたものだ。
イタリアンは、新潟市の店舗だと「みかづき」が中心だか、長岡市の店舗だとここ「フレンド」が中心となって展開している。
ここ、フレンド 喜多町店は、現存するフレンドで最も古い店舗である。
イタリアンの「フレンド」 その長い歴史
フレンドの歴史は長い。
その創業は1958年。長岡大手通にあったデパート「マルセン」の地下にて創業した甘味処「長岡饅頭本舗」がフレンドの直接のルーツだ。
当時はアイスクリームやあんみつをメインに取りそろえていたそうだが、何か軽食を出せないか?と創業者である木村政雄氏が思案し、「餃子」にたどり着く。
さまざまな試行錯誤を繰り返す中で、銀座にあった「天竜」という中華料理店の餃子が、ニンニクが入ってないのにとても美味しかったらしく、木村政雄氏は大いにインスパイアされ、餃子の方向性を定める。そしてこれが大ヒット。フレンドは餃子で大繁盛することになる。
翌年1959年、木村政雄氏と親交のあった新潟外食界の実業家・三日月晴三氏は、東京の甘味処「中ばし」にて、大阪風の焼きそばをアレンジしたソース焼きそばを食べたことにヒントを得て、トマトソースをかけてフォークを用いて食べる焼きそばを考案、それを「イタリアン」と名付けて販売を開始。店名も「みかづき」に改めた。
程なく木村政雄氏もこのイタリアンを提供開始。イタリアンにおける新潟市のみかづき、長岡市のフレンドの歴史をはここから始まった。
お互い、新潟県内でエリアが異なったため競合することは無かったが、今でもこの2社は親交があり、お互いのメニューのコラボレーションなどを行うほどである。
フレンドは2018年7月現在、新潟県長岡市を中心に9店舗を展開している。
ここ、フレンド 喜多町店は、現存するフレンドでは最古の店舗となる。
オープンは1971年だ。
日本初のドライブスルー
フレンド 喜多町店の特徴はなんと言ってもドライブスルーである。
このドライブスルー、ファストフードとしては日本初のドライブスルーなのだ。
マクドナルドがドライブスルーの店舗をオープンさせる1年前にこちらがオープンしたという。
あれ?日本初のファストフードは沖縄のA&Wで、あそこもドライブスルーがあったよな?
と勘付いた読者は鋭い!
A&Wにあるのはドライブスルーではなく、ドライブインである。
車で駐車場のような所に乗り付けてインターホンで注文し、車まで店員さんが運んできてくれて、車の中で食べることが出来るのがドライブインだ。
そうじゃなくて、車に乗ってやることは買うだけ、買ったら次の車にその場所を譲るというタイプのがドライブスルーである。
餃子やラーメンもラインナップ
外に貼られたメニュー。やはりイタリアンである。
そして餃子やラーメンもあるところがフレンドの特徴だろう。
イタリアンは330円である。
建物の裏側には本部の事務所も併設されている。事実上、本店である。
入り口にあるメニュー。レトロなディスプレイの中に、レトロなメニューがずらずらと並ぶ。
外から差し込む西日… 泣きたくなるような空間である。
フレンド 喜多町店のカウンター。
イタリアンと餃子とソフトクリームがメインメニュー。そして今は辛口カレーイタリアンが推しだ。
やはりここでは、イタリアンをオーダー。
たまらない雰囲気の店内
夕暮れ時、広くて空いた店内。レトロなソファー。
そして差し込む西日。ここは昭和の空気が流れている。
「あ~おしいかった」のために、自社で作り続けているという、フレンドのこだわりだ。
「フレンドの餃子は美味しいね!」から始まるYES・NOチャート。
参考になる…気がする!
長岡市のイタリアン・スタイル
そして運ばれてきた、フレンド 最古店 喜多町店のイタリアン!!
みかづきのイタリアンとは違い、こちらは箸で食べるスタイルだ。そして生姜も無い。
どこからどう見てもイタリアンである!
食べてみると、まさに焼きそば!
そしてトマトソースは、若干カレーのテイストを感じるような、スパイシーさがある。
このスパイシーさが結構やみつきになり、あっという間に食べ終わってしまう。
みかづきとはまた違う味わいで、イタリアンというメニューの微妙な幅を確実に感じることが出来た!
長岡を中心に展開するフレンド。その最古店である喜多町店は日本最初のドライブスルーといい、まさに日本の外食史の歴史に残る店であることは間違い無いさそうだ。